9月です。


今年の8月は、近年の夏と比べるとやや涼しめでした。


地域によっても違いますし(暑さの峠を越えるはずの)処暑も過ぎるころに酷暑になったりもしましたが、関東地方では上旬やお盆の前後などは昨年などよりだいぶ過ごしやすかった気がします。


今月はどんな気候になるのかしら。あまり残暑が厳しくないといいなぁ。あとあまり台風が来ないで欲しいです。



8月は、

Mrs.fictions『15 minutes made 東京/福岡』東京公演

Mrs.fictions『15 minutes made 東京/福岡』福岡公演×2

わらび座祭シアター『LAB』×2

ヨビゴエ『輾転と町は』

フジタナオミ企画『もろびとこぞりて』

劇団☆紗織『伯爵のおるすばん』


という、遠征を含むやや偏った8本。


観劇以外では

ストーリープレイング『Bibrlo』

どこか奇妙な職業体験『夜の学校調査員』

LARP『5DIVE if』

どこか奇妙な職業体験『真夜中の学芸員』

体験する美術館『ロスト・フレーム』

などに参加してきました。


という感じで、体験型コンテンツ多め!

夏だからかな(←!?)


わらび座の『LAB』も観客参加型の公演だったり、ヨビゴエ『輾転と町は』はストレートプレイだけどTRPGが原作だったり、体験と鑑賞の境界が曖昧になりつつあるのかも……と思ったり思わなかったり。



で、今月は、


NLTプロデュース『家族リハーサル』
スタジオコンテナ『オールトの雲〜天文台の大問題〜』

あそびや企画『いかけしごむ』
わらび座 イーハトーブシアター『真昼の星めぐり〜the Musical』
こしがや能楽堂『こしがや薪能』
CCCreation『シオヒガリ』×2

オペラシアターこんにゃく座『べっかんこ鬼』
Theatre in Opposition『盗まれた幸福』
わらび座『黒紙の魔術師と白銀の龍』
わらび座『This is Akita!』


という11本。翻訳劇、会話劇、ミュージカル、能楽、オペラなどバラエティに富んだラインナップです。


8月とは打って変わって体験型コンテンツの予定なし。まあでも追加しちゃうかもしれませんけど、ね。



そんなこんなで、先月の写真たち。




秋田市 千秋公園の蓮。




福岡で食べたモツ鍋。


ひとりだと遠征しても観劇以外の予定を疎かにしがちですが、都内から遠征していた友人御夫妻とご一緒させていただき、美味しいものにありつけました。




福岡空港から羽田空港に向かう飛行機の窓から。


いまだに飛行機に乗るたびにワクワクしてしまいます。




宇都宮「花の季」のラーメン。久しぶりに食べました。


ここのラーメンはホント好き。




どこか奇妙な職業体験『夜の学校調査員』プレミアムチケットでは調査前に腹ごしらえ。焼きそばパンも何だか懐かしい感じでした。




どこか奇妙な職業体験『真夜中の学芸員』で訪れた『トニー・アウスラー展』。窓から見える夜景との相性もバッチリ。




同じく『トニー・アウスラー展』。POPでちょっと不気味で、とても面白かったです。




久しぶりの新宿ベルグ。平日のお昼前だったので空席がありました。




鎌倉山米店 下北沢で遅めのランチ。こういうシンプルな食事もいいよね。



こうしてみると、何だか「久しぶり」と思うことが多かったかもしれません。ノスタルジックになってしまうのも夏だからでしょうか。



そんなこんなで私の夏が過ぎていきます。


公私に渡って気になることはいろいろあるけど、とりあえず元気に暮らして行けますように。


皆様もどうぞお元気で。

8月です。暑いです。


……仕方ない。8月と言われると、夏だしなぁ、となんか諦めがつく気がします。


とはいえ気持ちの問題では済まない気温なので、皆様どうぞご自愛ください。



7月は、


三文姉妹『ラストロストイントレイン』@彩演音ナナシ
グランツプロデュース&横浜桜座公演 『風はまだ青く吹いてるか』『ならはのうた』@川崎市アートセンターアルテリオ小劇場
風姿花伝プロデュース『ハムレット』@シアター風姿花伝
花組芝居『レッド・コメディ~赤姫祀り~』@座・高円寺1
スーパー歌舞伎『もののけ姫』@新橋演舞場
青⭐︎組『パール食堂のマリア』@吉祥寺シアター
X-QUEST『金と銀の鬼ーENDLESS CANONー』@すみだパークシアター倉
ゆうめい音楽劇『あわせて』@ユーロライブ
Mrs.fictions『15 minutes made 東京/福岡』@テアトルBONBON 


という感じで劇場に10回足を運びました。


こうやって書き出してみるだけで豊かでバラエティに富んだラインナップ。幸せな観劇生活となりました。

観劇の他にマーダーミステリー『Invisible-亡霊列車-』も素敵な体験でした。



で、8月。

Mrs.fictions『15 minutes made 東京/福岡』
わらび座 祭シアター『LAB』
ヨビゴエ『転々と町は』
ふじたなおみ企画『もろびとこぞりて』


という4本……というか、リピート含めて7本の予定です。本数は少なめながら福岡と秋田への遠征もあって、けっこう充実の観劇ライフとなるはず。


観劇以外では、

ストーリープレイング『Biblio』
マーダーミステリー『5DIVE if…』
どこか奇妙な職業体験『夜の学校調査員』
世にも奇妙な職業体験『真夜中の学芸員』

という感じで、体験型コンテンツの予定多めです。



7月に撮った写真たち。























こうしてみるとけっこう美味しいもの食べてますね。


日々の暮らしでの中では困ったことも残念なこともいろいろあるけど、こうやって劇場に足を運んだり美味しいものを食べたりできる時間を大切にして、乗り越えていけたらいいな、と思っています。



大きな災害に遭われた皆様が少しでも早くそれぞれの日常に戻れますように。

7月になりました。

梅雨の終わりは大雨になったりしがちだし、明けたら明けたで猛暑になりそうだし、何かと気力体力を奪われそうな季節です。

まずは「いのちだいじに」を心がけて冒険の旅、いや日々の暮らしを続けたいと思います。



さて6月に観てきた舞台は、

柿喰う客『サバンナの掟』(本多劇場)
コトリ会議『この上のない下水筒』(アトリエ春風舎)
柿喰う客『真ッ逆様』(本多劇場)
Miproduce『POSTHUMOUS』(新宿眼科画廊)
ケチャドバ!『since1991』(スペースゼロ)
わらび座『This is Akita!』(温泉ゆぽぽ「祭りの国」)
わらび座『黒紙の魔術師と白銀の龍』(わらび劇場)

という7本。予定よりは多くなりました。

観劇以外にマーダーミステリー『2049年からの行き方』『迷い子達の2049年』 、ムケイチョウコク『記憶の質屋』アフターパーティなどもありました。

また、ゆかた会(習い事のおさらい会)もあって、やや緊張したりもしつつがんばりました。


そして7月は、

三文姉妹『ラストロストイントレイン』
グランツプロデュース&横浜桜座公演 『風はまだ青く吹いてるか』『ならはのうた』
風姿花伝プロデュース『ハムレット』
花組芝居『レッド・コメディ~赤姫祀り~』
スーパー歌舞伎『もののけ姫』
青⭐︎組『パール食堂のマリア』
X-QUEST『金と銀の鬼ーENDLESS CANONー』
ゆうめい音楽劇『あわせて』
Mrs.fictions『15 minutes made』

という9本の舞台に足を運ぶ予定です。

観劇以外にマダミス『Invisible-亡霊列車-』への参加も予定しています。



気がつけば今年もどうやら約半分が過ぎて、後半に突入したとのこと。

上半期に観た62本のうち、印象的だった舞台をいくつか挙げておきます。

2月 オペラシアターこんにゃく座『歌え!比羅夫丸』 

2月 ホエイ『メヤグダ』

3月 あるいはエナメルの目をもつ乙女 『墓場、女子高生』
3月 吉住モータース『欲望という名の電車』
3月 サルメカンパニー『水の間の子供たち』

4月 iaku『粛々と運針』

4月 シーエイティプロデュース『ナルキッソスの怒り』

2月4月5月 ムケイチョウコク『記憶の質屋ーほの灯り堂』

5月 わらび座『黒紙の魔術師と白銀の龍』

5月 扉座『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』

6月 柿喰う客『真ッ逆様』


ちょっと多めですが、記録として。

たくさんの素敵な舞台に出逢えて幸せです。





最近食べた美味しいものたち。



ジャン=ポール・エヴァンにて、濃厚で満足度の高い組み合わせ。




シウマイ弁当。シウマイだけでなくひとつ一つのおかずがちゃんと美味しいのです。




スタバの桃のやつ。店員さん曰く「みなさん、桃好きですよねー」。




さて突然ですが、今月のかに座の運勢を見たらとにかく行動的にバリバリ過ごすのが吉とありました。


暑さに負けず元気にバリバリと過ごすことができますように。

(……まあ無理のない範囲で)


皆様もどうぞ御無理のないよう、お互い無事にこの季節を乗り越えられますように。

6月になりました。


いや夏?夏なの?

まだ梅雨も来ないというのに真夏日とかいったいどういうつもりなの?


夏支度もできてないので、もうちょいお手柔らかにお願いしたいものです。



さて5月は、


・ムケイチョウコク『記憶の質屋 ほの灯り堂』昼の物語(神楽坂周辺)

・ムケイチョウコク『記憶の質屋 ほの灯り堂』夜の物語(神楽坂周辺)

・あやめ十八番×吉祥寺ファミリーシアター 『らくよう、くよう、おにんぎょう』(吉祥寺シアターけいこ場)

・わらび座『黒紙の魔術師と白銀の龍』(わらび劇場)
・わらび座『This is Akita!』(温泉ゆぽぽ祭りの国)
・わらび座『新解釈・人魚姫伝説』あきた芸術村小劇場)
・ESPACT 『D/O/G』(BUoY cafe)
・イマーシブポケット『故人探偵 File1 親友より初恋の人へ』(都内某所)
・セルリアンタワー能楽堂『能に親しむー観世流』(セルリアンタワーホテル能楽堂)
・扉座『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』Bチーム(厚木市立文化会館小ホール)

・わらび座イーハトーブシアター『真昼の星めぐり the musical』(神奈川県立青少年センター紅葉ホール)
・エトエ『エトエのふれあい祭りvol.5大』(武蔵野芸能劇場)×2回
・ジャン・レノ ソロパフォーマンス『らくだ』(東京芸術劇場シアターウエスト)
・扉座『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』Aチーム、Bチーム、Cチーム各1回(座・高円寺1)
・忍翔『Singprov Musical』(Cafe & Diner Offza)
・演劇ごはん『ヘンボッケ』(Green Green Korean Dining)


という19本。


当初の予定が17本で久々に多いなと思っていたら、そこからまた増えてコロナ禍以降ではたぶん最多(当社比)となりました。


なるほど忙しいわけです。平日フルタイムの勤め人で、土日ごとに観劇で都内へ出てしまうと家の中のエントロピーは増大しっぱなしです。


とはいえ、推し団体であるMrs.fictionsやあやめ十八番、お馴染みのわらび座や扉座、近年大ハマりしているムケイチョウコク、その他イマーシブやらミュージカルやら能舞台やらインプロやら、内容も多彩で実り大き1ヶ月でした。


観た本数も多めでしたが、終演後などに写真の撮れる舞台も多かった気がします。


その中から何枚か。



ムケイチョウコク『記憶の質屋 ほの灯り堂』昼の物語。素敵な表情をありがとうございます。



同じくムケイチョウコク『記憶の質屋 ほの灯り堂』のこちらは夜の物語。


ちょっとピントは甘いですが、お三方の雰囲気がとても好きな写真です。



わらび座『新解釈・人魚姫伝説』の千秋楽。


こんな少人数で描くには壮大過ぎるほどの戦争と平和と愛の物語でした。



ESPACT 『D/O/G』、奇妙な世界に迷い込んだ印象の美術も印象的でした。



わらび座『真昼の星めぐり』のあおいとドラネコ。

客席もボーダーレスの素敵な舞台でした。



扉座『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』の千秋楽前夜終演後イベントラクイブナイト。
山中崇史さんの司会で、今回も大盛り上がりでした。



同じく扉座ラクイブナイト中の様子。皆様お疲れとは思いますが、楽しんでらっしゃる感じが見ていて楽しいです。



シンプロミュージカルの一場面。偶発性の高いコンテンツなので、同じ場面は2度と見られないはず。



同じくシンプロミュージカル。即興で物語を綴りつつ、歌ったり踊ったりする不思議な舞台です。



演劇ごはん『ヘンボッケ』。手の届く距離での熱演はホント贅沢でした。



『ヘンボッケ』吉田天音さん。『悠遠のNight wedding』でご一緒したときの役名で呼んでくださったのがとてもエモかったです。



そして6月。


柿喰う客『サバンナの掟』
柿喰う客『真ッ逆様』
Miproduce 『POSTHUMOUS』
ケチャドバ! 『since1991』


あれ?これだけ?

マーダーミステリーや習い事のおさらい会とその稽古などもあって、観劇予定は少なめです。


うまくいけば少し増やしたい気持ちもありますが、ここから多少増えたとしても6月はさほど大忙しにはならない予定です。


『サバンナの掟』は過去に2度ほど拝見していて、ごく正直にいえば個人的なトリガーとなるような題材が含まれているため今回は観ないつもりでいたのですが、なにしろキャストが凄くて、ついつい予約してしまいました。うわ、覚悟していけば大丈夫かな?



7月8月は、本数はともかく観たいもののタイミングが重なったりして観劇パズル(お芝居を効率よくなるべくたくさん拝見できるようスケジュールに組み込むこと)が難しくなりそうです。


そしてなんとなく9月ごろがまた忙しくなりそうなんだよなー。いやわかりませんけど。



何はともあれ、真夏のような暑さとか台風とか梅雨とかに負けず、今月もこの生きにくい世の中をなんとか無事に生き延びていきましょう。


そして、貴方にも私にも楽しいことがたくさんありますように。

令和8年5月5日(火・祝)13:45〜、わらび劇場にて。

原作/鳥美山貴子(『黒紙の魔術師と白銀の龍』講談社)
脚本/高橋亜子
演出/栗城 宏
作曲/八幡 茂
振付/新海絵理子
美術/宮本博司
人形美術・操演指導/沢 則行
映像/ムーチョ村松(トーキョースタイル)
照明/三重野美由紀
音響/福地達朗
衣裳/武田園子
小道具/平野 忍
ヘアメイク/馮 啓孝
舞台監督/福田桜子
絵(宣伝イラスト)/いとうあつき

キャスト/
悠馬:遠田 雅
啓図:瀬川 舞巴
白圭・黒トカゲ・巨大な黒い鳥:三重野 葵
うつしみ(カニ)・琴音:久保田 美宥
白銀の龍・大友由左衛門:鈴木 裕樹
皇輝・キク:村中 琉奈
智哉:西田 煌志
九是:渡辺 哲
タケ:丸山 有子
農民・フィギュア操作:織田 真奈帆、岸 美帆、東海林 英恵(※7/12まで研究生舞台実習)

ものがたり/
折り紙教室の九是先生が行方不明になった-!
クラスメイトの啓図に聞かされ、悠馬は焦っていた。
黒爪山でつかまえた黒とかげが原因かもしれないと思ったからだ。
生きていたはずの黒トカゲは、折り紙になり、部屋でまた動き出し・・・怖くなって先生に預けたのだ。二人は先生を探すため、山頂の岩屋へ続く禁則地に足を踏み入れる。
そこに現れたのは、少女うつしみの魂を宿すと話す、折り紙のカニだった。
うつしみにより明かされる、黒爪山に秘められた過去の真実。
古よりこの地に眠る白銀の龍と、この地を呪う一人の男・白圭の存在。
黒い鳥の呪いが町に迫る時、二人の少年が起こす奇跡とはー?
(公式サイトより)



作品の正式なタイトルは、


フィギュアシアター『黒紙の魔術師と白銀の龍』the Musical


とのこと。


秋田県出身・在住の鳥見山貴子さんがお書きになった児童文学を劇団わらび座が舞台化した、わらび劇場の今年度の新作である。


この小説を舞台化する、という選択。そこに登場する動く折り紙たちを人形で表現しようというアイディア。物語と手法の両輪が揃って、初めて表現できるものがあるのだ、と初日の公演を拝見して感じた。


まだ開幕したばかりのロングラン公演なので、感想を書くにあたってこれからご覧になる方の興味を削ぐような書き方はしないつもりだが、ある程度のネタバレは含まれるので、まっさらな状態で観劇されたい方はご注意ください。


     ※     ※     ※


物語は少年たちの夏から始まる。


夏休みにはまだ少しある暑い日に、山へクワガタを捕りに行く中学生たち。



左は、主人公 悠馬を演じる遠田雅さん。


昨年度に続いて、わらび劇場公演の主演を務める。いまどきの少年らしい軽やかさとナイーブさ、多少の鬱屈もありつつごく普通に暮らしていた彼が、あるものと山で出会うところから物語が始まる。


中央は、悠馬のクラスメイト 啓図を演じる瀬川舞巴さん。


周囲から孤立しても、好きなことにまっすぐでいようとする少年。彼の大切な居場所である折り紙教室の九是先生が姿を消したとき、彼もまた新たな一歩を踏み出すことになる。


右は久保田美宥さん。うつしみという名のカニ(?)を演じる。


彼女の衣装や姿を見ていただくとおわかりになるだろう。現代の中学生たちとは異なる時代に生きた人物だ。


ストーリーは悠馬たちの暮らす現代とうつしみの生きた過去との2つの時代にまたがって語られていく。


うつしみや彼女に深い関わりのある白圭という男の身に起きた出来事が、悠馬たちの暮らす現代に影響を与えてくることになる。


過去の悲劇に端を発した禍々しい力と、少年たちはどう立ち向かうのか。



悠馬の同級生でわんぱくな皇輝と白圭の妻 キクを演じる村中琉奈さん。


一見ガキ大将めいた言動の少年だが、そういう彼が過去の出来事を気にしていたりするなど、ステレオタイプでない繊細な人物の描き方もこの作品の見どころかもしれない。


過去の場面で演じるキクの温かい誠実な人柄と、異なる2つの役をそれぞれ丁寧に演じてらっしゃる印象だった。



左は悠馬のクラスメイト 智哉と大友由左衛門の家臣を演じる西田煌志さん。昨年の舞台実習を経て、晴れての初舞台だ。


初々しいと感じてしまうのは、初舞台だと知っているからかもしれない。少年が勇気を振り絞る台詞の真摯さが印象的だった。


右は、啓図の通う折り紙教室の九是先生を演じる渡辺哲さん。


包容力のある優しい人柄を感じさせる演技に安定感を感じさせる。またパペットの操作などでも活躍されていた。


写真が撮れなかったのだけれど、タケと近藤さんを演じる丸山有子さん。


うつしみの育ての親であるタケと折り紙教室の生徒 近藤さん。それぞれに優しく頼もしい雰囲気が印象に残る。




フィギュアを操作したり、農民を演じたりされている、織田 真奈帆さん、岸 美帆さん、東海林 英恵さん。


わらび座研究所の研究生で、舞台実習として7月12日までこの公演に参加されているとのこと。


慣れないこと難しいこともたくさんあるだろうと思うが、約2ヶ月のあいだ元気に作品を支えてくださいますように。



鈴木裕樹さん。

このビジュアルは啓図と同じ折り紙教室に通う屋敷さんのときのもの。優しいお兄さんという印象だ。

けれど劇中では他にも印象の異なる役を演じる。

大友由左衛門、過去の悲劇の元凶となる人物だ。

鈴木さんがこういう冷酷なキャラクターを演じるのを拝見するのは初めてのような気がする。

一方で、白銀の龍(フィギュア)の操作と声を担当して、人ならざるものの神々しさを表現する。

看板役者のひとりだが、主演舞台では拝見できないタイプの役柄をこうして観ることができて眼福だった。



紙漉き職人の白圭を演じる三重野葵さん。


残酷な運命(というか、大友由左衛門の理不尽な施政)に翻弄される人物だ。悲しみや絶望など強い感情を抱える役柄がニンにあって、ハマり役といえるだろう。


そんな白圭の妄執が呪いとなり、悠馬たちの生きる現在までこの地に留まる。恐ろしい力で人間を操り、紙を折り続けさせ、生み出された黒い鳥の大群が人々を脅かす。


……けれど、その妄執は復讐や憎しみに向かうものではなかった。大切な人を守るために、命じられた仕事を続けようとしているだけなのだ。


その胸のうちを思うと切ない。


他に、黒トカゲと黒い鳥のパペット操作も行う。


単に操作するというのでなく、演技と地続きの動きが美しい。これは他の方の操作するパペットについても同様に感じられた。



劇中に「好きなことにまっすぐで、何が悪いんだよ!」という台詞がある。


少年たちの何人かは、周囲の反応が気になって自分が本当に好きなことを好きと言えずにいる。周りに笑われたり、馬鹿にされたりした経験が彼らを臆病にする。


……あれ?


そういう若者について、他のわらび座作品でも描かれていたのを思い出す。


近年のわらび座の作品、例えば今年度もツアーを予定している『真昼の星めぐり』に登場する女子高生のめぐる。


生き物が好きなのに、それを家族から馬鹿にされ、学校でも周囲のノリに合わせるだけで、好きなことを好きと言ったり、イヤなことをイヤと言ったりできないでいる。


あるいは『青春するべ!』のけやき。自分の好きなことを笑われた経験から「普通」であることに執着し自分を隠そうとしている。


自分らしく生きることが難しい時代なのだろうか。わらび座の表現してきたさまざまな「生きる力」。いま、生きるために必要なのは、自分らしく生きる勇気なのだろうか。


作品ごとに脚本家や演出家が異なっているにも関わらず、その時期ごとに団体の作品に共通するテーマが現れてくるのは意図されたものなのかもしれない。


たとえば東日本大震災のあと、しばらくの間わらび座はたくさんの作品を通して「鎮魂と再生」を描いてきた。


大きな災害でたくさんの人が大切な人や故郷や心安らぐ暮らしを奪われたばかりだった頃のことだ。


津波にさらわれた姉を探して浜辺を彷徨い続ける少年。


降る雪を天国からの手紙だと手を差し伸べる少女。


妻を亡くし、死場所を求めて山へ分け入る男。


亡き母のために自らの手で真っ白な花火を上げたいと願う少女。


失われた人の魂の平穏を祈り、残された人々がもがきながらも生き続けることを願う、そういうたくさんの作品たちが生み出されてきた。


そしていま、わらび座が描こうとしているのは、当たり前の暮らしの中での生きにくさ、そして自分らしく生きるための勇気、なのかもしれない。


白圭やうつしみは、権力や時代に翻弄されて自分らしく生きることができなかった。


けれど、いま私たちを「自分」から遠ざけるのはそういう強大な何かばかりではない。周囲の目線、空気を読むこと、対立を避け、本音を隠し、表面だけの付き合いばかりが増えていく。そんなこともあるのではないか。


悠馬がクラスメイトに助けを求める場面がある。本音を口にし、自分たちの事情を話し、やらなくてはならないことを手伝って欲しいと頼む。


それを聞いてクラスメイトの何人かが、人に言えずにいた自分の大切なことについて打ち明ける。


勇気は勇気を呼ぶ……のかもしれない。


(カーテンコールでは撮影可ものこと)


初日を観た帰り道、原作を購入して読み始めた。

紙の本で購入したかったが、待ちきれなくてオンラインでの購入となった。


小説と舞台で異なる部分ももちろんある。それでも、この小説の大切な部分はきちんと、あるいはより明確に舞台で表現されているという気がした。


物語を生かすキャスト陣のパフォーマンス。不思議な生き物(折り紙)たちを具現化させたフィギュアシアターの技法と魅力。人形たちをあやつるキャスト陣の手腕と物語を補完する映像のポテンシャル。美しい美術や多彩な小道具。印象的な衣装、照明、音響、どの部門を見ても気迫を感じる。


遠方ゆえ、すぐにというわけにはなかなかいかないけれど、またこの舞台を観に行ける日が待ち遠しい。