スピンオフ | 団塊世代の"愚考にため息"

団塊世代の"愚考にため息"

ふと思い出す過去の出来事と後悔。次々と、浮かんでは消えていく愚考を書きとめていけば、いつかはネタ切れになるはず。きっとその後は、良き日々の思い出だけが浮かんでくるにちがいない。

昔、二人組のお笑い芸人が自分たちの低学歴をキャッチフレーズにしてデビューし、今や安定したポジションを確保しています。でも後に続く者はなく、この業界で京大・東大といった超高学歴な新人が売れ始めると一流私立大卒は、普通の学歴になりました。

商売の業界でも、ITバブルの頃はハイスクール卒の起業家が一世風靡したり、株式公開を目前にした企業が「学歴・年齢・性別」の壁を取り除いたりして投資家受けを狙いました。

当時は、団塊の世代が企業内で年長組となり、年功序列の風土で我慢してきてようやく順番がまわってきたというタイミングでした。このようなときに、IPOがブームになり、年功序列から成果主義や若手登用という年長者にとっては逆風が吹き始めました。

そのとき、タナボタを期待して続けてきた我慢をやめようと決めた人たちは、スピンオフしました。脱サラという言葉が適切な表現ではなくなるような積極的な動きが生まれました。

起業した大企業出身者の多くは、目前まで迫っていた災いから、なんとなく逃れることができたような安堵感や達成感を味わったのではないでしょうか。

吉野輝一郎