審判の七つ道具(主審編その2)
前回の続き。笛、時計、カードと紹介した。引き続き試合に必要な道具を紹介しよう。
(4)試合記録カード
対戦チーム名、日時、グランド名、審判名などを記入する用紙。
主催者側が用意することが普通だが、念のためにいつも予備をカードケースに用意している。
ある時、本部でも用紙がなく、私も予備が切れていたため前回の試合の記録カードの余白に記入した
ことがある。他人に見せなくても済むものなので最悪ノートの切れ端でも済むが、選手の目につい
たら恥ずかしい。
チーム名は正確に。試合前の整列時に間違えたり読み違えたりすると主審への印象を悪くする。
得点は正の字で書き込む。得点者の背番号、得点時刻も記録しておくと良い。
ハーフタイムに本部から「前半の得点者を確認したいので教えてください」と言われたことがあり、
記録しておいてよかったと思ったことがあるので。
本部のチェックが無くても念のためハーフタイムに副審とスコアと得点者を確認することを癖にする
と良い。
警告や退場の記録を裏面に書く場合もあるので警告カードにメモした場合忘れずに転記しておく。
イエローカードに直接書いたときはあとで消しゴムで消しておかないと訳わかんなくなる。
イエローカードに貼り付ける、書き込みできるシールも売っているのでこれを利用するのもよい。
(5)えんぴつ
審判記録カードに書き込むのは鉛筆が良い。
ボールペンでももちろん書き込めるが、ボールが滑ってインクが出ないというトラブルもある。
adidasブランドのえんぴつもあるが、5本入り350円と高い。昔ゴルフに行ったときにスコアカードと
一緒に持ち帰ったえんぴつが大量にあるのでそれを使用している。
短いえんぴつを挟んでおくのも粋かも。
(6)コイン
コイントスは試合前にエンドとボールを決めるのに必要。
最悪はじゃんけんでも代用できるが主審がコインを忘れたため主将同士にじゃんけんさせるという
のはカッコ悪い。
コインは何でも良いがあまり低額面のコインは威厳がない。日本のコインだったら最低でも100円玉
以上を使いたい。
私はきれいで珍しいという理由で外国のコイン、しかも金銀2色のコインを使っている。
1または2ユーロコイン、10香港ドルコイン、10フランコインなどを利用している。
ある審判セットにはオセロのコインが付属していたが、黒いほうは黒星につながるから縁起でも
ないので使わないようにしている。
そのほかに古銭でも、adidasやPUMAのトス用コインでもよい。
次にコイントスの仕方。
親指でピンと空中にはじき上げ手のひらあるいは手の甲で受けて反対の手でカバーをし、のちに手を
どかして表裏を見せるという行為だ。
私ははじき上げるのや受けるのがうまくないのでだいたい地面に落としてしまう。
両チームの主将が地面を見るために頭を下げるので、審判に礼をさせたと思って秘かに満足感を
味わうということもできる。
ピッチに向かって左側がホームチーム、右側がアウェーチームなのでアウェーに敬意を表して
アウェーチームにコインの裏表を選ばせる。これはJFAの講師の方が言っていたお約束。
私はそれまで、会場から地理的に遠いチームに「はい、あなたはこっちの数字のほうの面ね」と
決め付けていた。アウェーに敬意を払うならば表裏を選ばせるべきなのだ。
コイントスに勝った方が陣地を選ぶ。「どっちに攻める?」と聞くのがよい。
じゃ、○○の方がキックオフね、と逆のチームのキャプテンに言う。
(7)ワッペン
ワッペンをつけないで審判をやるのはあまり好ましくない。名刺を持たずに営業に出たという感じ
だろうか。
できれば袖にフェアプレーワッペンをつけるのが望ましい。
ワッペンケースに入れてマジックテープで着脱できるようにするとワッペンが汚れなくてよいので
利用している。
また、2006年から3級ワッペンのデザインが変更になった。色やデザインは変わらないが昔のは05と
書いてある。新しいのには05という文字はない。念のためこのワッペンも審判セットの中に入れて
おいてある。忘れたときのために。
次回は副審編…