サッカー審判TIPS(120) ドロップボールでの再開事件 | サッカー審判KenKenのブログ

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ドロップボールでの再開事件


本日(2008年1月14日)の少年団の試合でのこと。
私はベンチで試合を見守っていた。

我がチームのゴール前でシュートを顔で受けたDFの選手の唇が切れて出血。
ボールはキーパーがキャッチしたが、DFが痛がっていたので主審が笛で試合を止めた。

治療のためDFの選手をピッチの外に出した。
さて再開方法はどうなるでしょうか。

このブログを読んでいらっしゃる方ならばおわかりでしょう。
アウトオブプレーのときに治療で中断したのであれば、通常の再開方法でよいのですが、インプレー中
に主審の笛で中断させた場合はドロップボールで再開です。

本日の主審はゴールキーパーに持ち蹴りをさせて再開させようとした。
出しゃばりかとは思ったが「主審!」と叫んで「ドロップボールで再開だよ!」と指示。
主審も頷き、ボールを持ってドロップボールをする準備。

しかしあろうことか「ドロップボールやるからこっちに来て」と相手チームの選手に声をかけた。
「ええーっ」と思ったがドロップされたボールはキーパーがさわれず、相手のエースに渡る。
幸い他のDF選手がクリアしたが、これでゴールになってたら主審を恨むでー。

このような場合、主審は相手選手を呼ばず「ドロップボールします」と宣言した後、ゴールキーパーの前にポトリとボールを落としてやる。
ゴールキーパーがボールを拾い上げ、プレー停止前と同じ状況が作られパントキックでプレーが続くことになる。

ドロップボールは双方の選手を呼んでやらなければならないという思い込みからこういうことが発生する。ときにはこのような応用が必要だ。