決算の質疑です。

 

課題が山積の病院事業経営。

 

枚方市の行革計画の約7割を占めることになっております。

病院事業経営がうまくいかなければ市の行革計画の達成も難しい状態です。

最近毎回議会・委員会で取り上げております。

 

この前の9月議会でも:市立ひらかた病院について

この次の12月議会でも:病院経営:DPCの加算の取得を。

 

取り上げております。

 

 

・当初計画値よりも収益や入院の率などの数値が悪い状態

(例えば入院は80%目標のところ70%程度)

 

・本来的にはかかりつけ病院ではなく、急性期病院としての位置づけとして、入院を多く、外来を少なくするはずだったのに外来比率が高い(入院が少ない)

 

・公立病院としての役割といわれる政策医療(救急科、小児科、産婦人科)についても前年割れ。ニーズがない?

 

 

などの部分を質疑で取り上げております。

 

 

【質問】

病院事業についてお聞きします。病院事業会計の経営健全化が、市の行革プランの中で大きい割合を占めています。目標効果額の50億円のうち、病院で31億を見込んでいますので、重要な位置づけです。

しかしながら、病院事業会計平成28年度決算は7億4,102万2千円の純損失を計上しており、経営状況は、順調とは言えない状況ですが、中期経営計画の想定に比べどのような状況なのかお伺いします。

 

【答弁】

平成28年度決算は、まず、収益では入院外来等の医業収益が前年度比で約1億4900万円増加したことにより、前年度決算数値を約3億1400万円上回りましたが、計画値に対しては約6660万円下回りました。

 また、費用については、給与費、材料費、経費等が増加したことにより、前年度決算数値を約3億6600万円上回り、計画値に対して約1億5800万円上回ったことから、純損失は計画値を約2億2,400万円上回る結果となりました。

 

【質問】

計画に比べ、収益は下回り、費用は上回ったということで、大変厳しい状況であることはわかりました。

では、次に当初の業務予定量と実績についてですが、

入院患者数については予定量95,495人に対して、

平成28年度実績は85,731人で、予定よりも9,764人下回り、

 

また、外来患者数については予定量197,631人に対して、

平成28年度実績は199,511人で、予定よりも1,880人上回っています。

 

 

また、外来/入院患者比率というのがありますが、

医師が担当する外来患者と入院患者の比率で、

より専門特化した高度医療を提供している病院では入院重視の傾向となり、この数値が低くなるというものです。

 

↑上の囲っているところがひらかた病院の外来比率とほかの自治体病院の外来比率の違いです。数値が高ければ外来が多いということです。

 

市立ひらかた病院は、確かに外来患者数については当初業務量を上回っており、この外来/入院患者比率においては、全国自治体病院平均に比べ、非常に高くなっており、高度医療、入院重視とは逆の傾向にあります。

これは、どのような理由からなのでしょうか。

 

【答弁】

ご指摘のとおり、本院の外来/入院患者比率は、全国自治体病院平均に比べ約1.4倍の水準となっています。

その原因は、他の病院に比べ「紹介状なしの患者さんが多いこと」と、「一度の来院で複数の診療科を受診される患者さんが多い」ためで、唯一の公立病院という事から、「紹介状なしでも利用できる」又は「自分のかかりつけ病院」という認識をお持ちいただいているためと考えています。

本院としては、定期通院されている方などには、地域における役割分担を丁寧に説明

し、お近くの「かかりつけ医」の紹介を勧めているところです。

  

【質問】

しっかりと地域の病院・診療所との連携を深めていっていただきたいと思います。次に、市立ひらかた病院が担っている役割、公立病院としての役割、いわゆる政策的医療(不採算医療)とは、どのような診療科のことでしょうか、お伺いします。  

 

【答弁】

政策的医療とは、救急医療、小児二次救急医療、周産期医療、感染症医療、助産施設などであり、診療科で言いますと救急科、小児科、産婦人科などになります。

 

【質問】

政策的医療として担っている診療科については、不採算になることは理解できますが、小児科、産婦人科、救急科については、いずれの診療科についても、平成27年度と比較して収益が減少しているのはなぜでしょうか。

 

↓青で囲っているところが小児科・産婦人科・救急科です。

 

特に救急科については、収益が16%以上も減少しており、枚方市全体として救急の件数が減少しているのか、それ以外の要因によるものなのかお伺いします。

 また、平成27年度と28年度の救急の依頼件数と受け入れ件数についてもお伺いします。

 

【答弁】

まず、小児科においては少子化がひとつの要因であると考えられますが、一方で予防接

種の効果も大きいと考えられ、子どもが感染症等に罹患しても重篤化しなくなっている

ため患者数自体が減っているものと考えています。

次に救急科の減少については、救急患者数の減少が原因で、平成27年度9121が平成28年度7,999に、1,122減少したためです。

その要因ですが、枚方市の救急全体の数が増加する中、他の医療機関が救急患者を積極的に受け入れたことによるものと考えています。

本院としても平成28年度の後半からは、救急搬送患者は極力断らないとして、受け入れ依頼に対する応需率の目標を80%に定めました。

その結果、平成29年度の上半期は、大きく改善しています。

なお、救急搬送の依頼件数と受け入れ件数は、平成27年度が依頼5,171件に対し3,262件の受け入れ、平成28年度が依頼4,348件に対し2,968件の受け入れを行いました。

 

【質問】

公立病院としての果たすべき役割の部分である政策医療に関してもニーズが低かったり、ほかの病院で救急の受け入れをしていただいており、このような状態だと、市立ひらかた病院として目指している医療と、現実に求められている医療にギャップがあるように感じますが、市立ひらかた病院として、今後どのような役割を担っていくべきであると考えているのかお伺いします。

 

【答弁】

2025年に向けて、医療をはじめとした社会保障制度は大きな変革期を迎えています。

診療報酬制度においても2014年2016年と実質マイナス改定が続き、来年4月には診療報酬と介護報酬の同時改定も予定されています。

そういった背景の中、今後、病院経営はますます厳しくなることが予想されますが、本院としては、大阪府地域医療構想に基づき、市立病院として救急医療や感染症医療などの政策的医療を担いつつ、地域における小児二次救急医療の確保や医療機能の分化と連携による地域完結型医療の構築に必要な役割を果たしていきたいと考えています。

 

 

【意見要望】

計画通りに遂行していただき、負の遺産にならないようにお願いします。

 

 

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枚方市議会議員
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未来に責任

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