同乗するなら金をくれ | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

かものはしの口遊〜くちずさみ〜

島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

昼休みに外回りから職場に戻ったら、「ご自由にお遊び下さい」と言わんばかりにわしの机にマフラーが置かれていた。
これはわしへの挑戦状である。わしの芸人魂が試されている。期待されている。これを放ってのんびり昼飯など食ってる場合ではないと、一緒に戻った後輩と共にそのマフラーを保護。誰のマフラーかはよく知っていたが、わしのテリトリーに置かれた以上は所有者が取りに来るまでは大切に保護する義務がある。
しかし、ただ保護するだけではツマランので一緒に遊んであげるというサービスつきで。

さっそく後輩の首にかける。今回のお題は「中尾巻き」。中尾彬が首に巻いているアレである。
とりあえず首にかけたマフラーをクネクネとネジってみた。大体こんな感じだと思うと、テレビで見た記憶を思い出しながら適当にやってみる。が、これがなかなか上手くいかん。クネクネと捻るのはいいがすぐに元に戻ってしまう。クネクネのまま固定されない。
それもそうだと、今度は首の根元で結び目を作ってそう簡単に解けないようにする。が、結び目の下をいくら頑強に捻ってもすぐに解けてしまう。フカフカすぎるんじゃ、このマフラー。ただグネグネしてるだけかと思ってたのに、なかなかやるのぉ中尾巻き。

そんな感じで悪戦苦闘していた所、後輩の女の子が同じく昼休みに入ったらしく休憩室へやってきて、その仲睦まじく中尾巻き作りに励んでる光景を見て笑顔で

「何やってるんですか?」

…ヤバい、目が笑ってない。たぶん彼女のだろうと思っていたけど、やっぱり彼女のだった。
首に巻いてた後輩が主犯だと思ったんだろう。それはそれは美しいひざ蹴りがボディーに決まった。悶絶する後輩を尻目に「先輩も止めてくださいよ」と叱られた。うむ、明らかに主犯は後輩だと思ってるのぉ。日頃の行いは大きいのぉ。

まぁ、その後は彼女も含めて中尾巻き研究に励んだんだが。
ありゃ針金か何かが無いと出来ないという結論になった。さすがは中尾彬。