サッカー審判TIPS(113)
高校サッカー開幕
昨日から高校選手権が開幕した。
高校サッカー、そして審判、と来ると5年前の岡山大会決勝のVゴール誤審事件を思い起こす。
作陽vs水島工業で行なわれた決勝戦。
1-1で延長戦に突入。当時は延長Vゴール方式だったため1点取れば勝利という場面だった。
作陽の選手が放ったシュートがゴール後ろのバー(ポスト?)に当たってフィールドに戻ってきた。
(このときシュートを放ったのが現在サンフレッチェ広島所属でU-22代表の青山敏弘らしい)
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/7566/
作陽のVゴール勝ちであったはずが、主審はプレー続行をうながし、結局その後両チーム無得点でPK戦に
より勝者を決定することになる。勝利の神様はいたずら好きなようで、PK戦で勝利をしたのは水島工業
だった。
さて、動画を見てみると確かにゴールインしているようだ。
主審も選手がシュート体勢に入ると見るやゴール方向に走り出している。これは好ましい。
シュートがゴールに入った瞬間をゴール正面から見ていたはずだ。
この誤審は何が原因だったのだろうか。
主審にはシュートがポストに当たって戻ってきたように見えたのだろう。
ルールブックには、主審の判定は最終であると記載されている。
こういう誤審も含めてすべてがサッカーである、と割り切ることも必要だが高校生の将来をも左右する
重要な試合では起きてほしくない。
この判定、この事件からの教訓は以下の通り。
*正しい判定ができる位置取り
これはこの主審はできていたと思う。
*シュート後の両チームの挙動の確認
これは少しずるいことだが、ゴールを決められた水島工業の選手は抗議することもなくガックリ
きていたらしい。その様子を見れば「今のはゴールだったのかも」と思いつくかもしれない。
(スローインの際など判定に迷ったら、ボールを取りに行った方に旗を上げるという判断も時には
役に立つ)
だから作陽の喜び方と水島の落ち込み方を見て判断してもよかったと思う。
*副審との協議
主審は自分の判定の助言として副審に意見を聞くことができる。
副審もこのような勝敗を左右するような得点シーンについては積極的に助言をしても良いと思う。
副審さえもこのゴールを見逃したとは考えにくいし、スローインが逆であることを助言するのとは
重みが違うのだから。
これから1月14日までの期間、素晴らしいプレーが素晴らしいジャッジのもとに展開されることを願う。