サッカー審判TIPS(122) 早い飛び出し | サッカー審判KenKenのブログ

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早い飛び出し


これは先週月曜日(14日・祝日)の試合でのこと。
小学生の試合の主審を担当していた。

一方のチームに元気の良い選手がいた。
個人技もあり、ドリブルしながらルーレットで抜いていったり、果敢にボールを奪いに行ったり。
かなりハッスルしていた。
それは良いのだが、プレーが熱すぎて自陣のペナルティエリアすぐ外でファウルを犯してしまった。

すぐ後ろで見ていた私は笛を吹き、直接フリーキックを取った。
ぶつけられるのが怖い小学生たちは壁に入ろうなんて考えずゴール前に固まってしまう。

このハッスル君、仲間を誘って壁を作る。
ボールからの距離はちゃんと離れているのでそのままフリーキックを蹴らせた。

すると、キッカーが助走を始めるや彼は壁から飛び出し、そしてフリーキックが背中に当たった。
すかさず笛を吹き、警告を宣言。
ハッスル君、まさか警告を食らうとは思ってもおらずきょとんとしていた。

これは警告の対象となる「規定の距離を守らない」に該当する。
本来は、ボールが蹴られて移動するまで壁から飛び出してはいけない。
助走の時点では距離を守っていたがキックの瞬間は距離が守られていなかったので警告対象となる。

再開方法はフリーキックのやり直しだ。
ではボールが当たらなかったらどうだろう。

私は、ボールが当たらなかった場合でも、蹴られた瞬間に距離を守っていなかったのだから警告をすべきだと思う。

では、飛び出したがフリーキックがゴールインしたとしたらどうだろう。
これはもちろん得点を認めて、その後飛び出した選手に対して「周りにわかるように注意する」で良いのではないかと思う。当たって入ったのであろうと直接入ったのであろうと関係ない。
ゴールになったのだから、と注意を怠るとまた同じことをやるだろう。

同じ反則を繰り返させないことも大切だ。