その昔一度だけTMS賞を受賞した模型を直々に見せてもらったことがあります。
その作品がこれ。
TMS401号'81年5月号より
スクラッチビルドの国鉄1850形蒸気機関車です。
1980年、当時活動が盛んだった名古屋鉄道模型クラブが35周年を記念して主催し、
機芸出版社後援による「全国鉄道模型コンテスト」で
TMS賞を受賞したのがこの国鉄1850でした。
TMS誌には製作者の名前がＨ．Ｔさんとなってました。
結構珍しい苗字なので、あれっ？と何か引っかかるものが・・・
当時勤めていた工場の同じ課の先輩の苗字がＨさんだったので。
でも鉄道模型をやっているとか、鉄関係の話は一切聞いたことが無かったので
翌日恐る恐る聞いてみると、
平然と「そうだよ」と言う返事
そして受賞作品をうなかばのために持って来てくれました。
TMS395号'80年12月号より
「持っていいよ」と言われたのですが
恐れ多いし粗忽なうなかばなので触ることが出来ずにいたら、
機関車の細部にわたるまで見せてくれて
製作時の苦労話をいろいろ聞かせてもらいました。
作品を目の当たりにして感じたのは線の得も言われぬ柔らかさと深みのある塗装、
これは工芸品、それも上質な工芸品そのものじゃないかと。
そう言えば機関車に貼ってあったメーカーズプレートには「JALCO」の文字。
当時、明治時代の蒸気機関車をTMS誌に盛んに発表していたグループのメンバーでした。
Ｈ．Ｔさんはその後他部署に異動になり、うなかばも工場を離れまた転職もしたので
お会いする機会も無くなってしまいました。
今更ながらそんな人が身近にいたことは奇跡的でした。
もしかしたらあなたのすぐ隣に同趣味人がいるかもしれませんよ
そしてその時悟りました。
一生に一度は蒸気機関車のバラキットを組み立てたいと思ってましたが
自分の技量を考えたらやめたほうがいいと。
そういえばＨ．Ｔさん、やたらアルコールが強かったなあ
本日はHappy Railwayにご乗車ありがとうございましたぁ