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https://www.bbc.com/news/science-environment-62561756
PFAS: 有害な「永遠の化学物質」を破壊する突破口の可能性
エスメ・スタラード
BBC ニュース 気候と科学
2022 年 8 月 19 日 01hGMT
新しい研究によると、化学者は「永遠の化学物質」を低コストで分解する方法を初めて特定した。
科学者たちは、PFAS として知られる物質への特定のレベルでの曝露が、がんや先天性欠損症などの深刻な健康リスクにつながることを関連付けている。
水、油、汚れに強いため、非常に便利である。 PFAS は、フライパンから化粧品まで、何百もの日用品に使用されている。
しかし、それらを破壊するのを非常に困難にしているのは、これらの特性である。
PFAS は、ポリおよびパーフルオロアルキル物質の略である。これらのフッ素系化合物は約 4,500 種類あり、地球上のほぼすべての住居で、食品包装、焦げ付き防止調理器具、雨具、接着剤、紙、塗料などの製品に含まれている。
それらは世界中の雨水中に低レベルで確認されているが、高レベルで水や土壌に浸透すると、深刻な問題になる可能性がある。
さまざまなレベルの曝露がさまざまな健康への影響にどのようにつながるかを判断するための研究が進行中である。
ハーバード大学の環境化学教授であるエルシー・サンダーランドは、「人体のすべての主要な器官系における曝露と有害な結果との間には関連性がある。」
焼却などの PFAS を分解する既存の方法は、あまり成功していない。非常に高い温度が必要で、費用がかかる。
米国のノースウェスタン大学の科学者による新しい研究では、低温で安価な製品を使用して、「一見不可能」である PFAS を分解したと主張している。
研究チームの一員ではない教授サンダーランドによると、これは高レベルの汚染に苦しんでいるコミュニティを助けるのに非常に役立つ可能性がある。
PFAS が歴史的に破壊するのが非常に困難であった理由は、PFAS が多くの炭素結合とフッ素結合 (有機化学で最も強い結合) を含んでいるためである。
しかし、液体をはじくことができるのはこれらの結合であり、これはオムニフォビックとして知られ、製薬業界や食品業界にとって非常に有用である。
ブリタニー・トランが率いる研究チームは、石鹸や鎮痛剤などの家庭用品に使用されている水酸化ナトリウムと呼ばれる一般的な化学物質を使用して、PFAS を分解する新しいメカニズムを特定した。
彼らは、炭素-フッ素結合の長い尾の端に位置する、より弱い荷電した酸素原子のグループを標的にした。
このプロセスは効果的に「頭のグループを尾から切り離し」、PFAS はバラバラになり始め、無害な製品だけが残った。
トランは、「私たちのソリューションがいかにシンプルでありながら認識されていないかという点で、結果は非常にエキサイティングである」と述べている。
「これが低コストであれば、突破口になる可能性がある」と、化学政策の責任者で王立化学会のフェローであるカミラ・アレクサンダー-ホワイトは BBC ニュースに語った。
科学者チームは、さらなる研究により、PFAS が飲料水からろ過され、この新しい方法が汚染物質を破壊するために適用されることを期待している。
しかし、高濃度の PFAS の処理は解決策の一部にすぎない。
PFAS が生産され続けていると、自然には簡単に分解できないため、魚や他の野生生物に低レベルで蓄積し続ける可能性がある。
アレクサンダー-ホワイトは、規制当局と製造業者は PFAS の使用をやめる必要があると述べている。
この新しい方法は、最も顕著な 10 種類の PFAS に適用されたが、米国環境保護庁は 12,000 を超える種類を特定した。
共著者の 1 人であり、ノースウェスタン大学の化学教授であるウィリアム・ディクテルは、「同じアキレス腱を持たないクラスは他にもあるが、それぞれに独自の弱点がある」と希望を持ち続けている。
この研究は、サイエンス誌に掲載された。
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仮訳終わり
PFAS: パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物でつぎのものがありました。
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https://sustainablejapan.jp/2021/01/17/pfas/58068
【環境】化学物質PFASとは何か? 〜マクドナルドやアマゾンが使用禁止を決めた背景やPFOAとの違い〜2021/01/17
ファーストフード世界大手米マクドナルドは1月13日、2025年までに全ての包装・容器からPFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)を全廃すると発表。また、アマゾンも12月1日、自社ブランド「Amazon Kichen」の食品製品の包装・容器で同じくPFASの使用を禁止した。今回、近年、大きく注目されているPFASについて見ていこう。
PFASは、1940年代頃から普及していった化学物質で、水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しない等の特性を持ち、撥水剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等に幅広く用いられてきている。PFASは「PFC(パーフルオロ化合物)」の名称で呼ばれることも多い。PFASは、実際には数多くの化学物質の総称で、2018年に経済協力開発機構(OECD)の報告書は、PFASには4,730種類以上があると報告している。特に有名なのは、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の2つ。
PFASは、英語で「Forever Chemicals(永久に残る化学物質)」とも呼ばれ、自然界や体内で分解されにくく、一度生成されると蓄積されやすい。その理由は、PFASを構成する炭素とフッ素の結合が、有機化学で作りだせる結合の中で最も強力なものの一つであることに由来している。但し、実際に永久に残るわけではなく、半減期が常用されている化学物質の中では4.5年と非常に長いため、この名前が付いている。そして、PFASは、各々種類に応じて半減期は異なり、例えばPFOAは約5年、PFOSは2年から3年だ。しかし、ハーバード大学公衆衛生大学院のジョセフ・アレン准教授が2018年にワシントン・ポスト紙に投稿したOp-edの中で、警鐘を鳴らすために「Forever Chemicals」の言葉を用いたことで一気に広まった。同准教授は、「Forever Chemicals」の頭文字略称「FC」が、「フッ素(F)-炭素(C)結合」と一致することからも「Forever Chemicals」のネーミングを持ち出した。
PFASの人体への侵入経路としては、水と食品。水に関しては水道水からの侵入。食品については農作物栽培での土壌からの侵入や、食品の包装・容器から侵入するの双方がある。食品からの暴露量では、欧州食品安全機関(EFSA)が2018年に発表した調査報告書によると、PFOAでは、乳及び乳製品」「飲料水」「魚及びその他の海産物」の摂取で、PFOSでは、「魚及びその他の海産物」「肉及び肉製品」「卵及び卵製品」の摂取で食事暴露量が高いことがわかった。
PFASの健康への悪影響では、同じく欧州食品安全機関(EFSA)の報告書によると、PFOAは血清総コレステロールの増加、PFOSは成人の血清総コレステロールの増加や子供のワクチン接種での抗体反応の低下が特定された。血清総コレステロールの増加は、高脂血症、動脈硬化、糖尿病、甲状腺機能低下症、肥満他につながる。他にも、PFOAとPFOSの双方で、出生時体重の減少、PFOAで、肝酵素アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の高血清値の有病率の増加について、リスクがあると判定されている。
規制動向
PFOS
PFASの中でも、特にPFOSに関しては、2000年頃から規制の導入が行われてきた。PFOSは、分解しづらい特性によるリスクを環境NGO等が早くから叫び、2000年には大手メーカーだった3Mが、野生生物中にPFOSが高濃度で蓄積されていることを認め、2002年に自主的に製造を中止。2002年には経済協力開発機構(OECD)が環境と健康の双方の観点から調査報告書をまとめているが、まだ初期調査として大々的な使用禁止に議論には至らなかった。
しかし米国では、2002年の3Mの自主的中止に端を発し、米環境保護庁が2002年にPFOSを「重要新規利用規則(SNUR)」の対象物質に指定し、製造、輸入の許可制を導入。さらに2006年、米環境保護庁(EPA)とPFOS生産大手8社との間で、自発的な合意が成立し、2000年比で2010年までに95%減、2015年までに全廃が決まった。
EUでも対応は早く、2006年に、PFOS使用製品上市禁止指令が制定され、EU域内での販売、輸入、使用の禁止が決まった。しかし、この時点では、使用禁止の対象は、製品及び半製品のみで、フォトリソグラフィー、硬質クロムメッキ用ミスト抑制剤、航空用油圧作動油等の材料としては禁止されなかった。
そして議論の舞台は徐々に、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)に移っていく。2005年にはスウェーデン政府からPOPs条約に対し、同条約野規制対象物質に追加することを提案。2009年のPOPs条約の第4回締約国会議(COP4)で、PFOSは同条約の附属書B(製造・使用、輸出入の制限)に追加することが決定した。
この流れを受け、EUでは2009年にPFOSをREACH規則の対象とし、全ての使用を事実禁止。日本でも2010年4月1日に化審法の第一種特定化学物質に指定され、製造および輸入が許可制となったことで、事実上全廃された。その後も、半導体用のレジストの製造等では、例外的に使用が認められていたが、2017年の法改正で例外用途も含めて全廃が決まった。
しかし、工業製品等での使用禁止を決めても、自然界で残留しているPFOSについては、水道水含有等の問題が続いている。
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引用一部 一部改変(明らかにタイプミスと思われるところ1箇所修正)