第417話

こんにちは
菊水千鳳です


~短編日記 2話目~

今回は虚空蔵菩薩立像
帝釈天からのお言葉です。


こちらからもご参照できます。


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国宝《虚空蔵菩薩立像》
平安時代 9世紀
展示No.27 


虚空蔵菩薩像をしげしげと拝観していたC君が、ある事に気がつき
虚空蔵菩薩に聞いてみました。



〔 質問 〕
『 仏像には《乳首》がありませんが、規制でも入ったんですか👀?』

この質問をした途端、会場内の仏像及び展示品達が
ドッと 大爆笑しました。
もちろん 他のお客さんには聴こえませんが、ここだけ静かに盛り上がってしまいました。(すみません^^;)


これに対し、
虚空蔵菩薩立像

【 これは これは… (笑)

乳首じゃなくて
優雅な美を見てって欲しい】


そう言うと解説をしてくださいました。


【 仏は神聖視されておるから
どこそこで あらわになっている像を見て
いちまつの欲情に駆られるかもしれない

心の乱れが生じないように
あえてそこのところは隠している
 
お主らもわかるように
ワタシたちはㅤ男性でも女性でも無いものが多いから
尚更の配慮と思ってもらえればいい】


⭐⭐⭐⭐⭐

重要文化財《帝釈天騎象像》
平安時代 10世紀 
展示No.23 


この質問に対し、隣に展示されていた帝釈天も口を開いてくれました。


帝釈天

【 その部位一点においても
両者ともとれるような
解釈になっておる

薄い胸であって乳首があれば男性ともとれて
豊かな胸であれば女性としてとられる
人の肉体としての両方の意味合いとしてとれる皮膚にしている

ワタシを見ればわかるように
手は小さく、指も細い
しかし腕には筋肉がある
クビレはあるが
腹は出ているし
布で身体の半分しか隠しておらぬ

たとえ欠損が出たとしても
恥じるべきものではないとして
全てにおいて両者ともとれるような姿をしておるのだ】


だそうです。
勉強になりました。


短編集3に続く


醍醐寺展の過去日記 
こちらからもご参照できます。