「バックシャン」をウェブサイトで検索すると、
「後姿美人。実際には後姿だけが美しく、前から見れば不細工な女性を指す。
外来語ではなく日本でつくられた造語。バックは後ろ、背中。シャンはもともとショ
ーン、ドイツ語の美しいという意味で、バック・ショーンがバックシャンになった。
」とのことです。
初めてこの言葉を耳にしたのは、入社3年目で営業部門にいた頃でした。職場の若い
女性社員の後ろにまわって、2年先輩が「こいつはバックシャンだ」といいました。
当時まだセクハラという言葉が存在せず、接待や預かり金が何の問題もなかった頃で
、サラリーマンは気楽な稼業があたりまえの時代でした。バックシャンという意味も
わからず、それに、何よりも仕事が面白しろくて休日出勤が苦にならなかった青春時
代ですから、女性の後姿を楽しむような遊び心に目覚めてはいませんでした。フロン
トは見なくていい、バックだけでいいなどという枯れた心境になるには、社会人とし
てそうとうの年季が必要だと思います。
後姿を鑑賞するだけならリスクはほとんどありません。「どこ見てんのよ」と元気な
オネーチャンに脅かされることもないでしょう。実業の世界でも、前を走っている成
功者たちの背中を追いかけている間は、夢と期待で楽しい気分が味わえます。しかし
ながら、状況が変化し、前を走っている人のスピードが落ちたり、棄権したり、こち
らのスピードがあがったりして、追いついたとき、「バックシャン」の顔が見えてし
まいます。ヴィーナスに昆虫の顔がついているかもしれません。昆虫の顔だったら、
生者必滅会者定離の理、一瞥しただけでその場を走りぬけていきます。
そしていまだ、バックシャンでフロントもシャンには、お目にかかっておりません。