727冊目 その女アレックス/ピエール・ルメートル | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「その女アレックス」ピエール・ルメートル著・・・★★★★

おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。
ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。

 

久しぶりに「このミス」ランキング本から、2015年度版海外部門1位の作品。

著者は1951年生まれのフランス人作家で、55歳でデビューし本作は2011年に発表され、フランスのみならず英米でも高い評価を受けた。

 

女が見知らぬ男に誘拐され、廃墟となった倉庫で、宙にぶら下がり手足が伸ばせない小さい檻に全裸で閉じ込められた。

「おまえが死ぬのを見たい」

いったい男は誰なのか?何故、女を狙ったのか?

女は時間とともに衰弱していく。

一方、自身も誘拐事件で妻を亡くした警部カミーユは、捜査を始め犯人に迫るが事件は思わぬ方向に展開していく。。。

 

謎を持った女と事件、二転三転していく展開に惹きつけられた。

陰湿な物語に対比して「チビ」「貧乏」「金持ち」の刑事トリオのキャラ仕立てと、どこかフランスを感じさせるウィットのあるやりとりが絶妙にバランスがとられ面白い。

取り調べで犯人を追い込んでいく駆け引きの心理描写も見事。

カミーユの画家だった母の絵を巡る伏線とエンディングでの回収が良く、本作に温か味を持たせ、ほっこりさせてくれた。

 

ネタバレできないので、感想はこんなもんかな。。。(;´Д`A

 

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