お母さんの期待たっぷりの
お弁当を
食べてみる! と言った彼
本来なら職員食堂で
食べて欲しいところですが
人が大勢いるところに
入るのが、まずムリ・・・
それに
わたしも、そこまで
オニじゃないので
小さい部屋を特別に
ひとりで貸切にして
挑戦してみることに
だいたい1時間後に
声をかけますね と伝えて
わたしは部屋を出ました
1時間より、少し経ってから
どうですか? と声をかけて部屋に入ると
少し減ったお弁当と
泣いている彼の姿
そうだよねー
そうなるよね
でも、少し食べたのは
一歩前進
いいじゃない
この頃、わたしが彼に
よくしていた質問は
今、どんな気分で
どうしたい?
部屋に入ってきた、わたしを見て
まだ、こちらは何も言っていないのに
自分がとても情けないです
もう少し
時間をもらえないでしょうか?
と、言ってきました
うーーん
たいしたもんだ
どんな気分で
どうしたいか を
ちゃんと自分から言ってきた
これが言えただけでも
もう充分だ
うん、もう充分
だから
がんばったのは
よく分かった
もう今日は
やめておきましょう
と、伝えると、彼の目から
ますます涙が出てきます
きっと
情けない思いと
時間を延長できなかった
悔しさ
と、同時に
ストップがかかったことへの
安心感
いろいろな感情が
ぐちゃぐちゃに混ざった涙
わたしから、
お母さんに電話しておくけど
自分でもがんばって説明してね
ありがとうは、伝えてね
よくがんばりました と
心の中で彼をよしよしして
送り出します
へつづく
カウンセリングの