金言-1038:私企業の人財採用の手口 | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

自分なりの経験ですが、外資で働いていた時に何人か秘書採用面接をしたことがあります。
外資ですから、英語でのコミュニケーションスキルが第一優先で査定されます。
業務履歴書を読んでも実力はわかりません。
そこで、欧米の取引先や同僚の名刺を渡して、目の前で電話をかけさせてアポを取ってもらうテストをしました。即戦力の秘書の募集ですから、このテストは現実的です。電話口の相手は、日頃貸し借りのある仲間ですから、応募者のスキルについて感想も聞くことができました。もう一つのテストは、同僚の欧米人が書いた直筆のメモが読めるかどうかのテストです。彼らの書く字が読めないと仕事になりませんから。

ところが、誰かの有力者の紹介があると面接は形式的なものに変わります。
応募者は、誰にダイレクトレポートする仕事かと面接係に聞いてきます。
経営陣が採用を認めているので、人事責任者は受け入れ準備を面接前に進めています。

最近、文春オンラインで話題を提供しているような例、下請けでのインターンを元請け本社でのインターンと虚偽の記載をする応募者は、いつの時代にもいます。
クライアントのVIPの紹介とか採用部署のボスの意向とか、または、事務担レベルの低額年収の従業員なら、業務履歴書の詳細の裏取りはしません。それに採用した後に、虚偽の履歴が発覚したり、そのために会社の信頼性に影響を及ぼすと判断されたりすれば、会社は損害賠償を上乗せして解雇します。
品行方正な社員と、胡散臭い母親がいてもロイヤルファミリーの後ろ盾をもつ社員と、どちらが直近の会社の利益に貢献するかを経営者は秤にかける違いありません。
もちろん、胡散臭い会社にとって品行方正な従業員は邪魔くさいはずです。