私がフランス料理の世界に入ったのは、単純に「料理が好きだったから」です。
和食でも中華でも家庭料理でも、単純にもっと上手に料理が作れるようになりたかったし、料理を仕事にしてみたかったんですよね。
じゃあなぜ「フランス料理」だったかというと、飲食店での仕事を探していた時、
大好きだったフランス料理店で働けることになったから、というだけの話w
右も左も分からないまま、フランス料理店の厨房に入り、フランス語を覚え、
どうしても本場の料理を知りたくなってフランスに渡りました。
リヨンで一年働いて、二年目に南仏からパリに移り、そこで知り合ったのが主人でした。
当時、私はパリの二つ星で、彼はルーブル近くのカフェで働いていたんですが、
高みを目指そうという志とフランス料理への探究心は、圧倒的に彼の方が上でした。
「あ、料理では絶対この人に敵わないな」
って、すぐに悟ったんですよね。
私だって、料理が好きで料理人になったはずなんだけど、
その頃には正直、仕事が大変すぎて、料理が好きだったかどうかもわからなくなっていたし。
でも彼は、中卒でこの世界に入って、私以上に大変な時期もたくさんたくさんあったはずなのに、とにかくひたすら「料理が好き」という気持ちを持ち続けていたんです。
これって、すごいことだと思いませんか?
私は帰国&出産を機にレストランでの仕事をやめましたが、
その大きな理由の一つは、「この人には敵わない」という人に出会ってしまったからだと思います。
それは決して悪い意味ではなく、「この人になら自分の想いを託せる」ということでもあって。
結局、ソムリエに転向してからも、私の想い描く料理を完璧なまでに形にしてくれたのは彼でした。
そういう相手に出会えるというのは、ある意味幸せだったんだろうなと、
今になって思います。
彼の作る料理、本当に好きだったなあ。
なんて。
時々、無性に食べたくなるんですよ。
ふと誰かの写真が目に入ったり、レシピを眺めていたりすると特に。
食の記憶って、鮮やかすぎて残酷ですね。
実家の紫陽花、今年も綺麗に咲きました😊
今日も読んでくれてありがとう。
Bonne Journee💕