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https://www.bbc.com/news/world-asia-60975941
スリランカ:内閣改造は、内閣が抗議行動をやめた後に始まる
2022年4月4日10:17GMT
スリランカの大統領ゴタバヤ・ラジャパクサは、大規模な抗議が内閣のほとんどを辞任させた後、彼の政府を安定させようとしている。
政府が大きな経済危機に立ち向かう中、大統領の兄である首相マヒンダだけが留まった。
以前、ラジャパクサは野党を内閣に招待した。
しかし、必需品の不足と停電に対する自発的な市民の抗議が続いている。
日曜日には、多くの人が夜間外出禁止令に逆らい、いくつかの都市の路上に出た。抗議者の多くは大統領の辞任を求めてきた。
夜間外出禁止令は、フェイスブック、WhatsApp、ツイッターなどのソーシャルメディアサイトの禁止とともに、木曜日の夜に大統領の家の外でデモが激しくなった後、計画された抗議の日を止めることを意図していた。
スリランカは、1948年の英国からの独立以来、最悪の経済危機を悪化させた外国為替の不足のために、燃料やその他の商品の輸入に苦労している。
スリランカは燃料の輸入に支払うために外貨を必要とする。停電が半日以上続き、食料、医薬品、燃料が不足しているため、国民の怒りは新たな高みに達している。
辞任した26人の閣僚には、首相の息子であるナマル・ラジャパクサが含まれ、大統領と首相の「国民と政府の安定を確立する決定」に役立つことを期待しているとツイートした。
前政権の法務大臣だったサブリーが今月財務大臣に就任し、今月ワシントンを訪問して国際通貨基金(IMF)と融資プログラムについて話し合う予定だった大統領の弟バジル・ラージャパクサに取って代わった。
以前の外務大臣、教育大臣、高速道路大臣は元の職に再任された。
大統領と彼の家族が国の状況のせいになっていると主張する多くの抗議者は、彼が権力を維持するという事実に腹を立てている。
あるTwitterユーザーはそれを「悪い冗談」と呼んだ。
別の人はそれを「独裁者の台本通りの芝居」と呼んだ。
別のソーシャルメディアユーザーは、「ラジャパクサス、内閣、彼らの政治的手下、腐敗した仲間、彼らのメディア関係者など、すべての人がいなくなってほしい」と付け加えた。
デモは、2019年に過半数の勝利を収めて権力を握り、安定性と国を支配する「強い手」を約束したラジャパクサの人気が大幅に回復したことを示している。
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南アジア特派員ラジニ・ヴァイドヤナタンによる分析
私は日曜日に別の即席の抗議で野党党首のサジット・プレマダーサに会った。そこで彼は彼の党の他のメンバーと一緒に市の独立広場に入ろうとしたときに警察のバリケードで止められた。
「土地の最高法は、人々が意見を共有し、平和的な民主的活動を示し、従事する権利を保護しているので、権利が侵害されることはない」と彼は言った。夜間外出禁止令とソーシャルメディアの禁止は独裁的で、独裁的で厳格な段階であった。
また、夜間外出禁止令に逆らって出て抗議した何人かの人々に会った。
スチトラは、アジア料理店の外で、通常は混雑した道路で抗議行動に集まった数十人のうちの1人であった。
彼が彼の名前を共有する彼の15ヶ月の男の子を抱きしめたとき、スチトラは彼が停電で直面した毎日の問題について私に話した。
「電気がなければ、扇風機は機能しない。この暑さの中で、赤ちゃんや私たちが眠ることは不可能だ。」
「私は自分の権利が奪われたので今日出てきた。そして私は非常に怒っている」とコロンボの一部に集まった数百人の学生の一人であるアンジャリー・ワンドゥルガラは言った。
「なぜ彼らはこの夜間外出禁止令を設けたのか?それは私たちを守るためか?」彼女は尋ねた。「それはまったく意味がない。」
フリーランスの広告コピーライター、ササラは、彼が抗議したのはこれが初めてだと言う。
「私はフリーランスだが、ガスも電気もないのでお金を稼ぐことができない。私は完全に壊れている」と彼は言った。
彼は、この危機を乗り越える方法を模索している多くの若いスリランカ人の1人である。
「私たちは人生の最盛期にいる。このようなことが起こったときに、どうやって夢を実現するのか?」
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仮訳終わり
どうやら、中国の債務の罠にかかったのはラジャパクサ家の政治独占によるようですね。
IMFもデフォルトにしてもだめなことはわかっているので、派遣団の代表を変えさせたのではないでしょうか。
こんな記事がありました。
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https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20622
世界潮流を読む 岡崎研究所論評集 2020年9月3日
「債務の罠」招いた親中政権がスリランカで復活
岡崎研究所
スリランカでは8月5日に総選挙が行われた。この総選挙は、誰が勝つかではなく、ラージャパクサ政権の与党がどこまで勝つかが注目されていた。結果は、ラージャパクサ家の長であるマヒンダ・ラージャパクサ首相(元大統領)率いるSLPP(スリランカ人民戦線)が地滑り的勝利を収め、225議席のうち145議席を獲得した。これに4つの小党を取り込んで150議席、すなわち憲法改正に必要な3分の2の多数を獲得した。
ラージャパクサ一族は、2015年の大統領選でマヒンダがマイトリーパーラ・シリセーナに敗れた後、2019年までの5年間野にあったが、昨年11月の大統領選挙ではマヒンダの弟であるゴトバヤ・ラージャパクサが当選し、首相にはマヒンダを任命した。そして、今回の議会選挙の勝利をもって議会をも制圧し、華々しく返り咲きを果たしたことになる。
スリランカの政界はウィクラマシンハ前首相率いるUNP(統一国民党)と1951年にバンダラナイケが創設したSLFP(スリランカ自由党)が二大政党であったが、選挙の直前に至り、UNPは大量の離反者を出し、選挙では1議席の惨敗を喫しほぼ消滅した。ウィクラマシンハ自身も地元コロンボで議席を失った。他方、SLFPは大方ラージャパクサのSLPPに吸収されるに至っている。スリランカの政治地図は大きく塗り替わった。野党といえば、UNPから飛び出したサジット・プレマダサ率いるSJB(United National Power)が54議席を獲得して最大野党として登場した。
かくしてスリランカは「ラージャパクサ一族の国」になった観がある。野党は脆弱で政治的に邪魔立てする勢力は見当たらない。ウィクラマシンハが率いた前政権は憲法を改正し、大統領の任期(5年)を2期に制限し、大統領権限を首相や議会との関係で弱め、選挙管理委員会のような独立機関を強化したが、ラージャパクサは憲法を元に戻すであろうと見られている。この種の状況は当然のことながら権威主義的な統治への懸念、あるいはタミール族やムスリムなど少数派の圧迫への懸念を惹起する。もう一人の兄弟バジル・ラージャパクサは、政権党としてのSLPPについて問われて、中国共産党がモデルたり得ると答えたという説がある。
スリランカの最大の課題は経済の再建である。新型コロナウイルスには比較的巧み対処して来ている。しかし、今年度のGDPはマイナス3.2%と見込まれている。積み上がる対外債務の重圧もある。観光産業は痛手を蒙った。インフラ建設の需要は大きい。
ラージャパクサは親中国である。マヒンダ・ラージャパクサが大統領であった時代、彼は大規模なインフラ建設を中国に頼った。クリケット場や空港を作った。一族の地元のハンバントタの港の13億ドルの建設プロジェクトも中国に頼った。後に、この港の債務は返済に行き詰まり、2017年7月より99年間にわたり中国国有企業に運営権を譲渡することとなり、中国の「債務の罠」として知られることとなった。困った時の中国頼みの誘惑は強いかも知れないが、インドや日本との関係にも目配りをし、バランスのとれた対外関係に留意することがスリランカのためになろう。
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引用終わり