728冊目 ハイドラ/金原ひとみ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ハイドラ」金原ひとみ著・・・★★★

出会った瞬間から少しずつ、日々確実に、発狂してきた――。有名カメラマン新崎の専属モデルを務める早希は、私生活でも密かに彼と同棲している。付き合って三年を過ぎ、セックスの時以外は体に触れてこない新崎。不均衡な関係に深い倦怠感を覚えるなか、ずっと早希のファンだったというバンドマンの松木と出会う。ひずみのない愛を求めては傷つく女性の心理に迫る、傑作恋愛小説。

 

芥川賞受賞作「蛇にピアス」(2003年)以来久しぶりの金原ひとみ。

 

先日、瀬戸内寂聴の事を調べていたら、寂聴は金原ひとみの大ファン、それも憧れを抱いている程なんだそうで”『蛇にピアス』を「(谷崎潤一郎の)『刺青』が霞んで見える」と評した”と書かれていて興味を惹かれた。

 

だいぶ昔の事で「蛇にピアス」がどんな作品だったかは全く覚えは無く、作者の印象も残っていない。

本作もそれほど印象に残るような作品では無く、途中まで何をテーマに書いているのかもよく分からなかったが、主人公の女性が摂食障害だと分かり「あ~、そういう事ね」という感じだった。

が、それとてその程度で、私には掴み所のない作品だった。

 

昨今の日本の小説に特有の、特に芥川賞作品にあるような分かりづらさで、人生に躓いた人間の、微妙で歪んだ心理を潜在的に描いている様な感じ。

これがもし海外小説だったら、ストーリー性と抑揚があって解り易く描かれると思うが、良くも悪くもこれが日本の小説の特徴であるように思う。

 

しかし、瀬戸内寂聴が絶賛するのが私には良く分からない。

女の気持ちが分からない男という事なんでしょうね。。。(><;)

 

ちなみに表題の「ハイドラ」とは、ギリシャ神話に出てくる怪物の事だそうである。

 

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