邪魔は、どこから生まれるのか? | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

「邪魔」という語は

広辞苑によれば

 

 ①仏道修行をさまたげる邪な悪魔。

 

 ②さまたげ。障害。

 

 ③他人の家を訪問すること。

 (お邪魔をする、という形で)

 

とあります。

 

「邪魔」は、仏教用語から来ている

といわれます。

 

煩悩と結びついた悪魔のことを指す

サンスクリット語のmāra(マーラ)という語が

漢訳され「魔(魔羅)」となり、

 

それは修行の進展を阻害する

「邪な」ものであるから

「邪魔」と呼ばれるようになったのです。

 

今日では、仏教とは関係なく

一般的に使う語ですね。

 

 この道を通るのに邪魔だ。

 

 騒音が邪魔で集中できない。

 

といったり、

 

 自分の目的の達成にはあの邪魔者を

 どうにかせねば。

 

などのように、善悪をはっきり分けて

争いの種になるような場面にも。

 

まさに、ロシアによる攻撃は

 

こういった論理で

自らが正当だと考える目的のために

邪魔者を排除しようという行動が

起こされているわけです。

 

もちろん、ここに至るまでには

他国の行動などが影響しているわけですが。

 

それはさておき

今一度、仏教に立ち返ってみると

 

仏教の考えでは

はじめから邪魔者がこの世界に

存在しているわけではありません

 

邪魔というのは

邪魔と考える自分自身

依存するものだと考えないといけません。

 

これが邪魔だ、

と考えるのは自分です。

 

思い通りになるものがあって

逆にそうならないものは邪魔だから

排除しようと考えるのも自分です。

 

お釈迦さまは「降魔成道」され

仏陀となられました。

 

もはや、仏陀にとっては

「邪魔」は存在しません。

 

邪魔のことを客観的に観察し

それによる苦しみを乗り越えているのです。

 

邪魔は耐え忍ぶものではなく、

自らが作り出す邪魔者と向き合う

 

つまり、自分の心と向き合うことが

大事なことだと思います。

 

そして、邪魔者がもう生まれてこないような

心をもつことができれば

お釈迦さまのような悟りの境地へと

近づいていけるのでしょう。

 

南無大師遍照金剛

 

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