754冊目 フリーキー・グリーンアイ/ジョイス・キャロル・オーツ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「フリーキー・グリーンアイ」ジョイス・キャロル・オーツ著・・・★★★★

ほんとうは打ちあけたかった。ぼんやりとした記憶の底にある、あの音。こわかった…。夢だと思っていたことを、思い出さなくては。そして、あの人の「日記」が見つかった―。ジョイス・キャロル・オーツが贈る、YAミステリの傑作。

 

人生のうち最も繊細で心が揺れ動く日々を生きる思春期。

 

自信と不安。

本心と自己欺瞞。

服従と反抗。

友情と孤独。。。

 

現代アメリカ文学界を代表する作家、ジョイス・キャロル・オーツはそんな思春期で揺れ動く若者の繊細な心理を見事に描き出す。

 

本作はそんな時期のひとりの少女フランチェスカ(フリーキー)の家族に起きた物語を描いた作品である。

以前読んだ著書「二つ三ついいわすれてた事」も思春期の少女たちの友情を描いた素晴らしい作品だったが、本作はそれに較べたら至極単純なストーリーながらも、父親と母親、兄弟との狭間で揺れ動く少女の繊細な心情を描いた素晴らしい作品だった。

 

単純なプロットでも良い作品が出来るというお手本のような一冊である。

 

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