730冊目 アズブカ/レフ・トルストイ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「アズブカ」レフ・トルストイ著・・・★★★☆

ロシア語のアズブカは、日本語のいろは(文字そのものから、ものごとの初めの意)。トルストイが44歳の時独自に完成させ、その後認定図書とされた子どものための教科書『アズブカ』。収録項目「読書の環」から厳選して実話、物語、寓話など31話を新訳。トルストイの玄孫ナターリヤ・トルスタヤによる新作挿絵とともに。

 

続けてロシアの文豪、トルストイの作品。

本書は教科書として用いられた本で、数行のショートショート~3ページ程の掌編が玄孫の描いた挿絵と共に掲載されている。

内容的には小学3年位~高学年向けの様な感じで、低学年向けの話には動物が多く出てくる。

「アズブカ」は日本語で言う「あいうえお」の意味。

 

当然どの話も理解しやすく難しい話はないものの、どれも教訓ぽい話になっている。

ひとつ取り上げると

 

「カエルとライオン」

ライオンが、グワ~グワ~と大声でわめくカエルの鳴き声に恐れをなした。

彼はきっととてつもなく大きな野獣が吠えているに違いないと考えた。

しばらくの間様子を伺っていたところ、沼地からカエルが這い出てくるのが見えた。

ライオンは手先でカエルを叩き潰すとつぶやいた「ちゃんと見極めるまでは、決して怯えたりしないぞ」

 

大人が読んでも、平易でありながら忘れていた物を思い出させてくれるような、少し深い作品集だった。

チェーホフはダメだったが、トルストイならいけるかも。。。(;´▽`A``

 

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