784冊目 マイケル・K/J.Mクッツェー | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「マイケル・K」J.Mクッツェー著・・・★★★☆

内戦下の南アフリカ。手押し車に病気の母親を乗せて、騒乱のケープタウンから内陸の農場をめざすマイケル。内戦の火の粉が飛びかう荒野をひたすら歩きつづける彼は、大地との交感に日々を過ごし、キャンプに収容されても逃走する。……国家の運命に巻き込まれながら、精神の自由を求めて放浪する一個の人間のすがたを描く、ノーベル賞作家の代表作。

 

1983年ブッカー賞受賞作。

著者は南アフリカ生まれ(1940年)で、2003年ノーベル文学賞を受賞している。

 

本作は、内戦火の南アフリカで放浪する1人の男・マイケルを描いた物語であるが、寓話的でもありどう捉えたらいいのか難しい。

栄養失調のような状態でも与えられる食物さえ拒み、何者にも束縛されず自分の生き方を通すマイケルは他人にとっては不思議な存在である。

マイケルはどこにも属さない人種であり、アパルトヘイト政策に反対する著者が象徴的人物として描いた作品だと思われる。

 

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