新美南吉の詩 | 夢の遊び場

夢の遊び場

2019年から夢のシェア会をはじめました。
植物を観察することが好き。

今年の桜は早く咲いて終わりも早いとのこと。

明日は土曜日、お天気は雨予報だけれど

お花見に行けたらいいなと思っています。

 

 

さて、今年はもう過ぎてしまったけれど、

3月22日は児童文学作家の新美南吉の命日です。

南吉さんの作品は絵本の「ごんぎつね」や

「でんでんむしのかなしみ」などで知られています。

 

新美南吉記念館のHPを見て開催イベントを調べてみると

2023年に新美南吉は生誕110年を迎えるのですって。

一度は訪れてみたいなあと思いながら

サイトを眺めていたら、 詩「泉」B  の全文が公開されていました。

 

私はこの詩をはじめて読みました。

読んでみるとひとつひとつの言葉が私の心に響いてきました。

「泉 B」を以下に引用しますね。

 

この泉を汲んでくれ

これはさゝやかな泉だ

恰度茶わんに一ぱいほどの水だ

だが見てくれ

この水は淸冽で

ま新しいのだ

無限の青空󠄁が

そのはりつめた方寸のおもてに

くつきりうつってゐるではないか

しんと動かないが

耳を近󠄁づけてきいてくれ

その底にしんしんと

力のみなぎるつぶやきが

聞えるではないか

この泉は四方の大きい岩を

じみじみと永い日夜をかけて

絕えずしみとほつて來た水が

一切の汚辱を去り、

みぢんのにごりもとどめず

今朝󠄁ここに充ちたものだ

見てくれ、底の砂粒の一つ一つが

寶石のやうにきらきらしてゐる

塵一つ、枯葉の片一つ

沈んではゐない

もつと頰をその表面に近󠄁づけて

見てくれ

氷のやうな息吹が

泉からたちのぼる冷氣が

君の感覺をさしはしないか

さあ

この泉を汲んでくれ

もろ手を出してすくつてくれ

 

私は、とても透明感を感じる詩だなあと思いました。

しんしんと湧き上がる泉、

それは、誰の心の中にもある瑞々さを表している・・・。

 

今、本の再読をしている夢辞典の中の「泉」を引いてみると

シンボルとしてこんなことが書かれていました。

 

「生命の精神の美。気持ちが高揚し、活力が蘇る癒やしの力」

 

「泉」のもつ意味がすとんと腹におちました。

そして、なんだか力が湧いてくるような、そんな気持ちになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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