「倒錯のロンド」折原 一著・・・★★★☆
精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた!? ──その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。
先日、図書館でミステリィ小説の批評本(題名は忘れた)を何気に手に取り立ち読みしたところ、本書が取り上げられて「面白かった」と評価されていたので読んでみた。
本書は1988年に発表され、1990年版「このミス」で10位に入った。
推理小説家を志す主人公山本が、新人賞の応募の為、自信作「幻の女」を書き上げたものの、清書を頼んだ友人が電車の中に原稿を置き忘れ、それを盗んだ男が自分の作品として白鳥翔として応募し、新人賞を獲得する。
出版社に「幻の女」は盗作だと訴えるが聞き入れてもらえず、山本は白鳥に復讐を始める。。。
若干古さと単純さを感じさせるものの、ストーリー展開は面白くサクサク読めた。
本作のトリックは「叙述トリック」と称される技法で書かれており、犯行自体のトリックでは無く、本書全体の叙述で読者を欺いている。
著者は「叙述トリックの名手」と呼ばれているそうで、その類の作品が多い。
個人的にどうかというと、それ程好きな部類ではないかな。。。
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倒錯のロンド (講談社文庫)
691円
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