「amazon 世界最先端の戦略がわかる」成毛 眞著
「何が勝って、負けるのか」ビジネスの基礎知識も身につく!この一社を知ることは、最新のビジネス感覚を身につけることと同じ。
久しぶりのビジネス本。
普段ネットを使っている人なら1度はネット通販を利用した事があると思うが、amazonが他の(楽天とか)通販会社と何が違うのか?を知っている人は少ないかも知れない。
私も本書を読んで初めて知ったが、amazonの稼ぎの源泉は通販では無い。
amazonの現在の利益の源泉はAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)というクラウドコンピューティングサービスから得ている。
通販も、楽天は、商品の出品~配送は各店舗が行い、楽天は出店場所を貸しその賃料で収益を得ており、amazonは自社倉庫を持ち在庫の管理~販売を自社で行っていて、同じ通販会社でもビジネスモデルは全く異なっている。(amazonでもマーケットプレイスという出店形式がある)
そして将来的には無数と言う程の事業展開を目論見その準備が着々と進められている。
身近のところで言えば、創業者のジェフ・ベゾスが「自社はロジスティク企業だ」と言うように、運送事業である。
日本では現在、amazonで買った商品は委託(ヤマト運輸とか)しているが、アメリカ本国では倉庫~個別配送までを自社で行おうとしている。
その他にも、生鮮食品販売、アパレル販売、無人コンビニ(アマゾンゴー)、金融・・・etc、と流通を中心とした関連事業に次々と手を伸ばしている。
その原資となるのが潤沢なキャッシュフローで、設備投資や研究開発に莫大なコストを掛ける事が可能になっている。
現在、世界の時価総額(株価×株式数、幾らでその会社が買えるか)ランキングの上位をGAFA+M(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル+マイクロソフト)が占めている。
ちなみに、日本企業の最高位はトヨタの45位。
しかし、利益額を比較するとamazonはトヨタの1/8にしかすぎない。
amazonは将来の成長性を期待され企業価値が高い訳である。
平成元年のバブル期はその上位の殆どを日本企業が独占していたので、この30年で世界の勢力図と産業構造は一変してしまった。
その中でamazon はトップを走り、帝国を築きあげようとしている。
今後、IoTやAIの進歩、キャッシュレス決済の普及などにより、amazonは益々身近な存在になるのかもしれない。
恐るべし、amazon。
amazon 世界最先端の戦略がわかる 1,836円 Amazon |