この腹いっぱいの愛を | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

かものはしの口遊〜くちずさみ〜

島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

わしが分会長を務めていた去年より始まった、隣町の美都との交流会。今年もまた開催となりました。
ということで、仕事が終わってから益田へ。
隣と言ってもなかなか交流の無い両職場。去年は来られる人だけ参加だったが、今年は全員強制参加。何だか嫌な予感がしていたんだが、駅に集合した時に美都の人間ではない人間が混じっている。おおぅ、組合の執行委員の面々ではないか。何かある、絶対何かあるぞ!こいつらが来て何も無いはずがない。

皆が集まったところで送迎バスでホテルへ。おやおや?宴会場はそっちじゃないですよ。今から飲み会のはずなのに何で会議室に行くとですか?
「それでは今から1時間ほど、執行委員よりお話があります」
やっぱりだ!嫌な予感がしたと思ったらやっぱりだ!わしらに「食わせてやる」と呼んでおいて餌で釣ってまたくだらん話を聞かせる気だ。汚ねぇ、騙し討ちである。組合員への裏切りである。本当に大和魂を持った日本人なのか??執行委員だからって何でも好き勝手やってると強制捜査が入って幹部が事情聴取されるんだぞ!!

仕方が無いので1時間ほど拘束されたが、プリントが配られただけで茶すら出ない。もう7時には食えるかと思ってやってきたというのに腹ばかり減るではないか。食事をオアズケくらっておいて話なんぞまともに聞けるかっ!一時間のうちの半分くらいは鳴く腹の音をどうやって鎮めるかで必死だった。

会議が紛糾して結局8時半に食事が始まった。バイキングだった。やるのぉ分会長。
1時間半もオアズケを食らったわしを含めた皆さん、目を輝かせて中央の様々な料理が並ぶテーブルに意識が向いておった。羊の群れの狼ではなく、あのテーブルは狼の中の羊状態である。
食事の前にも執行委員が立ち上がって何か挨拶をしとったようだが、食事に気が向いてる状態では騒音みたいなもんだった。
執行委員の長い挨拶が終わると一斉にいざ出陣。総勢40名が一斉にテーブルに襲い掛かった。他にも客がおったがさぞビックリされた事だろうが、そんな気配りが出来る状態ではない。恨むならわざわざ浜田から来られた執行委員殿を恨んでおくれ。

2時間の戦いが始まった。いきなり皿いっぱいに取ってきたと思うと、40名いるとは思えないほど静かな時間が過ぎた。1時間半も飢えておったのだ、食べる事に必死で話すらしてないようだ。傍目にもきっとかなり怖い風景だったろう。
それから話をしだす者、テーブルを往復するもの(わし含む)、ひたすら飲みまくる者とそれぞれに盛り上がった。最初からケーキばかり持ってきとる人間もおったが、バイキングだからと言って何でも許されるもんではない。ケーキを積んで「ウェディングケーキ」とか作るなんてもってのほか

前・分会長の立場が災いして、執行委員軍団がわしのテーブルにやってきて取り囲まれて、色々と最近の職場の状況や今後の組合の情勢などを話し合った。話をしながら周囲の人が持って来た料理でおいしそうなもののチェックだけは欠かさなかった。組合のお偉いさんと話しておったがやっぱうちの局長はかなりの問題児のようだ。支部長曰く「支部内でトップ2に入る」らしい。もう1人は分かってるだけで処分を二度食らってる問題児である。うちの局長はもうそのレベルなんか。
…まぁ、わしの分会長時代に局長の悪行三昧を散々上申したのが効いておるのかもしれんが。(それで分会長を辞めたんだしのぉ)

出だしのハイペースが利いたのか、一時間くらいしてくるとテーブルに行く人間が減ってきた。バイキングの正しい食べ方を知らんのぉ、みんな。
わしの隣の美都のおっちゃんがすごく人が良くて色々話をしとったんだが、うちの職場の話になり、紅一点の20歳の女の子の話になるとおもむろに携帯を取り出し何かを見始めた。何をしとるんだ?と思ってしばらく待ってると、磯山さやかのグラビア写真を見せて「似てるよねぇ」とか言い出した。何だ?何でこんなもん持ってんだ、このオッサン。何でこんな画像を携帯に保存してんだよ。いい人かと思ったらやっぱりただのオヤジじゃないか!
「いや、髪形が似てるだけでしょう」とさりげなく否定したんだが、どうも自分の事を話されてると察したか、その女の子が気付いてこっちを睨んでおった。違う、違うんだ。わしは関係ないぞ!!

2時間の格闘が終わった。さすがにわしも最後は腹いっぱいで身動きが取れんかった。食いすぎ。最後に食ったプリンがいつ戻ってくるかと思った。
最後に万歳三唱をしたが、他に客がいるんだから正直勘弁して欲しかった…。

駅前に戻ってみんな二次会に行ったが、わしは後輩の家に転がり込んで二次会した。
酒飲んでたし眠かったから何話したか覚えて無い。まぁ、大した事は話してないだろう。為にもならないくだらん事を話すプロだからのぉ、わしは。