外に出たくない。
外に出たくない。
それでも明日は精神科の通院日。
すれ違う人々から受ける否定の念の被害妄想
窓から監視されている監視恐怖
乗らなければならない電車の時刻
歩くスピード
院内での受診手続き
主治医への説明
会計手続き
次に来る電車の時刻
待っている時間
乗っている時間
帰り道
全てがプレッシャー。
あぁ、そうだ、薬も貰わなければ。
ミスは許されない。
僕が許さない。
緊張する。
逃げてしまいたい。
でも今の僕の仕事はこれ。
逃げられない。
あぁ、死にたいなぁ。
ノックアウト
夏バテにノックアウトされて寝たきりでした。
人間調子の悪い時は体調だろうが精神面だろうが幾らでも眠れるんだなぁと実感。
眠っていただけの為書く事も無いので書き下ろしでも。
あ。一つだけ。
精神面でどれだけ辛かろうとも、体調が悪いよりはマシだと実感しました。
『貴女に幸あれ』
貴女はいつも無表情で
虚ろな目で僕を見るの。
でも手だけは繋いだままで。
その温もりだけは確かなままで。
壊れた僕らの関係は
頁の抜けた絵本みたいに
誰にも何も理解されないけど
僕はそれでもよかったんだ。
昔みたいに
何時か貴女が笑ってくれるまで
ずっと一緒にいると誓ったから。
でも理解されない僕らは
大人達の手で引き離されようとしてる。
選ばなくちゃいけないんだ
永遠を誓うか
未来を掴むか。
貴女は無表情なままで
僕の手を微かに握る。
そして僕は選んだ。
貴女に永遠を誓う道を。
でも貴女はどうか未来を掴んで。
だから僕は貴女の手を離した。
ベランダの手すりに足を掛けた時
振り返った其処に居た貴女は
確かにそっと微笑んでいたんだ。
だから僕はもう何もいらなかった。
それだけで貴女に永遠を誓えた。
この星降る月夜の晩に
僕の小さな命をもって
貴女に永遠の幸あれ。
別れの言葉
繋いでいた手と手が離れた時
君は「サヨナラ」って言った。
その顔は夕陽の逆行で見えなかった。
僕は何も言えないまま
小さくなっていく君を見つめた。
手のひらに残っていた温もりが
少しずつ夜の温度に変わっていった。
君が見えなくなって
僕はとうとう独りになった。
行き交う人々は見も知らぬ他人で
立ち止まっている僕を怪訝な目で見ていた。
お別れの言葉も言えないまま
僕は君を失った。
悲しくない 苦しくもない
ただ心臓の奥に
真っ暗な穴が空いた気がした。
僕はその闇に吸い込まれていく。
今はまだ夜だから分かり辛いけど
きっと明日の朝になったら
この闇の暗さや
もう出会えない君の笑顔の大切さを
思い知るんだろうな。
せめて最後の言葉を言えたらよかった。
別れる時の表情が、笑顔であればよかった。
ねぇ、君はどんな顔で
僕にサヨナラと言ったの?
大切なもの
人間関係の構築なんて、労力と結末が伴わないから面倒なだけだった。
僕という命は僕だけでは存続させられないけれど、
僕という人格は僕一人の方が安寧に暮らせる。
だから何時でも一番大切なものは命を持たない“物“で。
おかげさまで僕の周りには人間が殆どいないけれど、僕はそれでよかった。
そんな僕に付き合う変わった人達もいて、孤独とも無縁だった。
僕の人生はろくなもんじゃないが、今は恵まれた環境にいると思う。
それでも絶対に人間を隣に置かないのは、この24年で学んだ怪我をしない方法で。
欠陥だらけの僕は人間を苛立たせ、家族にさえ早く死んでほしいと思われているから。
悲惨な過去も教訓と思えば記憶したままでいいと思える。
だからこそ僕の隣には物だけがあればいい。
大切な物にさえ手が届けば、安心していられるんだ。
「海より、月の下へ」
夏の海
暗い暗い夜の海
底無しの錯覚で
僕は静かに沈んでいく。
ただ一言
伝えたかった事があります。
貴女にだけ
ただ一言。
でもそれは伝えてはいけない決まりで
僕はそれを呑み込んで口を閉ざしました。
冷たい海に沈めば
この想いも 心も
永久に凍らせてしまえる
そうすればもう
誰にも僕の事なんか分からないでしょう?
きっとそのまま忘れてしまえる。
曖昧になっていく意識の中
貴女の笑顔を思い出した。
駄目だよ 忘れなきゃ
全部忘れて
全部手放して
そうしないと僕はずっと苦しいまま。
このまま沈んで
僕の姿が誰にも見えなくなって
貴女にも見えなくなって
昔話みたいに
綺麗なところだけ残ったらいいな。
そう思いながらゆっくりと浮上した先に見えたのは
細く尖った山吹の月。