711冊目 幸福な遊戯/角田光代 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「幸福な遊戯」角田光代著・・・★★★

ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人同士の不純異性行為」――本当の家族が壊れてしまった私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなものだった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに……。

 

本書は著者のデビュー作(1991年)で、3篇からなる短編集である。

 

3篇とも女性の視点から描かれた作品で、表題作「幸福な遊戯」は、大学のクラスメイトだったハルオと、ハルオの高校時代の同級生・立人と私(サトコ)の3人が一軒家で共同生活を送る話。

 

2篇目の「無愁天使」は、母親の死をきっかけに買い物依存症になった私がデリヘルを始め、客の野田草介と出会う。

野田は会っても、毎回私の出来事を一方的に聞くだけの老年の男だった。

 

3篇目の「銭湯」は、小劇団に所属し会社の事務でアルバイトしている私(八重子)が、会社での人間関係や銭湯で出会ういろんな女たちを描いた作品。

 

3篇とも切り口は面白く、主人公達の人間関係と孤独感を描いているが、あっちに飛んだり、こっちに飛んだり、短編にしては話を盛り込み過ぎで焦点が定まっていない感じ。

もう少し焦点を絞り、シンプルに描いたらいいように思うが。

 

デビュー作ならこんなもんかな?

そだねー。!(´Д`;)

 

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