缶コーヒーとかものはし | かものはしの口遊〜くちずさみ〜

かものはしの口遊〜くちずさみ〜

島根から札幌に来て18年目。相方、娘に猫(雌)も加わり、居場所が徐々に奪われていく様子を口遊みます

小雪が吹きすさんだ今日の札幌。
朝は暖かかったんだが、気付けば雨が雪になっておった。
そんな寒空の下を、宮の森ツタヤから歩いて帰ったかものはし。
昨日うっかりCDを借りて「一泊」などとケチったもんで、こんな寒空の下を歩いて帰るハメになってもうた。
札幌市内でまさかの雪中行軍
ここで遭難したら、誰か見つけてくれるだろうか。
人間関係が希薄な昨今、春先まで誰も通報してくれんかもしれんのぉ



そうなってからでは手遅れである。
自分の命は自分で守らねばならん…ということで、自販機でコーヒーを購入。
歩いて5分ほどの間、命をつなぐ貴重なコーヒー。
これで暖を取りながら生きて帰ってやろうではないか…



 



…暖を取りながら?



 



おかしい、どうしてこんなに冷たいんですか?このコーヒー。
ボタンを押してから取りだし口に落ちるまでの間に急速冷凍でもされたんかのぉ。
まさか、わしが「つめたい」を押す訳がありません。
ちょっとした自殺行為である。
冷たいコーヒーを抱えながら遭難しておっても、誰も同情してくれそうもありません。



そんな惨めな最期を遂げる訳にはいきません。
冷たいコーヒーを片手に意地で帰宅の途に。
しかも吹雪く中を、冷たいコーヒーを飲みながら歩くかものはし。
ここでコーヒーを買ったのに飲まなければ、まるで「つめたいコーヒーをうっかり買った人」みたいではないか。
わしがそんな事をするはずがないではないか。
取りだし口に落ちるまでに急速冷凍されたのである。
コーヒーを飲みつつ「温かいのぉ」という表情を意地で浮かべながら歩くかものはし。
すれ違う人もさぞ、わしの笑顔に仄かな幸せを感じてくれることでしょう。
間違っても、そろそろ遭難しそうな人とは思うまい



しかし、冷たいコーヒーを飲むのはそれほど問題ではなかった。
それ以上に問題だったのは、冷たいコーヒーを持つ右手。
左手には荷物を持っておった関係で、この寒空の下、手袋も嵌めずに素手で缶コーヒーを持って歩いておりました。
アッという間に感覚が無くなったわしの右手。
しかし、ここで左手に持ち替えては、両手とも感覚が無くなってしまいかねん。
ここは右手を犠牲にせねばならん。
既に飲み口を開けてしまっておるんで、今さらポケットにしまう訳にもいかんからのぉ。
どうして、冷たい段階でカバンにしまうという英断が出来なかったのだろう。
あまりの寒さに判断力が低下しておったのでしょう。
あわや遭難という状況下である。わしがどれだけ危機的状況だったか分かって頂けるでしょうか。



そして歩くこと5分、どうにか我が家へ到着。
あわや右手が凍傷というギリギリのところでどうにか命長らえる事が出来ました。
どうして冬の北海道で、野外で「つめたい」飲み物が売っておるのでしょう。
もはやとしか思えません。
わしのようなストイックなお客さんの競争心を無闇に煽るあたり、殺人未遂と受け取られかねない暴挙である。
しかし、それでも買うチャレンジャーもおるんでしょう。
冬なのにアイスがよく売れておるからのぉ。
やはり北海道は測り知れんのぉ。