先日、とある雀荘にて某団体のプロ雀士の方と麻雀を打つ機会があった。
特にその方と打ちたいから行ったのではなく、しかも、大変失礼ながら、その方がプロ雀士だというのを事前に知らず、同卓して初めて知った。


様々な競技に、プロと呼ばれる方がいる。
プロ野球選手、プロサッカー選手、プロゴルファー・・


この、プロと呼ばれる方々は、その競技で高いパフォーマンスを発揮し、所属するチーム・団体から年俸を頂いたり、競技に参加して賞金を稼いだり、有名になる事でスポンサー企業との契約金を頂いたりと、様々な形で収入を得ている。
麻雀界でもMリーグの発足により、そういったプロとしての確立がより一層具現化し、麻雀好きとしてはとても楽しみな面がある。
実際に対局を観ていて、所々にプロらしい選択があり、とても楽しく観させて頂いている。


私の持論ではあるが、どんなプロであっても1つだけ共通している部分がある。
それは


如何にファンに感動を与え、ファンを魅了出来るか?


何故なら、例えば、もし野球が日本人の0.01%にすら知られておらず、しかも誰も興味すら持たず、何をやっているのか解らない様な競技だとしたらどうなるか?
当然、スポンサーが付く事はない。
スポンサーにとって何のメリットもないからだ。
という事は、選手はその競技で収入を得られないのである。


先日、某有名プロゴルファーが、ファンとの交流でコースを回っている際、ファンをそっちのけで練習をし、それに怒ったファンが途中で帰ってしまった、というニュースがあった。
賛否は様々あると思うが、私はこのプロがダメだと思う。


ファンを増やす=競技全体の認知・人気の底上げ=スポンサーがお金を出す=プロの収入


と考えれば、ファンを大切にし、感動を与えて魅了し、ファンを増やす事が真のプロであり、これこそが本来プロのすべき事。
ファンを惹き付けられないゴルファーは、プロゴルファーではなく、単にゴルフが上手いだけの人。
そんな人はゴロゴロいる。
如何にファンを惹き付けるか?が、プロとしての役割であり、その人のカリスマ性であり、自らのパフォーマンスを高める事はもちろん、様々な形でファンに感動を与える事が出来る人でなければプロとは呼べないのである。



話は戻って先日の雀荘での話。


オーラス ドラ=⑨
東家:29000点
南家:27800点←某プロ
西家:25400点←私
北家:17800点


ほぼアガリトップの某プロが5巡目、中考の末


1東南一 赤五リーチ


かなり早い先制リーチを打ってきた。
そのプロの6巡目~10巡目の河には


八八五赤5白・・・・


河底に八で流局。


北家以外の三人テンパイで終了したが、普通に倒した南家の手を見て驚愕した。


三五六七②③④⑦⑧⑨444


ん?
へ?
は?


リーチ選択時に五八や四が薄い根拠とか、五八四より三が山にいる確信があったのか・・
4にくっつけて多面聴にする等、そういう選択は巡目的に余裕がなかったのか・・
河からは読み取れなかったが。


最後に一言


『赤切ったから出やすいはずなんだよねぇ・・(苦笑)』


と言いながら残りの山を確認していた。




私は、麻雀プロって色々大変なんですね・・と言いながら、店を後にした。
麻雀は局面によって様々な選択肢がある。
それは本人が好きに選べば良い事だと思う。
しかし・・


ご本人の名誉の為に名は伏せるが、残念ながら色んな意味でプロ雀士を名乗らない方が良いと思う。
とうとう梅雨入りし、古傷が痛む季節となった昨日。


むちうち症というのは、なってみないと解らない。
以前、自動車運転中に後ろから追突され、その時の痛みが今だに首にある。
もう10年近く経つ。

特に梅雨時は酷い。
麻雀を打っていて時計を見ようと首を左に捻ろうものなら、左に向けた首が真っ正面に戻って来なくなる事があるのだ。
冗談でも大げさでもなく、しかも痛みと首回りの発熱があり、最悪の時期を過ごすことになる。

こんな状態でも当時、相手保険会社は、自賠査調査事務所が『回復の見込みあり』と判断したので後遺傷害保険金を支払えない、と回答してきた。
どういう見込みだったのか、もしくは、そもそも本当に調査事務所に書類を送ったのか、確かめたいと思える程の悩みの種である。


さて、昨日は久しぶりに四麻。
某フリー雀荘。
全く知らない店、というワケでもないが、かなり久しぶりに顔を出した店。
以前は仕事の都合で帰りにちょくちょく寄らせて頂いたが、恐らく私の事を覚えている方はもういまい。


『あー!!!◯◯さん!!ものすごくお久しぶりっす!!』


当時よく朝まで同卓したメンバーさんである。
予想に反し、いきなりこんな感じで迎えられるとビックリしてしまう。
・・と同時に少し嬉しい(笑)
早速、メンバーさん2人とお待ちの方(恐らく30代)と卓を立てる事に。


久しぶりの四麻。その手や如何に?


開局 西家 ドラ四


一五九①①②⑧19南西北白 ツモ中


中をツモる前から9種10牌のところ、いきなり10種11牌である(笑)
9種9牌で流せるルールはあるものの、ここは当然国士狙い。
まずは五をガリで・・と、東天紅のクセで右に抜こうとしてしまった(笑)
習慣というのは恐ろしい。
メンバーさんに『どうしたんですか?』と聞かれたので、東天紅の話をした。
メッチャ面白いですよー!と熱く語ってみたがが、あまり興味を持たれなかった様だ(笑)


まぁ、そんなこんなで私の手から打ち出される中張牌の嵐は、5巡目あたりで何をやってるのか意味不明になってしまった。
とにかく引けども引けども、ヤオチュウ牌を引けず、川に並んだ私の捨て牌は


五六54七赤五六3


普通に打った方が早そうだ(笑)


11巡目には、親に6000の3枚通しをツモられ、前途多難な幕開けである。


ところが東3局、親となった私にチャンスが回ってきた。


東3局 東家 ドラ三 5巡目


二三四五六七②③④2224赤5


さぁ、勝負どころ。
打2で即リーチ。


『リーチが入りました!がーしょ!』
『がんばっくっさいー!』


思わずニコッとしてしまった(笑)


まぁ、毎回声がけするメンバーさんも大変だ。
しかし、『がーしょ!』に『がんばっくっさいー!』は愛嬌があって実に面白い(笑)


私は『がーす!』と言ってツモ山に手を伸ばし、一発目に6をツモった。
裏を乗せて8000の3枚通し。
間髪入れず


『あまりがんばらないっくっさい!(笑)』


メンバーさんに諭された(笑)
先日、麻雀界の最重鎮、Mr.麻雀こと小島武夫先生が亡くなられた。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。


私にとっては受け入れがたい現実で、今でも信じられない。
明日にでもまた牌を握ってガハハと笑う楽しそうな姿を再び見せてくれるのではないか?と今でも感じてしまう。


ちなみに私の名前『Mr.小麻雀』は、もちろん本家の小島さんから勝手に拝借したもの。
世間の方々やご本人がどう思われてるか解らないので恐縮ですが、私が感じていた小島先生への印象は


『麻雀』を心底愛している方


である。


麻雀に対してストイックに取り組む方
麻雀を科学した方
何が有利で何が不利かを研究し続ける方
流れを研究し続ける方
ひたすら『勝ち』に拘る方
酒飲んでコミュニケーション取りながら楽しむ方


様々いらっしゃる中で、皆様も当然好きだから麻雀に触れているのだと思う。
しかし、『麻雀』というものを心底愛されたという意味では、恐らく小島先生の上を行く方はいないと思う。
打ち方がとか、考え方がとか、そんな細かい事ではない。
もちろん、それは大事だし、否定するつもりは毛頭ない。
むしろ、私は私なりに麻雀を捉え、独自に考えて最善打を打っているのだから、正解不正解は別にしても方向性は研究者に近いかもしれない。
ただ、『愛する』という意味で小島先生に少しでも近づきたいと思い、私はこの名前を拝借させて頂いた。


麻雀の話ではないが、私はこんな歌が好きだ。


この世をば
どりゃお暇に
線香の
煙とともに
灰左様なら


弥次さん喜多さんでお馴染みの、十返舎一九の辞世の句である。


楽しくて
面白くて
滑稽で


でも最後に寂が効いてて、日本人の美意識を感じさせられる魅力がある。


まさに、小島先生のごとし。


この世をお暇されたMr.麻雀。


はいさようなら。先生。