「褒めて伸ばすは本当だった」というニュースの怖さ | 人生を変える『気づきの思考法』~アドラー心理学に学ぶ人生を成功に導く方法~

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さて、昨日に続いて、実験に関するニュースについて書きたいと思います。


それは、『“褒めて伸ばす”は本当だった』と題するもので、運動トレーニングを行った際に他人から褒められると、運動技能が高まることが証明されたというニュースです。


実験では、まず初めに、右利きの成人の男女48人に、30秒間のうちにできるだけ速く、順番通りにキーボードを打つといった、連続的な指の動かし方を覚えてもらいました。


そして、そのトレーニングの直後に48人を以下の三つのグループに分けました。


① 自分の技能が褒められたグループ

② 他人の技能が褒められるのを見たグループ

③ 自分の技能の成績グラフだけを見せられたグループ


翌日、覚えた技能を披露するテスト、つまり30秒間のうちにある順番で何回打てるかを試したところ、自分が褒められた①のグループの成績(回数)は20.0%伸びました。


②のグループと③のグループの成績の伸びはそれぞれ、14.4%、13.1%でした。


このことから、今回の実験を指導した自然科学研究機構 生理学研究所の定藤規弘教授は、次のように述べています。


「褒められることは、脳にとって金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬だ。この社会的報酬を得ることで、運動技能の取得がより上手に促されることを証明した。


“褒めて伸ばす”ことの科学的な妥当性を示すものであり、教育やリハビリテーションにおいて、より効果的“褒め”の方略につながる可能性がある。」


(この記事の詳細は、ナショナルジオグラフィックニュース をご参照ください。)


確かに、他人から褒められることが脳にとって金銭的報酬に匹敵するということは、今までにも言われていたことであり、脳画像などによっても明らかにされてきています。


しかし、今回の研究を通じて、“褒めて伸ばす”ことが科学的に証明されたかどうかには、少し疑問を感じます。


このニュースが独り歩きをすると、このことによって新たな悩みを抱かれる親が、恐らく増えることでしょう。


「ウチの子は、いくら褒めても伸びない」と。


褒めて伸ばすことの問題点は、大抵の場合、褒めることが最初は効果があっても、それを続けているうちに徐々にその効果が薄れていくところにあります


それは、多くの人たちが、他人から褒められていると、やがては、自分の能力を向上させるために努力するのではなく、他人に褒められたいがために努力するようになるからです


つまり、努力の目的が褒められることになってくるのです。


そのため、常に褒められることを求め、その褒め方もどんどんエスカレートさせていかなければならなくなるわけです。


そして、一度でも褒めなかったりすると、相手は途端にやる気を失ってしまいます。


褒める教育の問題点は、ここにあります。


もし、“褒めて伸ばす”ということを科学的に本当に証明したいのであれば、その持続性、つまり、一度褒めたことが相手の成績の伸びに対して、どれぐらいの持続した効果があるのか、また、褒め続ければ必ず効果があるのか、あるいは、褒めることを止めたときにはどのような影響が出るのか、などを調べないと意味がないと思うのです。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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