この所、

  何となく着物の襟が決まらなくなりました。

  

  今まで、その様な事を感じたことが

  無かったのですが、

  長襦袢を着て、

  きものを着て、いざ帯を結び始めると、

  左右の半襟の出方が違うのに気付きます。

 

  何となく手でその衿の出方を整えて

  帯を結ぶのですが、

  結局その様な直し方では、

  根本的な解決にならず、

  一日中鏡を見るたびにがっかりします。

 

  原因を考えてみるのですが、

  これといって、変えたことはありません。

 

  襟元が決まって無い時は、

  基本的に長襦袢まで戻らないと

  直ることはありません。

 

  長襦袢の半襟の山が、

  胸の丸みの外側に達していないと、

  着くずれします。

 

  また、胸紐の位置が低くてもいけません。

  紐をした後、

  脇の縫い目の紐下を下に引っ張り、

  出てきた身八つ口に

  人差し指を後ろに向けて差し込みます。

 

  後ろ身頃をその人差し指と親指で

  挟んで手をぐいっと返しながら、

  背中のしわを伸ばします。

 

  続いて、紐下の背中心を下に引っ張り、

  最後に背中心の位置の紐の下から

  両手の人差し指を入れて

  左右にしわを伸ばします。

 

  背中が綺麗に整いましたら、

  身八つ口を前身頃で丁寧に蓋をします。

 

  この時に、

  左右のバランスが崩れるのだと

  思いました。

 

  この所、少し痩せたせいか、

  見頃にゆるみがあるように思います。

 

  蓋をするときに、

  しっかり衿を崩さないように

  見張っておくことが大切です。

 

  衿が交差する位置は、

  あくまで、

  鼻の正面どちらにずれてもいけません。

 

  それを確認しましたら、

  ゴムの伊達締めでしっかり

  胸紐を押さえます。

 

  襟元が崩れるのが嫌で、

  妙に長襦袢やきものの

  襟元を押さえる胸紐

  (本来腰紐と申しますが、

  腰紐はきものの裾を決めた後に

  締める一本だけを私はそう呼びます。)

  をきつくされる方がおられますが、

  この紐は、押さえる程度で大丈夫です。

 

  ですが、押さえる位置が問題で、

  特におきものの時は、

  下前の衿の先をこの紐が

  押さえているかどうかで

  衿元が変わってきます。

 

  また、紐を締める前に

  身八つ口から入れた左手と

  上前の衿を押さえる右手の

  力を入れる方向は、

  衿の傾きに沿わせた斜めでなくては

  なりません。

 

  上前の衿で下前の衿を

  押さえるような感覚で力を入れ、

  そこを、胸紐で押さえる事が大切です。

 

  なかなか動作を口で説明するのは

  難しいことです。

    

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