チョットイイデスカ? | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

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島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

蒸し暑い中、健気に仕事をこなすかものはし。
熱射病で亡くなる方が続出する今夏。
千葉大臣の手を借りるまでも無く、次はわしの番に違いないのぉ。



 



そんな暑さにやられながら仕事をしておったところ、自転車に乗った外国人3人組が地図を片手に何やら迷っておるではないか。
一生懸命に地図を見ておったが、歩道の日本人に話しかける事もなく、自力で何とかしようとしておった。
3人寄れば文殊の知恵とはよく言ったものです。
外国人でも文殊の知恵は適応されるかのぉ。



 



「チョットイイデスカ?」



 



どうやら、文殊の知恵ではどうにもならんかったので、聞くことにしたようだ。
しかし、これだけ日本人が歩いておるのに、どうしてわしだったのでしょう。
「名倉の隣の国の人」と、以前に言われたかものはし。
なるほど、わしならば片言の日本語でも通用すると思ったか
しかし残念、こう見えてもわしはれっきとした日本人である。
日本で発生し、繁殖し、成長した日本人オブ日本人である。
(※表現がおかしいのは本人の頭の問題です。国籍の問題ではありません)



ここは日本人らしいところを見せねばならん。
片言の日本語は、それほど覚えていないと見える外国人のお兄さん。
地図を広げて、あとは英語でわしに話かけてきたではないか。
なるほど、わしの祖国は英語圏だと踏んでおるわけじゃな。
しかし、ここで中途半端に英語など喋ろうものなら、彼は今後ずっと英語で乗り切ろうとするであろう。
はるばる日本に来たのである。
やはり日本で本場の日本語を覚えて帰ってこそ、彼の後学の為になるのではなかろうか。
ということで、ここは心を鬼にして、日本語で説明するかものはし。
決して、英語が話せない訳ではありません。
「I don't know」から「I can't speak english」までペラペラである。
しかし、わしの卓抜の英語力を封印してまで日本語で説明。
すると諦めたように、彼も英語混じりの片言の日本語で話してきたではないか。
これから日本で旅をするには、その姿勢を覚えて欲しかったのである。
さすがわしの一番弟子じゃ。



どうやら、地図に乗ってたライダーハウスへ行きたかったらしい。
なるほど、すでに通り過ぎておるのぉ。
一生懸命、片言の日本語で話す外国人のお兄さん。
そして一生懸命、片言の日本語で説明するかものはし



 



…どうして、片言の日本語で話しかけられると、片言の日本語で返してしまうんかのぉ。



 



分かりやすい日本語を重ねて、身ぶり手ぶりを交えて説明をするかものはし。
しかし、わしの渾身のジェスチャーが見事に伝わったようである。
彼らも納得したように喜んで、自転車に乗ると颯爽とわしが指差した方向へ行ってしまいました。
うむ、人助けした後は気持ちがいいのぉ。
気持ちと気持ちが通じ合えば、言語ではなく心で通じるもんじゃのぉ…と感じた出来ごとでした。



あとは、彼らにはちゃんと、わしが日本人であることは伝わったのであろうかのぉ…。