636冊目 魅惑者/ウラジミール・ナボコフ | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「魅惑者」ウラジミール・ナボコフ著・・・★★★☆

 

ナボコフといえば名作との誉れ高い「ロリータ」が知られているが、本書はその原型となった作品のようである。

本作も「ロリータ」と同じく、1人の少女に魅せられた中年オヤジの話である。

 

少女を自分のものにするために、未亡人である母親に近づき義父の関係となるが、邪魔者になった妻を毒殺しようか?などと考えを巡らすオヤジ。

しかし、妻は病んでおり都合よく病死する。

オヤジは少女を連れ出し旅に出る。

少女と2人になる事を妄想しながら、ホテルに到着するが。。。。

 

ストーリーは極単純で、100ページ程の短い作品(本書の後半1/3はナボコフの息子による本作の解説)ではあるものの、言葉の魔術師と称される著者だけに、少女に対する異常愛を濃密で含蓄のある文章で綴られ、どこか哲学的でもあり(特に結末の文章表現は凄い)、傑作となった「ロリータ」の片鱗を伺わせる。

 

近々その「ロリータ」を再読してみたいと思う。

 

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