サッカー審判TIPS(107) PK戦の進め方(1) | サッカー審判KenKenのブログ

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PK戦の進め方(その1)

90分(および延長戦)で決着がつかないとき、「引き分け」で双方勝ち点1とする場合とトーナメント戦で勝ち上がりを決めなければならない場合がある。

PK戦と言われているものが、その勝ち上がりを決める方法の一つである。
「勝者を決定する方法」の一つとして「ペナルティマークからのキック」とルールブックに書かれている。
試合中の反則によるペナルティマークからのキックをPK(ペナルティキック)と呼ぶが、勝者を決めるためのキックは罰則によるキックではないのでPK(ペナルティキック)と言わず、「ペナルティマークからのキック」と呼ぶのだ。長いから本日は勝手にPMKと呼ぶことにしよう。
本日はこの進め方について書いてみる。

さて、90分(あるいは大会で規定された時間)で決着がつかない場合、延長戦を行なうことがある。
まず、延長戦の前に選手を一旦ベンチに下げて休憩をさせる。5分程度でよいと思う。
そしてキャプテンを呼んでコイントス。コイントスで勝った方が攻めるゴールを決め、負けた方がキックオフを行なう。
延長戦の前後半の間には休憩は取らない。ピッチから出さずにエンド交代を行なう。
ゴールキーパーが場所を入れ替わるのに時間がかかるのでその間にフィールドプレーヤーがタッチライン上で給水をすることは問題ない。

延長戦で決着がつかなかった場合はPK戦(PMK)に突入する。
この場合は双方の選手を一旦センターサークルに整列させて「1対1で引き分けなのでPK戦を行ないます」などのように宣言するセレモニーを行なう。ここでPMKと言っても通じないから注意。

(1)原則として選手はベンチには戻らせない。給水もしない。
(2)主審は、どちらのゴールを使うかを告知する。
(3)キャプテンを呼んでコイントスを行ない、勝った方が先攻後攻を選択する。
  また、どちらかのチームに退場者がいたりして両チームの人数が同じでない場合は、多い方
  のチームからPMKに参加しない選手を選ばせ、ベンチに帰す。
  (人数を同じにする理由は、人数の多いチームの11人目と人数の少ないチームの1人目では技量や度胸  の差が極端に出て不公平だからだ)
(4)少年の場合は、キャプテンをベンチに帰して監督にキックの順番を相談に行かせることが多い。
(5)冬場の場合、汗が冷えると風邪を引くので2、3名の選手に全選手の分のベンチコートを取りに
  行かせる、あるいは控えの選手に持ってこさせるなどの配慮はすべきと思う。
  (全員で取りに帰らせるのは混乱するので避けたい)

  上記については事前に大会本部と運用を打ち合わせておくべきと思う。
  試合によって、主審によって運用や手順が異なると選手やベンチが不満に思うことになる。
  たいてい「PK戦になったらこちら側のゴールでやりましょう」などと事前に本部が決めておくことが
  多い。

続く。