(なかなか重要ではありますがマニアックな話です)

 

 

非常に経営が切羽詰まっている市立ひらかた病院についての記事です。

 

何がどう切羽詰まっているか、何が課題か、については、

ざっくり申し上げますと、

●病床稼働率が80%のところ70%程度で、月によっては70%未満の月もある。

●そのため収益が伸びず、当初の経営計画の数値から非常に乖離している。

●市の行革計画にも病院への補助金抑制が書いているが完全に絵に描いた餅状態に・・・・。

 

 

一般的に、公立病院というのは経営が立ちゆかなくなれば、市から赤字の補てんをすることになり、それが原因となって自治体の財政に大きく影響を与えることになります。

 

 

公立病院として、市民の命を守るために言わゆる不採算部門(小児科、産婦人科、救急等)の医療もになっているため、一概に赤字だから直ちにダメというわけでもないのです。

 

 

しかし、

 

●診療科ごとに目標設定していないので各診療科でどこまでの収益を上げるべきかも不明

●公立病院としての役割といわれる政策医療(救急科、小児科、産婦人科)についても前年割れ。

 

 

という大変厳しい状態が続いております。

 

ということで、私も適宜一般質問などで取り上げております。

 

2017年9月議会:市立ひらかた病院について

2017年決算特別委員会:計画と比較して数値が低いが病院経営は大丈夫か?

2017年12月議会:病院経営:DPCの加算の取得を。

 

 

 

と、前置きが非常に長くなりましたが、

 

今年度の枚方市のDPC係数が上がっておりました。

一言で言うと係数は高いほうがいいです。

 

 

DPCとは、包括評価制度です。

こういう病気の人にはこういう治療が行われるだろうというので包括的に診療報酬を決めます。その際、病院の体制などを評価して、同じ医療行為でもDPC係数が高ければ診療報酬が高くなります。

 

 

 

一般的には、

 

DPC係数が高い

=医療の質が高い、医療体制が良い

=診療報酬が高い

 

となります。

 

●DPC=基礎係数+機能評価係数Ⅰ+機能評価係数Ⅱ

で構成され、

 

 

●基礎係数は病院が何群に属しているかで決まります。

Ⅰ群、Ⅱ群、Ⅲ群に分かれていて、

それぞれ基礎係数が違います。
Ⅰ群(大学病院本院群): 1.1293 
Ⅱ群(特定病院群):1.0648 
Ⅲ群(標準病院群):1.0314

枚方市はⅢ群です。Ⅰ群の方が病院として高度な医療を提供しているところです。中核市の公立病院であれば、よくてもⅡ群です。

 

●機能評価係数Ⅰ

は病院の体制によって加算がされていきます。感染症予防の体制があるか、認知症予防の体制があるか、等。

 

 

●今回は、機能評価係数Ⅱについてです。

 

枚方市の数値は

2015年→0.0508

2016年→0.0613

2017年→0.0551

 

と来ておりまして、

昨年の12月議会でもDPC係数を上げるべきだという提案をしておりました。

 

今年については、

 

2018年→0.0847


 

とかなり上がっています。

 

 

医業収益にどれだけの効果があるかは気になるところです。

 

ちなみに、大阪府内の公立病院の第Ⅲ群の中では、

↓以下のような順番になっており、全体的に機能評価係数Ⅱは前年度から増えているところが多いです。

 

市立豊中病院   0.1134 
地方独立行政法人市立東大阪医療センター   0.1120 
市立岸和田市民病院   0.1072 
市立池田病院      0.1003 
市立吹田市民病院       0.0937 
箕面市立病院    0.0876 
八尾市立病院   0.0876 
和泉市立総合医療センター   0.0847 

☆市立ひらかた病院   0.0847 

泉大津市立病院   0.0715 
市立柏原病院   0.0715 
市立貝塚病院   0.0666 
大阪市立十三市民病院   0.0642 


病院を取り巻く環境があるので直ちに良し悪しは判断できないところですが、公立病院として市立ひらかた病院は機能評価係数Ⅱが高いわけでもなかったので、議会で取り上げました。
 

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ただ、今の市立ひらかた病院の状態はDPCの係数が上がった、下がった、という話どころではないかもしれませんが・・・。

 

病院経営については6月定例月議会の一般質問で同じ会派の池上議員が取り上げる予定で、私も質問作成にあたり若干協力させていただいておりました。

 

 

しかし、先般の地震により、この議会では災害対応を優先させるため、一般質問を実施しないことになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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基礎係数と機能評価係数Ⅱについては以下をデータ元としております。

 

 

平成30年度診療報酬改定について(厚労省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html

のうちの、

(11)厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数、暫定調整係数、機能評価係数I及び機能評価係数IIの一部を改正する告示

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=531862&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198301.xlsx

 

のエクセルの、別表第三(DPC標準病院群)のシート

 

 

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