サッカー審判TIPS(108) PK戦の進め方(2) | サッカー審判KenKenのブログ

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PK戦の進め方(その2)

昨日に引き続き、PK戦の手順を確認していこう。
前回は、選手に準備をさせるところ(5)まで書いた。続いて行ってみよう。


(6)ゴールの裏には観客を入れないことが多い。(アマチュアの場合ね)
  少年団の試合などではゴール裏から観戦者をどかすという運用がよく行なわれる。(ウチの少年団
  だけ?)
  プロの試合などでは観客をどかすわけにいかないからだいたいホーム側のゴールが使用されることが
  多い(というか全部そうかも)。ホームのサポーターの大応援が相手キッカーにプレッシャーをかける
  ことになり、ホームに有利になる。ホームアドバンテージというやつだ。

(7)キックが行なわれるときの選手や審判の配置についてはルールブック55ページの図を参照。
  先日(12月15日)に行なわれた5年生の大会ではキッカー側のゴールキーパーを主審の後ろのペナル
  ティエリアのかどに座らせているのを見た。明らかにヘンだったが誰も指摘していない。
  これでは、ゴールキーパーが変な動きをしていないか見れないではないか。主審の背中にアッカン
  ベーしていてもわからない。必ず視界に入るようにしよう。

(8)副審は二手に分かれて、ひとりはゴールインの確認およびゴールキーパーの飛び出しの監視、
  もうひとりはセンターサークルに残って双方の選手の監視という役割を担う。
  ゴールキーパーの飛び出しをどの程度厳しく取るかはPMKの前に主審と副審とで確認しておくのが
  よい、というかしなければならない。
  私が主審をしていたとき、「飛び出しが早いかなー」と思ったが副審がアピールしないから流して
  続けさせていたことがある。試合後、副審と話をしたら、「私も早いかなーと思ったけど主審が聞き
  にこないからま、いいかと思いました」と言われたことがある。

(9)ゴールインしたら副審とアイコンタクトをして確認し、記録をつけよう。
  ゴールインしても笛は吹かない。バーを叩いて下に落ち、フィールド内に転がってきたがゴールイン
  であると副審からアピールがあったら笛を吹いて「ゴールイン!」と宣言する。ノーゴールの場合は
  体の前で両手を交差させながら首を振り「ノーゴール」と言ってあげよう。ジェスチャーは別に決ま
  りがあるわけではないので、選手や観客にちゃんと伝わるような方法であればよいと思う。
  記録用紙には選手の背番号を書いてそれを○で囲むとか×を付けるとかしておくとよい。

(10)背番号を必ず書くようにする。
  かつて、少年団の試合で5人蹴っても同点で6人目に突入したことがあった。
  先攻チーム6人目のゴールが決まり、後攻チームがボールをセットした。
  そのとき今蹴った先攻の選手が実は最初(1人目)に蹴った選手だったことに気づいた。(汗)
  大急ぎで、センターサークル方向に走り、「今蹴ったキミ!一番最初に蹴ったよね。」と確認。
  そしてベンチの監督に「今のゴールは無効です。別な選手に蹴らせてください。次のキックが行なわ
  れる前なのでやり直しとします」と告げた。(せっかくゴールを決めたのにと監督は不満そうだった
  が、第5条に「主審はプレー再開の前に直前の決定が正しくないことに気づいた場合は決定を変える
  ことができる」とある。間に合ってよかった)
  同じ選手が出てきたときにチェックできなかった私(主審)も悪いが、センターサークルから出て行く
  キッカーを確認していない副審も悪い。さらに最初に蹴った選手が6人目として出て行くのをそのま
  まにしていたベンチもルールを知らないので悪い。
  それ以来、漫然と背番号を記入するのではなく、その選手が2度目ではないかどうか改めて確認する
  ようにしている。
  このようなミスを防ぐために、センターサークル内で待っている選手が蹴る順番に並んでおくよう
  副審が指示しておくとよい。
  また、蹴り終わった選手は列の最後尾につくようにコントロールすることも忘れずに。

(11)試合中のPKでは攻撃側の選手がエリア内に侵入した場合にキックが成功した場合と失敗した場合、
  そして守備側の選手がエリア内に侵入していてキックが成功した場合と失敗した場合とで再開方法
  を間違えないようにしなければならず、けっこう面倒くさい。
  PMKでは、エリアに侵入する他の選手はいないので、キッカーの反スポーツ的なフェイントとか
  ゴールキーパーの早すぎる飛び出しの場合にのみ結果を認めるかやり直しをさせるかの判断となる。

(12)バーやポストに当たって戻ってきたボールはキッカーが再度シュートすることは勿論できない。
  ではゴールキーパーがはじいたボールをキッカーが蹴りこんだ場合はどうだろう。
  試合中のPKではゴールインを認めるが、PMKではゴールキーパーがはじいた段階で「失敗」という
  結果が出たのでゴールインとはならない。

(13)11人全員が蹴ってもなお決着がつかない場合は2巡目に入る。このときは1巡目と同じ順番で蹴る必要
  はない。

(14)試合の決着がついたときには、試合終了の笛を吹く。ボールは副審が取り上げてセンターサークル
  まで持ち帰るのがよいと思う。


ルールブックには、PMKの間に選手が退場になった場合とか、ゴールキーパーが入れ替わるケースとかが
書かれているがあまり現実的ではないのでここでは省略する。
自分の試合あるいは自分が裁く試合でそういうケースが発生したらブログに書こうと思う。