「華氏451度」レイ・ブラッドベリ著・・・★★★☆
華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく……
著者(1920-2012)は主にSFや幻想小説を書いたアメリカの作家で、本作(1953)は代表作として高い評価を受けている。
消防士ならぬ昇火士たちが思想や知識を封じる為、本を隠しもった家を焼き払う(梵書)というもので、作風はジョージ・オーウェルの「1984」や「動物農場」に似ている。
ストーリーは単純で登場人物も少な目。
SF作家という事で綿密な描写を想像していたが、抽象的表現が多く幻想的で寓話的でもある。
思想弾圧をする国は現在でも実存するが、ネット社会で情報が溢れている私たちにとっては遠い国の非現実的な話としか感じないのが正直なところ。
華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)
929円
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