786冊目 11 eleven/津原泰水 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「11 eleven」津原泰水著・・・★★★☆

百年に一度生まれ、未来を予言するといわれる生き物「くだん」。鬼の面をした怪物が「異形の家族」に見せた世界の真実とは(「五色の舟」)―各メディアでジャンルを超えた絶賛を受け、各種ランキングを席巻した至極の作品集がついに文庫化!津原泰水最高傑作短篇との呼び声が高い「五色の舟」を始め、垂涎の11篇を収録。

 

続いて、Twitter文学賞第2回(2011年度)国内編1位の作品。

 

クセが強いんじゃ(笑

 

「件」と書いたら、普通「くだり」と読んで「前に述べた事柄」と意味する言葉だと理解してると思うが、同じ「件」と書いて「くだん」と読んだら全く違う意味になる。

って知ってました?

私は本書を読んで調べて初めて知りました。

「件(くだん)」とは字の成り立ちの如く、人間と牛の合いの子、半人半牛の怪物で未来を予知するんだそうである。

 

前置きはさておき、本書は題名の通り11編からなる短編集で、そのどれもがオドロオドロしいホラーテイストな作品。

前出の「くだん」が出てくる「五色の舟」は、見世物小屋を生業とした得体の知れない一家の話だが、ホラーでありながら純文学的でもあり著者の底力を感じる。

まあ、どの話もほんとクセが強い。

 

よく本書が文学賞の1位になったな、という感じで、「いちばんここに似合う人」と同じく万人受けするような本ではない。

逆に言えば、マイナーな本が取り上げられて読書人としては嬉しい限りではありますが。。。

 

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