エブリデイロープライスは通用しない | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

米ウォルマートが西友売却の報道後、ウォルマートは売却する決定はしていないと発表しました。今までの売却案件では、メディアが報道すると、当事者はまず否定します。今回もメディアは売却する方針を固めたと報道し、ウォルマートは決定はしていないとコメント。売却方針を固めたかどうかについては触れません。私企業は、意思決定の経過説明や事実をメディアに公表する必要はありません。不祥事の謝罪会見や株主総会とは違います。そもそも、商いのプロが手のうちを明かすわけがありません。

ウォルマートの傘下になった西武のスーパーの品ぞろえは、それまでの我が国の消費者心理を軽視したかもしれません。米国の商人にとって、日本はアジアの小国ですし、ベトナム・フィリピン・インドネシア・台湾などでは通用するエブリデイロープライスが通用しない、お値段以上の品質にこだわる消費者心理が壁になりました。ユニクロ、ニトリしかり、ちょっとちがうかもしれないイケアも低価格に品質を上乗せしています。米国やレッドチャイナは、1ドルの商品は1ドルなりの原価でつくり、品質はそれなりです。カネで買えない価値をおまけにつけるコストは設定していません。そしてこの手口で先の戦争以来勝ち続けてきました。

 

米国商人は、また、ベトコンに負けたわけではありません。ローマではローマ人がするようにするという伝統時な商いの壁を崩せなかっただけです。