サッカー審判TIPS(123) ミスの連発 | サッカー審判KenKenのブログ

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サッカー審判TIPS(123)

ミスの連発


本日は少年団の帯同審判で3試合を担当。
恥ずかしながら自分のミスジャッジの話を書く。皆さんが同じミスをしないように。


2試合目のときにそれは起こった。

少年用の2つのグランドが隣接している。同時進行で大会が行なわれている。
私は試合前に隣のグランドに行って主審の方に「どんな笛を使いますか」と尋ね、先方がFOXなのでこちらはBALLILAを使うことにした。つまり音色がだぶらないようにしたのだ。

試合中にゴールキーパーが相手のシュートをゴールライン際でキャッチした。
その時私はゴールの正面でその様子を見ていた。
するとタイミングよく「ピーッ」と笛の音。
ゴールキーパーは「ゴールキックかな?」と思ったのだろう。
キック力のある他の選手に「はい」とボールを手から手に渡した。

もちろん、私は笛を吹いていない。隣のピッチの笛の音だったのだ。隣の審判とは笛の音色も違えてあるのに聞き違いするなよー。

■ミスその1
 私はここで笛を吹き、ハンドリングによる「ペナルティキック」を宣告した。
 (厳しいかなーと思ったが、せっかく事前に隣と笛の音色も調整したのにという気持ちがあったことも 否めない)

★回答と指針
 ルールブック2007/2008版70ページにこういう記述がある。
 観客の笛がプレーに干渉した(例えば、プレーが停止されたと思い込み競技者がボールを手で拾い上げる)と主審が判断した場合、主審は試合を停止し、プレーが停止されたときのボールの場所でドロップボールによりプレーを再開する。(2006/2007版では102ページを参照)
 つまり、隣のピッチの笛を外部からの妨害とみなし、プレーを停止してドロップボールで再開する
 ということなのだ。そしてこのドロップボールは相手選手を近くに呼び寄せる必要は無い。
 ゴールキーパーの前にボールを落とし拾わせればよい。


■ミスその2
 このペナルティキックを蹴らせたが、キッカーが助走をしている最中に攻撃側の選手が2人、エリアの中に侵入した。キックはゴールインしたが、ゴールを取り消して侵入位置から守備側の間接フリーキックとした。
 (エリア進入という反則を犯したのでもう一回蹴らせるというチャンスを与えるのはけしからんという
 気持ちが根底にあった)

★回答と指針
 ルールブック2007/2008版の128ページ。
 ここに、反則を犯した側とキックの結果のマトリックスがある。これをしっかり覚えること。
 私は覚えていたはずだが、頭の中でシミュレーションをしていなかった。
 だから自分の判定が正しいと思い込んでしまっていた。
 今回の場合はキックのやり直しが正しい。
 
★★重要
 必ず、実際のゲームでの場面を思い浮かべて正しい判定ができるように練習をしておくべき。
 自分がいざその場面に遭遇したときに間違えてしまわないように。



今回の件は、PKを宣告してしまったというミスの上、そのPKの際に発生した不正侵入による再開方法を間違えたという二重のミスを犯した。
取る必要の無かったPKが得点にならなかったので結果的には何も起きなかったことと同様になり、双方のチームからもクレームにはならなかった。また1点を争うゲームでなかったことも幸いした。

しかしながら、試合後自分の荷物の中からルールブックを取り出し、自分のミスジャッジを再確認したため双方のチームの監督に説明とお詫びに行った。
特に文句を言われるでもなく、主審は難しいですよね、ご苦労様と言ってくれたのはありがたかった。