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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、昨日紹介した、児童精神科医のブルース・D・ペリー氏の著書『犬として育てられた少年』の中には、表題にもなっている、犬のように育てられた少年の話が載っています。
少年の母親は、15歳で彼を産むと、産後二カ月でこの世を去りました。
彼は、母親の死後、祖母に引き取られて育てられるのですが、この祖母も、彼が生後11カ月のときに亡くなりました。
身内のいなくなった少年は、その後、祖母の同棲相手であった60代の男性に育てられることになります。
この男性は、軽度の知的障害があったらしく、残念ながら、子どもを育てる方法をまったく知りませんでした。
そして、彼は、犬のブリーダーをしており、決して悪気があったのではないのですが、その知識を子育てに応用してしまったのです。
つまり、赤ちゃんを犬の檻の中に入れ、犬と一緒に育てたのです。
少年は、五年間を、犬の檻の中で過ごしました。
彼は、6歳のとき、重症の肺炎で入院することになるのですが、野良犬のように言うことを聞かない少年は、皮肉にも、簡易な檻の中に入れられたベビーベッドで治療を受けていたのです。
このとき、排せつ物や食べ物を投げつける彼を
「なんとかして欲しい」
と依頼されたのが、著者であるペリー氏です。
6歳の少年は、言葉を話すこともできず、スプーンやフォークを使って食べ物を食べることもできず、歩くことさえできませんでした。
ただ、犬のように座っては、鼻唄のようなうめき声をあげ、数分ごとに怒ったような金切り声をあげるだけでした。
彼の脳は、人間としての刺激を受けなかったために、小さいままでした。
しかし、その後、この少年は、ペリー氏の献身的な治療の結果、驚異的なスピードで回復していきました。
やがて、彼は、話すことも、歩くことも、道具を使って食事をすることも、歯を磨くことも覚えるようになり、『人間として』の機能を取り戻していったのです。
人は、努力をすれば変わることができます。
いいえ、人間の脳は、努力をすれば変えることができるのです。
この少年は、そのことを、私たちに教えてくれています。
【参考文献】
- 犬として育てられた少年 子どもの脳とトラウマ/紀伊國屋書店
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