なんとなく胸がザワつく日々です。 


たいへん楽しみに読んでいたマンガの作者が亡くなりました。原因とされる出来事以上に、それについて言われたことや御自身の発言に対するリアクションがその人を追い詰めたのかもしれません。


つらい。


その人の心情はボンヤリ推し量ることしかできませんが、楽しみに読んでいた作品の中の人々のその先と出会えなくなったことは一読者として心から残念でなりません。


個人的にも知り合いのお葬式があったりもして、なんとなくいろいろ思ってしまいます。


一方で相変わらず道楽絡みの楽しい予定もたくさんあって、精神的にアップダウンの多い日々です。




1月は、

わらび座『新解釈・三湖伝説』

わらび座 新春顔見世公演+『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アキタ』

ホリプロ『オデッサ』

サンモールスタジオプロデュース『トーキョー奇譚』

わらび座×明桜高校吹奏楽部『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アキタ』


という5本でした。


本数的にはだいぶ少なめだったので時間の余裕があるかと思ったのですが、それなりに野暮用も多くいつも通りバタバタと過ごしていました。




で、今日から2月。


栃木県総合文化センター『狂言万作の会』

トライフルエンターテイメント『ブラッディ+メアリー』

椿組『ガス灯は檸檬のにほひ』

メジャーリーグ「『大誘拐』~四人で大スペクタクル~」

扉座サテライト『リボンの騎士 2024〜県立鷲尾高校演劇部奮闘記〜』

十割そばひかり演劇事業部『はこしき』

第一回観世流太鼓職分会

大統領師匠 『ノーザンライツvsメキシカンギャング』

劇団きのこ牛乳『Q-キュウ-』

ムケイチョウコク『Find me in LIT-Crow-Club』

シアター風姿花伝プロデュース『夜は昼の母』

guizillen『ファンタスティックベイビーズ』


ダブルキャストもあるのでいまの時点での予定は13本。たぶんこの他にも増えそうな雰囲気で、1月よりだいぶ忙しくなりそうです。



通勤途中で見かける建設中のマンション。


ずーっと囲いの中で工事が進んでいて最近囲いが外されました。完成が近づいているのでしょう。どんな方がここで暮らし、どんな物語が紡がれていくのか、考えてみるとなんだか途方もなく不思議な気がします。

令和6年1月3日(水)10:15〜、あきた芸術村小劇場にて。


脚本/鈴木潤子
演出/栗城宏
音楽/渡部絢也
振付/三森渚
美術/高橋知佐
照明/三重野美由紀
音響/佐藤亜希子
衣装/市橋幸恵
小道具/平野忍
舞台監督/仁しずか
演出助手/飯野裕子
音楽助手/上平美咲
振付助手/丸山有子
宣伝イラスト/遠田志帆
助成/文化庁文化芸術振興費補助金

キャスト/
たつ子:平野つくし
難蔵・ハチ:執行巧真 (扉座ユース)
マオ:佐々木亜美
八重比丘尼 他:白井晴菜

あらすじ/
湖のほとりの村に住む美しい娘たつ子はある日、若き修行僧の難蔵、盗人でウソつきな娘マオと出会い、3人寄せ集めのデコボコチームを結成!目的はなんと、永遠の命を持つという“龍神”を探す旅。森の中ではナメクジ、大蛇、コウモリと次々に襲われるも、難蔵の知恵やマオの機転で立ち向かう!そんな中、村には大きな危険が迫っていた。なぜたつ子は龍神を探すのか?たつ子が多くを語らない“ハチの秘密”とは、いったい?

公式サイトより)






秋田県には、3つの湖(八郎潟・十和田湖・田沢湖)にまつわる龍神の伝説があるそうだ。


美の国あきたネット


県の北端・西側・東側と秋田県を股にかけた壮大な伝説はどうして生まれたのか。


もしかしたら、その答えかもしれないのがこのミュージカル『新解釈・三湖伝説』だ。


村の娘 たつ子と旅の修行僧 難蔵、そして泥棒として捕えられていたマオの3人の若者が出会い、龍神を探す旅に出る。


同じく龍神を探す八重比丘尼と出会ったり、さまざまな困難を乗り越えたりしつつ旅を伝える3人がある湖のほとりの村で最大の困難に直面し、そして決断する。


そんなはずはないのかもしれないけど、でももしかしたらあったかもしれない……と思わせるのは、その底にあるのが人を思う気持ちだからだろう。


脚本は、昨年の冬の小劇場公演から2024年のツアー作品となる『青春(アオハル)するべ!〜由利高校民謡部ストーリー〜』と同じ、鈴木潤子さん。


多くの舞台で主演やヒロインを演じる女優さんだが、『青春するべ!』でも今作でも若者たちの迷いや葛藤を生き生きと描いて、脚本家としても今後の活躍に期待が高まる。


演出は、わらび座を代表する演出家 栗城宏さん。スケールの大きい物語を少人数で成立させる工夫などもさすがだった。


楽曲のよさや振付の魅力が物語を牽引し、美術、照明、音響、衣装、小道具なども大劇場での公演に引けを取らない完成度だ。


そして何より、舞台中を駆け抜ける若々しいキャスト陣の熱演が胸を打った。


ここからは、カーテンコールでの撮影可能タイムや物販の際に撮らせていただいたお写真を添えて。



村の娘 たつ子を演じる平野つくしさん。


人を思う気持ちの切実さを懸命に演じる姿に胸を打たれた。どこかおおらかな持ち味が、役柄に人間味を増していたように思う。



生真面目な修行僧 難蔵ともうひとつ重要な役柄を丁寧に演じ分けた客演の執行巧真さん。


扉座公演や藤田直美企画などでも拝見していたが、演技だけでなくミュージカルでの歌唱やダンスも頼もしく、『ドリル魂』上演への期待が高まった。



健気なヒロインなどの印象が強い佐々木亜美さんは盗人で嘘つき(!)のマオを演じる。


これまでと印象の違う役を躍動的に演じる姿やいつもながら見事な歌声に惹きつけられた。



白井晴菜さんは、3人と対立する立場となる八重比丘尼をはじめ、多くの役で忙しく活躍されていた。


全部で何役だったか数えられなかったが、どの場面でも安定感のある演技で物語を支えた。



人が人を思う気持ちをベースに、「真実」と「嘘」への考察などを含めて、若者たちが龍神を探す旅を描くこの舞台は、3月24日まで上演とのこと。その間にできたらまた観に来たいと思っている。



関連企画として開催されている謎解きアドベンチャーやポストカードなどもついつい購入。



わらび劇場とはまた違う靴を脱いで上がる小劇場ならではの面白さがある、と思った。

今年も観劇初めは、わらび座のお正月公演となりました。


まずは早起きして5時50分に家を出て在来線と新幹線を乗り継ぎ、秋田へ向かいます。


在来線から東北新幹線やまびこに乗り換えたのがちょうど日の出の時間帯でした。



仙台駅でやまびこから秋田新幹線こまちに乗り換えます。



角館駅で降りてシャトルバスであきた芸術村へ。



今年はいまのところ降雪量少なめのようです。



ワロック小屋もちょっと模様替え(?)。小劇場関連の新作や干支にちなんだ絵柄もありました。


さて、小劇場へ。





劇場に入るとこんなボックスが。


わらび座SDGsアクションの一環として、企業と連携しペットボトルキャップの回収箱を設置したそうです。


そのお知らせを読んでいたので、ペットボトルのキャップを集めておいて持ってきてみました。


さて、冬の小劇場作品『新解釈・三湖伝説』10:15開演です。早い時間からのミュージカル、遠くから行くのもまあまあアレですが、キャストやスタッフの皆様は大変だろうなぁ……と思います。



ある少女の人を思う気持ちをベースに、「真実」と「嘘」への考察などを含めて、若者たちが龍神を探す旅を描いたスケールの大きい物語でした。


そういう物語を少人数で成立させる演出の工夫も見どころだと思います。


そして何より舞台中を駆け抜ける若々しいキャスト陣の熱演が胸に迫りました。


カーテンコールは撮影OKタイム。



いろんなポーズをしてくださいました。


観劇のあと腹ごしらえをして、今度はわらび劇場へ。



劇場前にお囃子や獅子舞が出て、お正月らしい賑わいです。



13:30から、わらび座『新春顔見世公演』+ミュージカル『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アキタ』が始まります。



新春顔見世公演は、ミュージカルナンバーの合唱から始まり、2024年の公演ラインナップ発表や民謡民舞など20分ほどの短い時間にわらび座らしさの詰まった内容でした。



無料配信(アーカイブ)がありましたので、リンクを貼っておきます。


昨年4月から始まった『ワンス……』は、古代秋田で出会った蝦夷と都人と渤海国からの使者たちがそれぞれの違いを超えて理解し合おうとする物語。


回を重ねて場面ごとの解像度が上がり、パフォーマンスの魅力も増して見応えがありました。





そして、16:45から18:00までは温泉ホテルゆぽぽ北浦の間にて、わらび座の会交流会がありました。


役者さんたちの自己紹介から始まり、シアターエデュケーションの体験や質問コーナー、役者さんたちによる歌などもあり、工夫された内容で楽しい時間でした。







22名の役者さんが参加してくださり、たいへん贅沢な時間となりました。


そんなこんなで楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰りの時間となりました。


秋田新幹線が少し遅延してハラハラしましたが、仙台駅で予定の電車に乗り継ぎでき、23時ごろ無事に自宅に着きました。


こうして今年の観劇・初遠征の様子を駆け足で記録させていただきました。


お目にかかれた皆様、気にかけてくださった皆様、ありがとうございました。


今年もたくさんお会いできますように!

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします!



いつものようにバタバタと過ごすうちに2023年が終わり、新しい年が明けました。


初日の出を撮ろうとベランダに出てみましたら、例年よりだいぶ暖かい年明けのようです。


今年もきっといろんなことがあるでしょう。できることならなるべく良いこと多めでお願いしたいものです。


まずは自分自身が健康でいろんなことに元気に取り組めるよう、心がけていく所存です。


そして、初日の出に向けてひとつだけ願いごとをするなら、どうか世界が平和になりますように……。

令和5年12月16日(土)14:00〜、秋川キララホールにて。


脚本・作詞/高橋 知伽江
演出/栗城 宏
作曲/飯島 優
編曲/沼井 雅之
振付/新海 絵理子
美術/高橋 知佐
照明/日下 由香
音響/佐藤 亜希子
衣装/市橋 幸恵
小道具/平野 忍
ヘアメイク/馮 啓孝
演出・振付助手/丸山 有子
音楽助手/紫竹 ゆうこ
舞台監督/仁 しづか


出演/
井口 阿くり:久保田 美宥

松橋 倫太郎 ほか:小山雄大

進藤 孝三 ほか:渡辺 哲
松橋 ベニ ほか:瀬川 舞巴

森園 コン ほか:佐藤 千明

楠見 ミドリ ほか:小松 詩乃

林田 ルリ ほか:黒木 真帆


ものがたり/
明治36年、3年間のアメリカ留学を終えた阿くりは、東京高等女子師範学校の教授となった。「女子体育を教える女性の教師」を育成すべく、スウェーデン体操、ダンス、バスケットボール等、当時の日本ではまだ未知のスポーツを学生たちに教え、世間から注目をあびていた。しかし、女性が運動することへの理解が無い時代。新聞で教育方針をたたかれたり、ブルマー先生と陰口を言われたり、むずかしい立場に立たされる。その頃出会ったのが若き軍人、松橋倫太郎だ。夢を追いかけて走る阿くりと、保守的な家庭に育って夢をあきらめた倫太郎。倫太郎が阿くりの窮地を救い、2人は惹かれあうようになる。しかし、ロシアとの開戦がじりじりと近づいていた。それは世界の平和を願う祭典であるオリンピックがアメリカで開催される年でもあった。日本のオリンピック参加、そして女子選手の参加を夢見る阿くりにとって試練が続く。
いつも笑顔を忘れない阿くりだが……。 
(公式サイトより)




わらび座『いつだって青空』は、日本女子体育の母と呼ばれる教育者、秋田出身の井口阿くりの評伝的ミュージカルだ。


2019年度のわらび劇場初演を経て2022年度から全国ツアーを行なってきたこの作品も一般公演ファイナルとのことで、いよいよ見納め。


そしてこの日は、小山雄大さんの出身地で久しぶりの凱旋公演でもあった。


アメリカ留学を終えた阿くりの指導者としての活躍に切ない恋模様を重ねたストーリーを、若手中心のキャスト陣で瑞々しく描いた。


もう何度も観てるのにしっかり泣いた。



日本女子体育の母と呼ばれる井口阿くりを演じた久保田美宥さん(左)。阿くりの強さと優しさ、場面ごとの思いを込めた歌声が美しかった。


その生徒ミドリなどを演じた小松詩乃さん(右)。不器用でダンスが上手く踊れない少女の劣等感と阿くりへの信頼を丁寧に演じた。




阿くりの生徒ルリを演じた黒木真帆さん。しっかり者だけれど恋を夢見る乙女でもあるルリちゃんに説得力があった。


冒頭の『秋田音頭』から始まり、歌にも演技にも誠実さが感じられた。


お写真は撮れなかったが阿くりの生徒 松橋ベニを演じた瀬川舞巴さん。阿くりの夢を受け継ぎ地元で教師となる副主人公的な役割を葛藤も含め生き生きと表現していた。


同じく生徒 コンちゃん役の佐藤千明さんは、遠慮のないキャラクターで笑いを誘う。


また留学先の校長役では教育者としてのスケールの大きさを見せた。



物語の語り手 進藤孝三や阿くりの勤める東京高等女子師範学校の校長などを演じた渡辺哲さん。


コミカルな場面もシリアスな場面もベテランらしい味わいで説得力があり、若手の多い座組を支えた。いつもながら見事な歌声も堪能した。



阿くりと心惹かれ合う松橋倫太郎をはじめ、4つの役を演じた小山雄大さん。阿くりとの出会いからの心の動きを繊細に演じ、ことに終盤の病室の場面は圧巻であった。


この作品、別バージョンのDVDはあるけれど、このキャストのものも映像で残して欲しいと観ていて思った。


この物語、この題材だからこそ若い女優さんたちの活躍がいっそう眩しくて、さまぞまな場面で涙腺を刺激された。


近年わらび座の公演では、カーテンコールで現在の状況と支援へのお願いが語られる。組織としての状況はまだまだ苦しいことだろうけれど、この作品を見て劇団の財産は「人」だなぁ、と改めて思い、若手の活躍に劇団の希望を感じた。