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https://www.bbc.com/news/business-50312010
新疆綿は『強制労働』主張で懸念が噴出
アナ・ニコラシ-ダ-コスタ
ビジネス・リポーター
全世界の小売業者は、人権侵害の主張で苦しんでいる新疆からの綿供給について詳細な調査に直面している。
中国は世界最大の綿生産国の一つであり、その収穫の大部分は新疆で生産されている。
人権団体は、新疆のウイグル族少数派は虐げられ、強制労働に入れられていると語る。
多くのブランドは、中国極西部の新疆地域から綿製品を間接的に供給されていると考えられる。
最近、広告におけるセールスポイントとして新疆の綿を使用しているとの報告に光が当てられたあと、日本の小売業者『無印』と『ユニクロ』は注意を惹いた。
H&M、エスプリやアディダスは、新疆産綿製品を含むサプライチェーンの終点にあると言われる企業群の中にある。ウォールストリート・ジャーナルの調べによる。
「あなたが中国で綿のビジネスをするなら、サプライチェーンの中に強制労働がなかった確信することはありえない。」オーストラリア政策研究所の研究者ネーサン・ルサーは言った。
「新疆の労働とほぼ間違いなく強制労働であることは、新疆の中にあるサプライチェーンに強固に組み込まれている。」
何が、新疆で起こっているか?
国連の専門家と人権団体は、中国が百万人以上のウイグル人やその他の少数民族を巨大な強制収容所に拘留していると言う。
人権団体はまた、収容所内の人々は、北京語を学び、習近平に忠誠を誓い、自分達の信仰を批判するか捨てさせられていると語る。
中国は、これらの人々はテロリズムを防止するという名の下に、仕事を与え、中国社会に溶け込むことを支援する「職業訓練センター」に参加していると語る。
新疆で何が生産されるか?
新疆地域は、中国の綿生産の重要な中心である。
中国は世界の綿供給の約22%を占めている。戦略国際問題研究所(CSIS)の報告による。
昨年、中国綿の84%は新疆産であった。その報告による。
その地域産の綿製品に強制労働が行われたかどうかについての懸念が上がってきた。
ワシントンのウイグル人権プロジェクト(ウイグル米国協会)議長ニュリ・トゥルケルは語った。ウイグル人は、「拘留され、苦しめられている。」また新疆における「巨大な強制労働のシステムに絡め取られている。」
米国議会の聴聞で、彼は語った。強制労働は「ますますその事実を無視することが困難に」なってきている。その地域で作られた製品が強制労働により生産されている「高い見込み」があるという事実である。
どのブランドが、新疆綿を使うか?
CSIS人権運動局の責任者エイミー・レアは、多くの場合、西洋の企業は新疆の工場から直接買い付けないと語る。
「むしろ、その製品は巨大な西洋ブランドに送られる前に、新疆を出て様々な段階で姿を変えてくるであろう。」レアは語った。
無印のようなところは、新疆産材料供給に非常に開放的である。
日本の小売りチェーンは、今年始め、新疆綿製新製品を販売し始めた。
その広告の一つは、新疆で「繊細に、すべて手摘み」の有機綿でつくられた「柔らかく空気を通す」紳士用シャツと謳っている。
別の日本服飾ブランド、ユニクロもまた、紳士用シャツの広告に新疆地区を宣伝していた。
そのシャツの説明の細かい部分には、シャツが「その素晴らしい品質で有名な」新疆綿でできている旨を広告していた。
その引用は、のちに「この問題の複雑さを与えた」とその広告から削除された。ユニクロの広報による。
「ユニクロは新疆地区に存在するいかなる製造者とも提携していない。まして、ユニクロの生産提携者は、我が社の厳しい行動規範に従わなければならない。」
「我々の知る限り、これは我が社が使用する綿が倫理的な提供源からのみ供給されていることを意味する。」広報はBBCに語った。
新疆の阿克蘇(アクス)にある『Huafu Fashion』社が運営する紡績工場の労働者に光を当てたウォールストリート・ジャーナルの報告によると、その地域でできた綿糸はH&M、エスプリやアディダスを含む国際的な小売業者のサプライチェーンに乗っている。
Huafu紡績と明らかな関係を持たない企業を含む多くの企業が、その主張を調査した。
BBCへの声明でアディダスは語った。「Huafu Fashion社との契約関係はない、もしくはこの企業もしくはその子会社に対する直接の関係が無いものの、我々は、現在この記事の主張を調査している。」
「我々は我が社の原材料提供社に、調査が終了するまで、Huafu社に発注しないよう求めた。」アディダスの広報は語った。
新疆産綿を直接仕入れていないエスプリ社は、今年始めいくつかの質問をしたと語った。
「我々は、新疆の「Huafu」工場からごく少量の綿をエスプリ社の限られた数の衣類に使用していたとわかった。」同社は声明で語った。
同社は阿克蘇のHuafu綿糸を使用しないよう全ての供給元に指示してきたと声明で語った。
H&M社は、新疆地域のいかなる衣類メーカーと「直接もしくは間接的な取引関係」を持っていないと語った。
「新疆地域には位置しない上虞市(浙江省: 訳者註)におけるHuafuの紡績工場との間接的な取引はある。我々のデータによると、我が社の衣類製造に使用する綿糸の大多数はこの紡績工場からくる。」H&M社の広報は語った。
「綿糸供給会社のHuafuとの間接的な取引関係を持って以来、我々は阿克蘇にある紡績施設に連絡するべく求めた。我々の調査は強制労働に関する証拠は全く示さなかった。」
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仮訳終わり
我々はどうすべきなのか。その製品を購入すると新疆の強制労働に与することになります。しかし、安い商品には『それなりのわけ』があるわけで、それを否定するのがウォールストリート・ジャーナルなのですね。
強制労働を経ない安売り商品を教えてもらいたいものです。綿の栽培には、最後に綿花摘みがあります。そのあと、種を排除しなければなりません。それを『喜んで』行う労働者がいるのなら、教えてもらいたいものです。
西洋の巨大小売りチェーンの人を食ったような発言は、『平常運転』を感じさせます。そうやって、かれらは400年以上植民地を食い荒らしてきたのですから。中国を非難する立場にはありません。今回もしらーっと、とぼけていると邪推してしまうのは、私が年を取り過ぎたからでしょうか。まあ、日本の小売りチェーンの言い訳も、日本的だなあと思いますがね。どっちもどっちか・・・。
ちなみに、この記事に出ていた日本の小売りに行き、その木綿でできたものを購入してみました。「有機栽培の綿(オーガニック・コットン)」としか記されてありませんでした。