下田での短い滞在を終えて、東京に帰ってきました。

 

帰る前には、我が家の愛犬ロンを連れて薄曇りの海岸へ。


ロンくん、初の海体験におおはしゃぎ(*^^*)

 

ロンが大好きで、家に帰るといつもベッタリだったパパ。

ここにロンを連れてきたいとずっと言っていたから、ようやく夢が叶ったね。

 

ずっと立ち寄りたいと思っていた、宝福寺にも立ち寄って。



最後は事故現場に立ち寄り、ワインを撒いて手を合わせました。


事故があってから何度も何度も車で通っている場所なんだけれど、

実は、ここで立ち止まって手を合わせたことは一度もなかったんです。

 

なんでかな。

なんとなく、そういう気になれなくて。

 

道路脇には、本当に供えたばかりの花束がありましてね。

通るたびに花が供えてあるのを横目で見ていましたが、

いつでも花を生けられるように、ちゃんと水差し用のペットボトルがセッティングがされていたんですよ。

 

ああ、地元のみなさんが、常に気にかけてくださっているんだなあと。

 

そんな温かさを感じながら、家族みんなで手を合わせていたら、

「もしかして料理長のご家族の方ですか?」

と声をかけてくれる方が。

 

ホテルに出入りしている食材の業者さんだそうで、

車で通りかかった時に私たちの姿を見かけ、

もしかしたらとわざわざ車を停めて声をかけにきてくれたんです。

料理長にはとてもお世話になったので…と。

 

本当に、なんて温かいんだろう。

彼は、なんて素敵な人たちに囲まれていたんだろう。

彼は、なんて素晴らしい仕事をしていたんだろう。

 

久しぶりに涙が出ました。

 

 

主人との別れはとても大きく、とても悲しいことだったけれど、

こんなことがなければ、出会わなかった人たちがたくさんいます。

 

こうしたほんのわずかな人とのふれあいも、ホテルの方々との交流も、

彼との別れがあったから。

 

どちらがいいとか悪いとかではなくて、

世の中ってこうやってあちこちに紡がれて、ずっとずっと続いていくんだなあって。

 

だから、実際には「別れ」ですらないのかもしれない。

 

みんなの中で、私たちの中で、

小さな出会いに形を変えて、

彼の紡いだ人生は続いているのかもしれない。

 

 

帰り道で立ち寄った見晴し台ではね、

すぐ下の崖っぷちにおりて、果敢に明日葉を収穫しているオジサンにも出会ったんです。

 

危なくないですかーって声をかけたら、

大丈夫大丈夫って言いながらよじ上ってきて、両手一杯の明日葉を「あげるよ」って(笑)

精力剤だから!元気出るんだよ!って。

 


なんかもう、ほんと下田いいとこだよね。


オジサン、ありがとう!

明日葉たくさん食べて元気出すね!!

  

 

主人が働いていた下田のホテルに、
家族揃ってやってきました。


ホテルの皆様が、
「7月まではシェフが作ったメニューなので、ぜひ食べにいらしてください。」
と言ってくださったので。

子供たちと、パパの最後のお料理を食べに行こう!と。

しかも、今回はワンコも一緒に泊まれるコテージを用意して頂いたので、
パパも可愛がっていた我が家の愛犬も一緒です💕



頂いたお料理は、もちろん本人が作ったものではありませんが、
やはりどことなく彼のエスプリを感じるメニュー。




こちらは猪のパイ包み。
喜八郎のスペシャリテとして定番化して下さるそうです。
嬉しすぎる(/ _ ; )






ホテルの方々の温かな想いに感謝しながら、
子供たちと楽しく笑い合いながら、
とてもとても美味しく頂きました。



こうして料理からパパの存在を感じることも、
本当にこれが最後なんだなあ。

もうこちらでの後片付けも残っていないし、
下田に来ることもなくなるかもなあ。


一つずつ区切りがついて、
少しずつ、でも確実に、
今までと違う「日常」に移り変わっていく。

ちょっと寂しいけど、そうしないと先に進めないからね。
私の人生も、子供たちの人生も、
まだまだ続いていくんだから。


明日は、彼が好きだったであろうお寺に立ち寄って、
名残りの紫陽花を愛でてから、
私たちの日常の在る場所に帰ります。



ちょっと変な話をしますね。

 

これ、お会いした方にはいつも言っていることなんですが、

旦那が亡くなってすぐの時から、「嫌な感じ」が一切しないんです。

 

なんて言っていいかわからないんですけど、

あれだけ急に亡くなったのに、彼の無念さとか悔しさとか未練とか、

そういう負の感情をいっさい感じない。

 

お若いのにさぞ悔しかったでしょう、心残りだったでしょう、

というような言葉をかけて頂いても、

(いやー、本人けっこうアッサリしたもんですよー)って心の中で思っていて。

 

あ、言っておきますけど、私は霊感みたいなものはサラサラ持ち合わせていません。

というか見る人が見るとかなり持ってるらしいんですけど、自覚はゼロ。

 

目に見える世界が全てとは全く思っていないけれど、

自分ではなにひとつ、見えも聞こえもしません。

ハンドパワーもありません。

 

ただ、なーーんとなく。

なーーんとなくですけど、そこまで悲惨な、悲しい、

マイナスな出来事ではないような気がしていて。

 

少なくとも本人は、ケロッとあの世に行って、こちらを物珍しそうに眺めながら、

意気揚々とあちらの世界を楽しんでんだろうなー、みたいな。

 

ただね、だからといって、こちらが悲しくないというわけではぜんぜんないんですよ。

 

誰でもそうだと思うんですが、こんな風に唐突に身近な人がいなくなると、

それなりにいろんなことを考えるわけです。

どうしていなくなっちゃったんだろうとか、何を考えていたんだろうとか、

もしかして何か心残りがあったんじゃないかとか。

 

でも、万が一彼がなにか伝えておきたいと思うことがあったとしても、

私には何も見えない。何も聞こえない。何も感じない。

 

これはなんだかちょっと寂しいし、ちょっと切ない。

もし彼に言いたいことがあるなら聞いてあげたい。できることがあるなら、やってあげたい。

そんな風にも思い始めて。

 

というわけで、あちらの世界が見えたり聞こえたりするような方々に、

ちらほらお話を聞きにいってみたんです。

(注:信頼できる人の紹介で、高額請求されなくて、ツボとか売りつけてこない人限定)

 

そしたらね、みなさん似たようなこと言うんです。

なんて言ったと思います?

 

・わりとすんなり事態を受け止めてる

・わりとすんなりあちらに渡ってる

・わりとあちらで楽しんでる

・てかあちらの世界が楽しくてキレイだからみんなにも見せたいとかいってる

・この人わりと適応力ありますよね?

 

…お気楽かっ!

 

 

いや、わかっていたけれども。楽しみすぎだから。

で、彼は私に何か伝えたいことはないんですかね?

 

・とりあえずいろいろごめん

・あとは自分の幸せだけを考えていいよ

・あとは全部KIKOの好きなようにしていいよ

・彼氏ができても再婚してもぜんぜんいいよ

 

…丸投げかっ!!

 

 

まあでも、なんか一応謝ってるんだ。そして、最後の一言は胸に刻むよ。

で、子供たちのこととか心配してないんですかね?

 

・今までどおりまかせる

・KIKOにまかせとけば大丈夫

・KIKOにまかせとけば全部大丈夫

 

…さらに丸投げかっ!!!

 

 

あーのーさーーー

いやたしかに今までも、何から何まで全て丸投げだったよ?

全部お任せされてやってきたよ?

 

でもさ、なんかこう、ないのかね。

あの世からの的確なアドバイスとか、これからはオレが大切な家族を見守るから安心しろとか、

なんかそういう、ちょっとありがたい感じのメッセージが…。

 

そんな私の気持ちを見越してか、見てくれた方から

「ほんとにそれしか言ってなくて…。なんかごめんね?」

と慰められる始末w

 

 

そこで私ね、ふと思い出したんです。あの詩を。

 

 私とあなたは
 かつて私たちが そうであった関係のままで
 これからもありつづけます。

 

ああ、そうか。何も変わらないんだ。

「そうであった関係のまま」なんだ。

 

ははは、そりゃそうだ。

死んだら突然、頼りがいのある旦那に変わるわけじゃないもんね。

あの人はあの人のまま、私たちの側にいるんだ。

 

全てのメッセージが、なんとも彼らしい。

彼を知っている人なら、頷いてくれるんじゃないでしょうか(笑)

 

私は今でも私のまま

あなたは今でもあなたのまま

 

 

さて、またこれからも私らしく、

楽しく笑って生きていかなくちゃ。

 

 

 


数年ぶりに、ソムリエとしてレストランのフロアに立たせて頂くことになりました。


場所は、銀座にあるワインビストロ、「イル・ルオーゴ」。




以前からお声をかけて頂いていたお店なのですが、今回のことで自分の働き方をあれこれ考え直していく中で、

ちょっと自分の原点に戻る時間がほしいなと思ったのが、お引き受けしたきっかけです。


私、料理が好きで、レストランが好きで、

接客が好きで、だからワインが好きで、

そこから今の仕事に行き着いたんだよな、っていう。


あとは、グラース閉店以来すっかり鈍ってしまった気力と体力を取り戻すため!


あんなに毎日、朝から晩まで店で働いて、

さらに講師業もやって家事もして子育てして…ってやっていたはずなのに、

最近じゃすっかり体力が落ちまくり、我ながら生温い仕事っぷりで😓


いかんいかん、これじゃいかん。


というわかけで、すみません、実はリハビリも兼ねてます(笑)



昨日が初日だったんですが、オペレーションわからず右往左往する感覚も懐かしいw 


私の飲食業人生って、フランス料理店のサーヴィスから始まったんです。
右も左もわからず、フランス語もわからず、
毎日馬車馬のように働いて。
それでも、なぜかそんな日々が楽しくて楽しくて。

あの頃の気持ちを、ほんの少しだけ思い出しました。


ソムリエやサーヴィスって、よく考えたらすごい仕事ですよね。
自然の恵みが食卓に上るまでの長い長いリレーの中で、お客様に最後のバトンを手渡すアンカーみたいな仕事。

自然から食材を生み出す人、育てる人、運ぶ人、加工する人。
そんなたくさんの人たちの思いが、最後の最後にレストランで彼らの手を介して食べ手に渡る。

最後の最後で、それまでの全てをダメにすることもできるし、さらにいい状態でその魅力を伝えることもできる。
それまでの生産者や料理人たちの努力が報われるか否かは、実は私たちの接客いかんにかかってる。

そう思ったら、何ひとつおろそかにできないなって思うんです。

どうやったらお客様に楽しんでもらえるか。
どうやったらワインや料理の魅力を伝えられるか。
どうやったら、これまでこの一皿、この一杯に関わった全ての人たちの思いを届けられるのか。

せっかくなら、そんなことを思いながら、久しぶりの現場に立ちたいなと思います。


こちらのお店、立地も雰囲気も抜群で、しかもワインやお料理のお値段はかなりリーズナブル。

会員制とはいえ、会費は全て店内で使用できるので実質の会費は無料です。



ぜひぜひ、気軽に遊びに来て下さいね!


「銀座イル・ルオーゴ」



日本限定販売のスイスのショコラがあるよー

 

っていう話から、

じゃあ、今回のテーマはスイスワインで!ってことになりまして。

 

手元にあったスイスワインを二種類持参して、

メンバーがあと二種類揃えてくれて、

めちゃめちゃ美味しいお料理を囲んでワイン会でした。



 いやー、

スイスワイン、おいしいですよね!✨


シャスラはやっぱり爽やかで、スルスル飲めちゃうからある意味危険。。

和食にもよく合うし、飽きずにずっと側においておけるパートナー。

 


珍しいジュネーブAOCのソーヴィニヨン・ブランは、驚きの香り。

マンゴーとかパッションフルーツとか、もうドーン!とはじけるような。

なんでスイスでこんな香りが出るんだろう?

 


ピノ・ノワールのロゼ、ウイユドペルドリは、爽やかな酸味の具合がめちゃめちゃイイ!

こちらもお料理との相性抜群で、特にホタテとのマリアージュは最強でした💕




ソーヴィニヨンブランと同じ作り手さんの赤ワインは、スイスの固有品種ギャマレ。

甘スパイシーでタンニンもしっかり。じわじわと旨味が広がるタイプで、安定感のある味わい。



どれもクオリティ高くて美味しいんだけど、お値段もそれ以上に高い。

ここがスイスワインの難しさかなー🤔




それにしても、仕事以外でワイン囲んで、こんなに楽しくワイワイ飲んだのめっちゃ久しぶり!


なーんて思ったけど、最近は私の時間感覚がおかしくなってるので、

実はこの集まり自体もほんの3ヵ月ぶりぐらいだったみたいです😅

 

いろんなことがありすぎて、

もはや1年以上経ってたぐらいの感覚なんですけどね。

 

すっかり普通に、ちょっとネタにしたりもしながら、たくさん笑って、

単純にワインも会話も楽しめた自分が嬉しくて。


もちろんまだ波はあるんだけど、やっぱりちゃんと復活できてるんだなあって。

 


またこのメンバーが、楽しくて素敵な人たちばかり。

 

ぜんぜん関係ない話でめちゃ盛り上がってるのに、

突然スイッチが切り替わって真面目にワインの話とかしだしちゃうのとかほんと好き笑



彼らのパワーと笑顔から、たくさんたくさんエネルギーもらいました。

こういうご縁、ほんとにありがたいな。


私ももっとがんばろっと。