2024年の前半が終わったそうです。


……えっ、ウソでしょ?と思いましたが、どうやらウソではないとのこと。



6月は、


シアター&アーツうえだ『初級革命講座飛龍伝』
柿喰う客『殺し文句』
アトリエほんまる一人芝居フェス『これ以上削れない』第1部〜第3部
フライングシアター自由劇場『あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た』
CCCreation『白蟻』
扉座『ハロウィンの夜に咲いた桜の木の下で』
ムケイチョウコク『Find me in LIT-Crow-Club』(2回)
わらび座『青春するべ!』
イッツフォーリーズ『鉄鼠の檻』
モダンスイマーズ 『雨とベンツと国道と私』
新宿梁山泊『おちょこの傘持つメリー・ポピンズ』
わらび座『ジャングル大帝』
花組芝居『レッド・コメディ~赤姫祀り~』
2nd Pit『その鉄塔に男たちはいるという』
ヨドミ『しまって、あけないで』


という計18本。


その他ライブがひとつと習い事のおさらい会があったりもして、なかなかに盛りだくさんな1ヶ月でした。



そして7月。


忍翔『withOSHOW』佐野功さんゲスト回
Office8次元プロデュース『春鶯囀』
serial number『神話、夜の果ての』
iaku『流れんな』
カガミ想馬プロデュース『イリクラ2024 ~Iridescent Clouds~』
椿組『かなかぬち』
三文姉妹『サイケイダファミリー』
劇団番町ボーイズ『蚕は桑の夢を見る』


という8本。うち堀越涼さんが携わってる舞台が2つ。堀越さんに関しては、6月には『白蟻』があり8月にはあやめ十八番の本公演もあるなど怒涛のご活躍です。


こうしてみると先月よりはだいぶゆるいスケジュール……と言いつつ、もしかしたらもうちょい追加するかもしれません


観劇以外にも、スナックムケチョ(という演劇がらみのイベント)にも行く予定(予約済み)の他、「読み合わせ見るカフェ feat.ミセスフィクションズのファッションウィーク」も検討中です。


いやでも6月の半分以下ではあるけれど土日はけっこういっぱいで、どうやったら先月のように18本も観られるのか振り返ってみてもナゾな感じです。


さて、今年の前半が終わったとのことなので、上半期に観た舞台のうち印象的だった作品をいくつかピックアップしておきます。


ホリプロ『オデッサ』

ホエイ『クチナシと翁』

大統領師匠 『ノーザンライツvsメキシカンギャング』

舞台「サイボーグ009」製作委員会『サイボーグ009』
ENG 『Rock in the 本能寺』
CCCreation『白蟻』
新宿梁山泊『おちょこの傘持つメアリーポピンズ』
ムケイチョウコク『Find me in LIT-Crow-Club』

花組芝居『レッド・コメディ~赤姫祀り~』
2nd Pit『その鉄塔に男たちはいるという』


とりあえず10本。どれも本当に素敵な作品で、楽しませていただきました。中でもホエイの『クチナシと翁』がたいへん好みの舞台でした。


並べてみたら6月に観た舞台がだいぶ多かったのは、よい作品が多かったから……だけでなく観たばかりなので印象が強かったから、ということもあるかもしれません。


年末に振り返ってみるときどう感じるのか、それもいまから楽しみです。


(新宿梁山泊テント芝居終演後)


先の見えない不安定な世の中ですが、劇場でのひとときはしがらみも不安も忘れて物語にのめり込める、大切な時間です。


今年の後半も、元気に劇場で皆様とお目にかかれますように。

6月です。

今年の上半期も今月で終わり。ホントいつのまにか、という感じです。



5月は、


わらび座『ジャングル大帝レオ』×2回
インプロカンパニーPlatform『めくる、くる、くる。』
悪童会議『夜曲〜ノクチューン〜』
セルリアンタワー能楽堂『能に親しむー観世流ー』
あるいはエナメルの目をもつ乙女『こどもの一生』
しゅうくりー夢『ひなたの道を』
ムケイチョウコク『Find me in LIT-crow-club』
舞台「サイボーグ009」製作委員会『サイボーグ009』
ENG 『Rock in the 本能寺』

というのべ10本。どの作品も楽しくて満足度高めの1ヶ月でした。


全体にビジュアルの美しい作品多めで眼福でした。同時に、なんていうか題材や作品に対して(愛があるなぁー!)という印象の作品も多くて気持ちよく拝見できました。(←ざっくりまとめてすみません)


……というかまあ、基本観たいヤツ気になるヤツから厳選して予約してるので,嫌いな作品に当たることは少なめです(たまにはハズレもあるけど)。


なので、だいたい楽しく拝見できるし辛口の感想を書く機会もさほどありません。「自分は忖度なしでよかったことばかりじゃなくる批判的な感想も書く」とおっしゃるシアターゴアーさんたちはたぶん目新しい団体とかをガンガン観に行ってらっしゃるのでしょう。それも尊いことと思いますが、私にとって観劇は大切な道楽なので、たぶんこれからも自分の好きなモノ中心に観に行くような気がします。


観劇以外にも、なぜかハーフマスクのワークショップに参加しました。場違い感半端なかったけど、とても楽しかったです。


(わらび座『ジャングル大帝レオ』のカーテンコールで撮った写真を待受にしたもの。カーテンコール撮影可の作品も増えてきて楽しいです)



で、6月。


マキノノゾミ×犀の角『初級革命講座飛龍伝』
柿喰う客『殺し文句』
アトリエほんまる一人芝居フェス『これ以上削れない』第一部〜第三部
フライングシアター自由劇場『あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た』
CCCreation『白蟻』
扉座『ハロウィンの夜に咲いた桜の木の下で』
ムケイチョウコク『Find me in LIT-Crow-Club』×2回
わらび座『青春するべ!』
イッツフォーリーズ『鉄鼠の檻』
モダンスイマーズ 『雨とベンツと国道と私』
新宿梁山泊『おちょこの傘持つメリー・ポピンズ』
花組芝居『レッド・コメディ~赤姫祀り~』
2nd Pit『その鉄塔に男たちはいるという』
ヨドミ『しまって、あけないで』


という17本。


他にKUNIO『ゴドーを待ちながら』も予約していましたが、残念ながら上演中止となりました。またの機会があることを祈ってます 


そのほかまだチケットは予約していませんが、たぶんあと1本観に行く方向で考えています。


地方在住でフルタイムの勤め人兼主婦で、老いた実家の両親の様子を週に数回見に行ったりしつつなので、これ本当に全部観に行けるのかしら?とやや不安(←!)な気もします。


でもどれもホント観たくて一生懸命日程をやりくりしたりチケットを確保したりした作品ばかりなので、仕事をはじめとする各種浮世の義理もがんばりつつ、しっかり観劇したいと思います。


今月は、最近にしては珍しく紙チケット多めです(まだ届いてないのや当日精算の公演もあり)。電子チケットもなくしたりしないので便利かもしれませんが、チケットホルダーにチケットがたくさん入ってるのもちょっと幸せです。




6月についてはこんな感じですが、7月以降の予約はまだ少なめです。


7月も気になる公演はたくさんありますが、家庭の事情により地元にいる時間をもう少し増やさなくてはならないか、と考えているためです。


その割に8月はもうけっこう予定(チケット発売前のとかもありますが)が入っていたりしますので、その辺は考えたり相談したり、可能な範囲で臨機応変に対応していきたいと思います。


とりあえず、まずは今月の予定がすべて無事に完遂できますように!

令和6年5月18日(土)14:00〜、王子小劇場にて。


作/中島らも
脚色・演出/青沼リョウスケ(劇想からまわりえっちゃん)

舞台監督/小川陽子
美術/いとうすずらん
照明/松田桂一
音楽/坂本弦
音響:谷井貞仁(Collage Sound)
振付/青沼リョウスケ(劇想からまわりえっちゃん)
衣装/荒川智都
小道具/定塚由里香
演出助手/金子賢太朗(演人の夜)
稽古場代役/時吉海希(ターリーズ)
サポートスタッフ/西島朱里、八角ちゃん、竹田梓乃、倉貫翔太
宣伝美術/藤尾勘太郎
宣伝撮影・舞台写真/保坂萌
宣伝衣装/石澤希代子(あるいはエナメルの目をもつ乙女)
PV撮影・作成/つかてつお
映像収録・配信/まがたまCinema
制作:/吉田千尋(LUCKUP)
企画・製作/石澤希代子(あるいはエナメルの目をもつ乙女)

Cast/
中村猿人(劇想からまわりえっちゃん)
高木健
石澤希代子(あるいはエナメルの目をもつ乙女)
鈴木麻美(にわか劇団けだものの界隈)
奥泉(あんよはじょうず。)
川上献心(劇団風情)
助川紗和子(知らない星)
ムトコウヨウ(劇想からまわりえっちゃん)

ストーリー/
製薬会社社長とその秘書は、瀬戸内海のとある孤島にある医学クリニックを訪れる。そこで行われている精神療法を受ける患者たちはストレスを取り除くため10歳の「こども」に返り、共同生活をすることになるが…
エナメルプロデュース第2幕は石澤希代子選りすぐりの名優達と鬼才・青沼リョウスケを演出に迎え、幾度も再演され愛された傑作ホラー戯曲に挑む。
小劇場界に蘇る懐かしきスリル!ショック!
あなたは「大人」でいられますか?
(公式サイトより)



何度も上演されている戯曲だけれど、自分としては初見。怪作とのウワサと今回のキャストに惹かれて観に行った。


いや〜何これ!?戯曲の破壊力も演出の手際ももちろんだけど、とにかくキャストのインパクトがもの凄くて。


観ながら息を呑んだり目を逸らしたり声をあげそうになったり、たぶんめちゃリアクションしてた。


孤島のクリニックで、ある手法の治療を受ける患者たち。それは、子どもにかえることでストレスを緩和させるというもの。


子どもならではのわがままや残酷さ。ガキ大将となった彼を懲らしめるために他の面々が考え出した架空の「山田のおじさん」。


その「山田のおじさん」がなぜが現実に現れ、しかも殺人鬼としてクリニックの人々を追い詰めていく……。


レトロでポップでキッチュでサイケデリック。いやこういうカタカナを並べるのはうまく言語化できてないからか。


色鮮やかな印象とある種の胡散臭さ。「子ども」として生きるオトナたちの奇妙さ。抑圧と解放と恐怖が客席の我々を惹きつける。


山田のおじさん役のムトウコウヨウさんがとにかくインパクト大で、そのムトウさんが終演後に(血まみれのまま)物販に立つ。その姿に動揺してついグッズを購入してしまった。(物販時の写真を撮らせていただけばよかった!)


団体も初見だったけど、観に行ってよかった。




王子小劇場も好きな劇場のひとつ。またここでのいい記憶が増えた。

令和6年5月11日(土)18:00〜、品川ステラボールにて。


作/横内謙介
演出/茅野イサム
上演台本・作詞/浅井さやか
音楽/YOSHIZUMI
振付/桜木涼介
美術/松生絋子
殺陣/清水大輔(和太刀)
照明/林 順之
音響/青木タクヘイ(ステージオフィス)
衣裳/小原敏博
ヘアメイク/糸川智文(STRINGS)
演出助手/長谷川 景
技術監督/寅川英司
舞台監督/佐光望
映像/ワタナベカズキ
宣伝美術/藤尾勘太郎
宣伝写真/小松陽祐
WEB/かりぃーぷぁくぷぁく(ブラン・ニュー・トーン)
制作/高橋戦車、MIMOZA
プロデューサー/中山晴喜
主催/アミューズキャピタルインベストメント、悪童会議


配役/
十五:立花裕大
ツトム:糸川耀士郎
虎清:長田光平
サヨ:川原琴響
千代姫:MIO

ゴロウ:松本亮
玉野尾の眷属:鈴木亜里紗
玉野尾の眷属:詩織
玉野尾の眷属:福田真由
玉野尾の眷属:アイザワアイ

白百:唐橋充
乳母:野口かおる
黒百合:湖せしる


玉野尾:岡 幸二郎


ものがたり/
「この場所にまつわる秘密を知っているのか」
孤独な若者ツトム(糸川耀士郎)には秘密がある。彼は、放火魔。
ある夜、彼は小さな幼稚園の廃墟を燃やす。

「あの星が巡ってきた夜にここに火を放つ者があれば…」
それは、76年に一度巡り来るという彗星が、南の空に輝く夜だった。
やがて、燃え尽きて無残な姿をさらす焼け跡から、異様な人影が現れる。

「あの物語が再び息を吹きかえすということを!」
それは、崩れかかった鎧を纏った、苔むすような古武士(立花裕大)だった。

1986年に劇団「善人会議」で初演され、
以来、様々なカンパニーで繰り返し上演され続けている、横内謙介・不朽の名作。
ショパンの名曲「Nocturne」と共に蘇る、七百年の時を超えた壮大なロマン。
『夜曲』に繰り返し出演し2003年には演出も担当した、
この名作を誰よりもよく知る茅野イサムが、
新たにミュージカルとしてお届けします。
(公式サイトより)




この戯曲が上演されるのを初めて観たのは2019年、劇団アカズノマで七味まゆ味さんが演出された公演だった。


面白かった。


放火魔ツトムの放火から700年前の因縁が紡ぐ愛憎の物語が動き出し、劇的な展開と多彩な登場人物が観るものを魅了した。


次にこの戯曲と出会ったのは、コロナ禍で予定の公演を朗読劇に切り替えた扉座の『10knocks~その扉を叩き続けろ~』で、扉座の過去の名作10本を連夜朗読劇として上演した中のひとつ『夜曲-放火魔ツトムの優しい夜-』だった。


主人公ツトムを六角精児さん、不思議な少女サヨを中原三千代さん、そして黒百合を花組芝居の加納幸和さんが演じるというオリジナル版キャストである。これをいま上演するのは、朗読劇だからこそ可能であったかもしれない。


(↓参考:初演データ)


もちろんそれ以外にも多くの場所、さまざまな場所で上演されてきた名作である。


今回の悪童会議版では、ミュージカル『夜曲〜ノクターン〜』として、華やかなキャストを揃えての上演となっていた。


演出は、劇団扉座に長年在籍され、2.5次元系ミュージカルなどの華やかで大規模な舞台を数多く演出されている茅野イサムさん。


初演で六角精児さんが演じたツトム、稲垣吾郎さんや高橋一生さん、アカズノマ版では石塚朱莉さんなど、多くの方に演じられてきたこのキャラクターを糸川耀士郎さん、過去からよみがえった武士 十五を立花裕大さん、十五の主君である虎清を長田光平さん、とミュージカル『刀剣乱舞』出演者を中心に、各種ミュージカルで御活躍のキャストを揃えている。


正直に言って、(セリフと物語を堪能したい作品なのにミュージカルにする必要ある?)とやや疑念を持っていたが、始まってみるとそういう思いは消えていた。強い感情の発露を歌で表現することの効果。


中でも、岡幸二郎さん演じる玉野尾とその眷属たちが本当にミュージカル映えして、登場するたびに歌やダンスで世界観を深めていた。


長い年月を越えてまた箒星が現れる夜、廃墟となった幼稚園が燃える。そのとき、過去の物語が動き出す。


武士や若君、乳母、姫君などが、遠くに団地の見える三十数年前の日本によみがえる。


怒涛の展開に釘付けとなる前半から、登場人物たちの胸の奥に秘められていたさまざまな思いが明らかになる後半へと怒涛の物語が展開した。


戯曲の持つチカラと魅力的なキャスト陣により、物語にどっぷり浸る約2時間半となった。


終演後、周囲の方々の会話で「つらい……いろんな感情が……」とか、「(悪童会議の旗揚げ公演であった)『いとしの儚さ』も観たいな」とか、作品を堪能したことのわかるフレーズが漏れ聞こえて、ちょっとうれしかった。


悪童会議の次回作は永井愛さんの『見よ、飛行機の高く飛べるを』とのこと。


今作とは打って変わって、明治時代の女学生たちが変わりゆく時代の中で女性としてあるいは人間として生きることの意味を考える、青春群像劇だ。


今作とはまた印象の異なる作品である。そういう振り幅が面白い、と思った。


カーテンコールではキャストのお一人が日替わりで挨拶しているらしく、この日は野口かおるさんが選ばれていた。


この御挨拶の中でこんなことをおっしゃっていた。

この作品の初演はこの前ハレー彗星が接近していた38年前。今はハレー彗星がもっとも遠いところにある。そしてもしかすると38年後にハレー彗星がまた地球を訪れる頃、この会場にいる誰かがこの作品を上演しているかもしれない、と。


月日が過ぎ人の世が移り変わっても、物語は語り継がれ舞台は創られ続ける。今回ミュージカルとして上演されたこの戯曲もそうやって語り継がれる物語のひとつなのかもしれない。

令和6年5月5日(日・祝)19:00〜、上野ストアハウスにて。


構成演出/住吉美紅(Platform)
ミュージシャン/CHIZUE(シコウ品/Pirates of Tokyo Bay)
照明/田中稔彦(ひとにまかせて)
5/5-6照明オペレーション/ベルヨシダ
音響/山田陽大(劇団だるま座)
サンプラー/いけだゆうこ(Platform)
舞台監督・美術/木之枝棒太郎(Theater Company夜明け)
舞監補佐/宮本悠我(Theater Company夜明け)
運営/早さきえこ・植野龍二(以上、Platform)
制作/斉藤らいふ・佐藤歩・山本あつみ・いけだゆうこ・樹なみ(以上、Platform)
広報/住吉美紅・三浦麻理恵(以上、Platform)
広報補佐/遠藤由実
写真/ツジ(Platform)
テーマソング/村田貴章(Platform)

キャスト&キャラクター/(観劇回分)
主人公作家汐理(しおり):住吉美紅(Platform)
夫編集者語(かたろう):池田一開(劇団だるま座)
妖精ルビー:青木紫水
あらゆる「その2」エメラルド:早さきえこ(Platform)
妖精ジルコン:橋詰龍(無情報)
姫キャナリー:新菜鈴果
王子カーネリアン:橋田洋平
男ヴェルデラ:石戸貞義(Platform)
商人ヘマタイト:村田結香
神官シトリン:斉藤らいふ(Platform)
召使グランティティエ:残間続
悪党タンザナイト:雅憐(はぶ談戯)
動物ムンストン:渡辺りえ

あらすじ/
童話作家のしおりと編集者のカタロウは結婚5年目の夫婦。
互いに恋愛感情がないことはわかりきっているなか、一緒に暮らし続けている。 そんなある日、カタロウにあらためて離婚を提案されたしおりは
自分の中にあるどす黒い感情に気付いてしまう。 誤魔化そうと取り揃っても、しおりの書く物語の登場人物たちは
どんどん不幸になっていく。
めでたしめでたし、そのあとで。これはあなたの物語。
(公式サイトより) 




久しぶりにインプロの公演に足を運んだのは、ムケイチョウコク『漂流する万華鏡』に出演されていた橋田洋平さんが御出演されていたからだ。

御出演……というか、公演直前に体調不良で降板された方のピンチヒッターで、時間のない中でも熱心に稽古や公演のPRをなさっている様子を旧twitterで見ているうちに(あれ?観客少なめらしい5/5の夜公演って、観に行けるのでは?)と思ってしまった。

5/4〜5/5は恒例のあきた芸術村行きを、だいぶ前から予定していた。でも5日は午前公演だし、新幹線で直接上野まで出れば19時開演に間に合うのでは……?

気になり出すと止まらない。GWも後半で上りの東京方面は新幹線もいっぱいだったけど、粘って席も確保できた。

そんなこんなで無事に会場へ。

団体初見のため、公演のあらましはSNSでさっくり見た程度。インプロなのに、上記のようなあらすじがある。台本と即興のハイブリッド的な舞台らしい。

絵本作家のしおりと夫のカタロウ夫婦の岐路に、しおりの描く童話のキャラクターたちも巻き込んで、観客の書いた単語やフレーズに右往左往する即興劇。

この回のキーワードはなんと「トイレ」。しおりとカタロウの会話にもごく自然に(!)その単語が織り込まれていく。

しおりの書く本について編集者でもあるカタロウと打ち合わせるが、その登場人物たちも「トイレ」とそれぞれ取り出された単語やフレーズに沿って物語を綴っていく。

予想外の単語にも必死で物語を作り上げようとするキャラクターたち。

そんな中、しおりとカタロウの夫婦としての暮らしは、終わりを迎えようとして。

案内役だった妖精2人が、思わぬ役回りで登場したり。

そんなアレコレが可笑しくて、少し切なくて。

これは、「めでたしめでたし」のその先を探す「あなたの」そして「私の物語」なのだと思った。



どこまで台本でどこから即興なのか、他の回を観て確かめたくなるような舞台。回ごとの展開に合わせる音響や照明もホント見事だった。


いやこれは、最初のお題によってだいぶ作品のカラーが変わるよなぁ……。


なんとなく余韻が残って、ついついクラウドファンドにも参加したりした。


予定外の出会いというのもなかなか味がある。即興劇の面白さにちょっと似ているかもしれない、などと思った。



カーテンコールは撮影可だったので、登場するキャラクターたちの様子を少しだけ置いておきます。