ネネさん出産物語。キム目線 vol.3 | 喫茶きむ

さてさて。

ネネさん出産シリーズも第3弾ですね。

 

出産を振り返っていると、

こうして日々、子どもたちが元気にうるさくしていることも、

なんだか幸せな気持ちになったりしちゃいます♫

 

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ネネさん出産物語。キム目線 vol1

https://ameblo.jp/kimkimkim1202/entry-12378380534.html

 

ネネさん出産物語。キム目線 vol2

https://ameblo.jp/kimkimkim1202/entry-12378469169.html

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ようやく

 

ようやく

 

 

生まれてきた赤ちゃん。

 

 

 

とは言え、本格的な陣痛が来てから無事に生まれてくるまで3〜4時間くらいなのかな?

 

 

とんでもない、大迫力&大音量で出産したって言っても

世間的に言ったら安産も安産だったと思います。

 

 

辺りはだいぶ暗くなってきました。

 

6月26日なのできっと7時を過ぎたくらいだったと思います。

 

 

それでも僕たちは電気は点けませんでした。

 

 

生まれたての赤ちゃんは明るい電気が苦手なので、

しばらくは暗闇の中で育てようと決めていたからです。

 

 

実際、生まれてきた赤ちゃんは

全く泣きもせずパッチリとお目々を開けて

じっと里恵を見つめていました。

 

 

 

お布団に横になって、里恵さんのお腹の上にぺチョンって乗っけれらた赤ちゃん。

 

 

 

小さい・・・。

 

シワシワ・・・。

 

 

 

小さな小さな胸が一生懸命呼吸をして、

大きく大きく動いている。

 

 

 

生きてる。。。

 

 

 

 

しばらく、3人で静かな時間を過ごしていたと思います。

 

 

 

そうしているうちに完全に夜に。

 

 

すると赤ちゃんがモゾモゾと動き始めます。

 

 

生まれてきたばかりの赤ちゃんが、

必死な顔をしてモゾモゾと動き始めたんです。

 

 

 

里恵さんのお腹から上へと上がっていこうとしていました。

 

 

ゆっくりと。

必死に。

プルプルしながら。

 

まさに本気で登り始めました。

 

 

 

必死に必死にジタバタしても

細くて小さい赤ちゃんが進むめるのはほんのわずか。

 

 

 

赤ちゃんがおっぱいに向けて

這い上がろうとしていることは

すぐにわかりました。

 

 

 

生まれてきてまだ15分程度。

 

 

 

まだ小さい小さいシワシワな赤ちゃんが、

まさに全身全霊でおっぱいに向けて進もうとしているんです。

 

 

僕たちはその光景をただ黙って、

全力で応援していました。

 

 

進んだかと思えば下がる。

 

 

そんなことの繰り返しでほとんど進まない赤ちゃん。

 

 

 

それでも、

明らかに全力なんです。

 

 

命がけでおっぱいに向かって登ろうとしている。

 

 

 

なんかね。。。

 

それはとても圧倒的な光景でした。

 

 

 

 

生まれる瞬間や死ぬ瞬間。

 

それは、まさに命を感じる瞬間。

 

 

 

でも、

赤ちゃんのおっぱいへの行進は、

それ以上に命を感じさせてくれました。

 

 

 

 

15分、20分かけて、

 

お腹からおっぱいまでの短い距離を

赤ちゃんは命がけて進んでいる。

 

 

 

あと少し。

 

 

あと少し!

 

 

 

頑張れ!

 

 

 

頑張れ!!!

 

 

 

 

 

 

顔を里恵の肌に擦り付けながら、

プルプルと震えながら、

 

 

 

ついに

 

 

 

ついに

 

 

赤ちゃんは里恵のおっぱいに食らいつきました。

 

 

 

 

よくやったね。 

頑張ったね。

ありがとう。

ありがとう。

 

 

僕たちは何かとんでも無いものを

見せてもらったような気持ちになりました。

 

 

 

 

この子は生きている。

 

この子は生きようとしている。

 

この子は必死に生きている。

 

 

 

みんなみんなこうやって必死に生きてきたんだ。

 

 

 

 

おっぱいに向かって進むのも一生懸命なら、

おっぱいを吸うのも一生懸命。

 

 

 

りえと二人で、

ただひたすら命のすごさに圧倒されていました。

 

 

 

どれくらい時間が経ったのか・・・。

ふと両親のことを思い出した。

 

 

 

そうだ。忘れてた。

 

無事生まれたことを報告しよう。

 

 

 

 

実は、

俺の両親にも、里恵の両親にも、

自分たちだけで赤ちゃんを迎えるということは内緒にしていました。

 

 

 

言えば猛反対する。

 

それがわかっていたし、

どんなに反対されても自分たちだけで産むつもりだったし、

 

 

余計な心配させるだけだと知っていたので、

両親には助産師さんが来てくれることにしていました。

 

 

 

まずは自分の両親に電話をしました。

 

 

 

俺「もしもし!無事生まれたよ!今までありがとうね。」

 

 

その時、父が衝撃的な質問をしてきました。

 

 

父「そうか!良かったなぁ。

  で、どっちだ?」

 

 

俺「ん?どっちって?何が?」

 

 

 

そうなんです。

 

 

僕たちは無事生まれたことだけで、大満足していて、

生まれた赤ちゃんが男の子なのか?女の子なのか?

 

 

そんな概念を持ち合わせていなかったのです(笑)

 

赤ちゃんに性別があることを忘れていたのです!!

 

 

 

父「何がって男か女かどっちに決まってるだろ!!!」

 

俺「あ。。。

  わ、わかんない。。。」

 

 

 

そこで初めて我に返った俺は、

かなり汗りながら、

 

 

俺「い、今生まれたばかりだからまだわかんないわ。 

  と、とにかく無事だから。じゃあね」

 

 

といそいそと電話を切ったのでした(笑)

 

 

 

確かに。。。

普通は産まれたらまずは男の子か女の子か確認するわな。。。(苦笑)

 

 

 

慌てて赤ちゃんの所に行って、

男の子か女の子かを確認しようとしたら、

 

 

赤ちゃんは里恵の上でおっぱいを口に含みながら、

スヤスヤと眠ってしまっていました。

 

 

 

僕たちは、おっぱいまでの必死の行進を見ていたので、

とてもその子を里恵から離して、

 

男の子なのか?

女の子なのか?を確認する気にはなれませんでした。

 

 

さっきも書いたように、

赤ちゃんのために、お部屋は電気をつけてないので、

暗くてよくわからない。

 

 

お尻の辺りを探ってみたけど、

ん?なんかこれは金玉っぽいぞ・・・。

 

 

た、多分、男の子だろう・・・。

 

と、その程度の確認で終わりにしてしまいました(笑)

 

 

 

 

 

その当時、僕たちの周りでは出産した仲間はまだあんまりいなくて、

出来れば立ち会いたいという仲間がたくさんいました。

 

 

 

さすがに立ち会うのは無理だけど、

産まれたらすぐ報告するね。

 

と言っていた仲間がたくさんいたことを思い出しました。

 

 

なので、仲間にも無事生まれたことを報告。

 

 

 

里恵さんもだいぶ落ち着いてきて、

ちょっと顔を見せるくらいなら、

見に来てもいいよと連絡を入れたのです。

 

 

 

電話をすると、4、5人で今から見にいく!とのこと。

 

 

 

家の中は色んなところに血がついていたり、

血だらけのバスタオルが散乱していたので、

 

 

暗闇の中、

僕は廊下に着いた血を拭いたり、

血だらけになったお風呂を掃除したりしていました。

 

 

 

すると仲間たちからお電話。

 

 

「今、家の下まで来たから、今から行くね」とのこと。

 

 

 

その電話を切った時、

 

また衝撃的なことに気がつきました!!!

 

 

 

 

なんと!

 

 

 

僕はスッポンポンだったのです(笑)

 

 

 

 

その瞬間まで自分がスッポンポンだということに気がつかなったのです。

 

 

 

出産の準備をしていた時、確かに俺は服を着ていた。

 

 

なのに、なぜ俺はスッポンポン??

 

 

 

全く記憶にないのです!

 

 

いつの間にかスッポンポン。

 

 

いつ脱いだんだ???

 

 

里恵さんに「頑張れ!!」とか叫びながら、

いそいそと服を脱いでいる自分を想像してちょっと笑う(笑)

 

 

 

 

今思えば、無意識にスッポンポンになってるのもすごいし、

それをずっと気づかずに過ごしていたこともすごい。

 

 

 

それくらい取り憑かれたような状態だったんだよね。

出産ってすごいよね(笑)

 

 

 

慌てて暗い部屋の中から服を探し、

パンツにTシャツを着たのと同時で、

 

仲間数人が家に入ってきたのでした。

 

 

 

その時はまだ生まれて2時間くらいなのかな?

 

まだ胎盤は里恵さんのお腹の中。

 

 

臍の緒も切ってない。

 

 

 

なので赤ちゃんから臍の緒が伸びて、

里恵さんのお腹の中の胎盤を繋がったままの状態。

 

 

 

依然として、男か女か不明。

 

 

 

そんなリアルな出産現場にみんなは駆けつけたのでした。

 

 

 

お部屋は暗くて、あんまり見えなかったけど、

その生々しさは伝わったと思うな。

 

 

 

赤ちゃんを起こさぬよう、

みんなでひそひそ話で会話をしている中、

 

 

 

突然、俺の携帯がけたたましく鳴り響く。

 

 

見ると父親からでした。

 

 

父「どうだ?どっちだった??」

 

俺「・・・わからない。。。」

 

父「わからない?!どういう事だ?!」

 「わからないわけないだろう!

  なんで助産師さんに聞かないんだ!?」

 「どうした?!なんか具合でも悪いのか??大丈夫か?」

 

俺「いや、元気なんだけど、、、(汗)

  とにかく俺はバタバタしてるからまた電話する!」

 

 

と言って強引に電話を切ってしまいました。

 

 

 

確かにもう生まれて2時間以上経過している。

 

性別がわからないのは不自然すぎる(笑)

 

 

意を決して寝ている赤ちゃんを里恵さんから引き離し、

ようやく女の子であることを確認して、

改めて両親に報告したのでした。

 

めでたしめでたし♫

 

 

 

木村家の長女音々さんの出産物語は以上です。

 

気がつけばスッポンポン。

 

赤ちゃんは赤ちゃんであって、

男の子か女の子かという概念すらない。

 

その辺に

俺がどれくらい必死だったか伝わったでしょ?(笑)

 

 

ありがとうございました〜!