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心理コンサルタントのしらたきです。
さて、
「なぜ、人間には意識があるのか?」
「意識は、脳のどのような活動によって生み出されているのか?」
これらは、未だに解明されることのない意識の大いなる謎の部分です。
この意識に関して、時間という観点からアプローチをしたのは、神経生理学者のベンジャミン・リベットです。
彼は、実験によって、感覚器官における意識と無意識における時間の差を発見しました。
つまり、人間が外部からの感覚刺激を意識として知覚するためには、ある一定の時間(実験によれば約0.5秒以上)続いている必要があり、それ以下の時間の刺激だと無意識的にしか知覚することができません。
サブリミナル効果という、意識的には知覚されていないが、無意識的に知覚された刺激によって影響を受ける現象が起こるのは、この意識と無意識の刺激に対する時間の差によるものです。
外部からの刺激が、人の意識として知覚されるのにある一定の時間が必要な理由は、全ての刺激を常に意識的に知覚していたのでは、人間は、その情報量の多さにパニックに陥ってしまうからです。
そこで、ある一定の時間に満たない刺激は無意識的に処理することによって、情報の重要性を峻別していると考えられます。
刺激がある一定の時間以上続くということは、それだけ重要な情報の可能性が高いと思われるからです。
では、この、ある一定の時間以上続く刺激に対して意識的に知覚できることによって、人間はどのようなメリットを得ているのでしょうか?
神経科学者のV・S・ラマチャンドランは、
「人は、意識があるために行動を選択することができる」と述べています。
つまり、人は意識があるからこそ、ある刺激に対してどのような反応をするかを考え選択することができるのです。
現在では、人以外の生き物には、ものごとを自覚することができる意識という機能はないと言われています。
従って、他の生き物はある刺激に対して必ず決まった反応しかできないのです。
動物実験によって多くの成果が得られるのは、彼らに意識がないからです。
彼らは同じ刺激に対して必ず同じ反応をします。
それゆえ、さまざまな実験の結果が観察という客観的な方法によって得られるのです。
もし動物が刺激に対して、その都度違う反応をしたのでは、決して思うような結果が得られることはないでしょう。
これに対して、人間には意識があります。
意識があるからこそ、ある刺激に対して、その都度違う反応を選択することができるのです。
にも関わらず、多くの人たちが、この人間にしかない意識を有効に使おうとされていないのです。
未だに無意識的な反応に頼る生活をされているのです。
無意識な反応に頼るのであれば、動物で十分なのであり、人間として生まれ持ったせっかくの機能を使っていないことになります。
自分の行動を意識的に観察し、自己欺瞞に気づいて行動を変えていくことができる。
それができるのは人間だけなのです。
【参考文献】
- マインド・タイム 脳と意識の時間/ベンジャミン・リベット
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- 脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)/V.S. ラマチャンドラン
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