「臨床真理」柚月裕子著・・・★★★☆
第7回『このミス』大賞は大紛糾! 選考委員がまっぷたつに分かれ、喧々諤々の議論の末、大賞ダブルの受賞となりました。本作は、臨床心理士と共感覚を持つ青年が、失語症の少女の自殺の真相を追う、一級のサスペンス!
「孤狼の血」で、女性作家とは思えぬヤクザと刑事の男臭い世界を描き、小説・映画共高い評価を得た著者のデビュー作品。
本作は、第7回「このミステリーがすごい!」大賞(「このミス」の新人賞版)を受賞している。
障害者施設で少女・彩が自殺を図り救急車内で亡くなるが、同乗した少年・司が暴れ自殺を否定する。
司は精神病院に入院させられ、主人公の臨床心理士・美帆に声でその人の感情が色で見えると打ち明け、彩の死は施設長が絡んでいると訴える。
美帆は半信半疑ながらも真相を追求するが。。。
「孤狼の血」とは全く違った作風だが、素材もストーリーも面白い。
が、巻末の選評でも指摘されているように、真相の一端が早々と明かされてしまい、ある程度の予測をしながら読み進めてしまう事になった。
その辺のプロットをもう少し巧く描けばもっといい作品になったと思うが。
臨床真理 (このミス大賞受賞作)
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