三尊形式、脇侍 | 吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

吉祥院 ~茨城県石岡市(旧八郷町)で約900年続く真言宗豊山派のお寺ブログ(お坊さんのことば)~

茨城県石岡市にある真言宗豊山派の摩尼山吉祥院です。
ふるさと茨城路百八地蔵尊霊場第九十一番札所に指定されており、
開山約900年の歴史を持つ由緒ある寺です。
境内の四季折々の風情や仏教について、幅広い情報を発信するお寺ブログです。

お早うございます。

数々の寺院で御本尊様を参拝すると、
御本尊様の両隣にも仏様がいることが
多々あります。

実はこれは、
仏教彫刻や絵画のルールのようなもので、
中尊(信仰の中心となる仏様)を
補佐する意味で置かれています。

このような形式を、
三尊形式といいます。

そして、補佐する意味で置かれる仏様は
脇侍(わきじ)と呼ばれます。


この三尊形式、
中尊と脇侍の組み合わせは
ある程度決まっています。

例えば、釈迦如来の脇侍は、
文殊菩薩と普賢菩薩ですし、

阿弥陀如来の脇侍は
観音菩薩と勢至菩薩です。

また、薬師如来の脇侍は
日光菩薩と月光菩薩です。


しかし、時に
このルールから外れる場合があります。
(これが、上記で三尊形式は
「ある程度決まっている」と言った
理由です。)

例えば、奈良にある興福寺の釈迦如来は、
脇侍として
文殊菩薩と普賢菩薩ではなく
薬王菩薩と薬上菩薩を従えています。

おそらく、作者の思いや
歴史的背景、、、
様々な要因によって
脇侍を変えたのだと思います。

このような
歴史的背景の予感を感じながら
参拝するのも、
お寺巡りの醍醐味だったりします。