781冊目 土曜日/イアン・マキューアン | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「土曜日」イアン・マキューアン著・・・★★★★

ある土曜日の朝4時。ふと目が覚めた脳神経外科医ヘンリー・ペロウンは窓の外に、炎を上げながらヒースロー空港へ向かう飛行機を目撃する。テロか?まさか?弁護士の妻、ミュージシャンの息子、詩人となった娘…充足しているかに見えるその生活は、だが一触即発の危機に満ちていた―。名匠が優美かつ鮮やかに切り取るロンドンの一日、「あの日」を越えて生きるすべての人に贈る、静かなる手紙。

 

マキューアン、2005年の作品。

 

9.11テロ~イラク戦争の不穏な空気が漂っている中、大規模な反戦デモが行われているロンドンでの脳神経外科医ペロウンとその家族の土曜日の一日を描いている。

 

毎度の事ながら、本作も1つ1つの物事に対し微細にまで分析考察し圧倒的な文章で綴るマキューアンらしい作品で、日常に潜む危機と不安を描いている。

テロと戦争、娘との些細な亀裂、認知症の母親、反りの会わない義父、思わぬ交通トラブル。。。

 

ストーリー展開が面白く、脳の病気や手術に関しても専門的でリアルに描かれ読み応えのある一冊だった。

 

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