景表法ニュースレター バックナンバー

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元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

今日は、先週お伝えした「物言う事業者」に関し、

行政処分を受けた場合についてお話しします。

 

1.行政処分で一番なじみが深いのは、景表法

違反の措置命令と思われますので、それを例と

してお話ししたいと思います。

 

2.まず、消費者庁に対して審査請求ができま

す。

 

(1)そうすると消費者庁の措置命令を出した

部署とは別の部署が措置命令を検討し、問題

ないということになれば(100%そうなります

が。。)、総務省の第三者委員会に諮問します。

 

※大正製薬の花粉を溶かすマスクの措置命令

事件(>措置命令・確約手続きDB

 

大正製薬社は、措置命令の直後に消費者庁の

考えはおかしいとのプレスリリースを発表し、措

置命令を争う審査請求を2019年10月に行い

ましたが、それに対し、消費者庁が第三者委員

会に諮問したのは約2年後の2021年9月でし

た。

 

(2)そして、第三者委員会が結論を出します

(今まで第三者委員会で覆った事例はありませ

ん)。

 

※大正製薬事件

上記の大正製薬事件では、諮問があった約半年

後に、第三者委員会が「措置命令相当」の結論

を出しています(>措置命令・確約手続きDB)。

 

(3)審査請求は措置命令の後、半年以内に行

うことが必要です。

 

3.上記の審査請求の前でも後でも、裁判所に

対して措置命令の取消訴訟が提起できます。

 

こちらも企業の勝ちの事例はありませんでした

が、糖質カット炊飯器に関する4社に対する

措置命令(>措置命令・確約手続きDB)に対

しforty-four社が提起した取消訴訟に関し、昨

年7月29日、東京地裁は企業勝訴の判決を下

しました(消費者庁は控訴したので事件は現

在東京高裁に係属中)。

 

*この事件に関してはYDC薬事法ニュースを

ご覧ください(>リンク)。

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

先週木曜日、消費者庁はエステ「スリムビュー

ティハウス」に対し特商法違反を理由として、

業務停止命令(法人・代表者個人、共に3ヵ

月)を下しました。

 

YDCの薬事法ニュースをご覧下さい。

――――――――――――――――――――

『消費者庁|スリムビューティハウスに業務停

止命令 痩身エステ契約で特商法違反』

 

◆消費者庁は1月29日、特定継続的役務提供

業者であるスリムビューティハウス株式会社

(東京都港区)に対し、特定商取引法に基づく

行政処分を行ったと発表した。

 

◆消費者庁によると、同社はエステ契約におい

て、「当社の骨盤ダイエットは、医学的根拠に

基づいて独自に開発した施術」などと勧誘、契

約意思がない旨を示した消費者に対しても、収

入状況などを聞き出しながら執拗に勧誘を続け

るなどの行為をしていた。

 

◆また、同社の商品である「エンザイムフロー

ラ」等の定期購入について、「エステを受けな

がら、プロテインを飲めば、代謝が上がるの

で、もっと痩せる」などと勧誘し、さらに、本

来は役務提供契約の解除に伴いクーリング・オ

フや中途解約が可能であるにもかかわらず、あ

たかも解約できないかのように告げていた。

 

◆消費者庁は同社に対して2026年1月30日

から4月29日までの3か月間の業務停止命令

を下した。

 

◆また、同社の代表取締役に対しても同期間の

業務禁止命令を下した。

――――――――――――――――――――

 

ポイントは4点。

 

(1)「当社の骨盤ダイエットは、医学的根拠に

基づいて独自に開発した施術」と効果に関し根

拠のないトーク(不実告知)

 

(2)クーリングオフや中途解約に関し虚偽の

トーク(不実告知)

 

(3)(2)によりクーリングオフや中途解約を

妨害

 

(4)断っているのに執拗に勧誘

 

なお、現段階で特商法の特定継続的役務提供

に該当するのは

(イ)エステ (ロ)美容医療 (ハ)語学教室

(ニ)家庭教師 (ホ)学習塾 (へ)パソコン教室。

 

本件は(イ)に該当します。

ちなみに「脱毛」は(イ)(ロ)に該当しますが

「発毛」は該当せず、規制に差があります。

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

YDCは弁護士法人TTI(>TTI。グループの

M&M法律事務所含む>M&M)と連携して、

「物言う事業者」活動を展開しています。

 

つまり、従来は「お上と争ってもろくなことはな

い」という発想で、「謝って許しを乞う」という

スタンスが多かったのですが、葛の花事件など

でそれではかえってマイナスということが認識

され(葛の花事件では、行政に許してもらおう

と思って任意の謝罪広告を出した12社全社

措置命令を受けた)、「言うべきことは言う」

スタンスが広がり始め、YDC・TTIはそのムー

ブメントを加速させています。

 

今日はそんなQ&Aです。

 

Q.当局からの指摘に対して、YDC・TTIさん

から反論を行ったところ、当局は何も言って

来なくなりました。

もうすぐ1年になります。

うちはもう大丈夫と考えてよいのでしょうか?

 

A.1.1年近く何も言って来ないのであれば

そう考えてよいと思います。

 

2.仮に何かの処分に向けて動き出したら次の

ように反論したらよいでしょう。

 

「本件において、行政庁は、〇年〇月の調査に

より事実関係を十分に把握し得たにもかかわら

ず、約1年にわたり何らの指摘・是正指導・

注意喚起を行わなかった。

このような行政庁の態度は、少なくとも当該点

について直ちに不利益処分の対象とする意思が

ないとの外観を形成するものであり、当方にお

いてそのように信頼することには合理性があっ

た。

にもかかわらず、何らの事情変更もないまま突

如として不利益処分を行うことは、信義則に反

し、裁量権の逸脱・濫用に当たる。

なお、最高裁は、行政庁の一連の対応により正

当な期待が形成された場合、

その期待を不意に裏切る処分は信義誠実の原則

に反し得ると判示している(最高裁昭和56年

1月27日判決)。

これに照らすと、当局による長期沈黙は、当該

点について問題視していないとの合理的な期待

を形成し、その後処分が行われるとしたらそれ

は同原則に反するものと言える」

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

適格消費者団体Cネットさん(消費者被害防止

ネットワーク東海)はパーソナルジム系を追

及するのがお好きなようで、株式会社REVIAS、

株式会社Fast Fitness Japan、株式会社FIT

PLACEなどを追及されていますが、

chocoZAPさんへの追及も厳しく、2024年1

月23日に始まり2025年12月16日に終了。

約2年の長きにわたりやり取りが展開されま

した。

 

問題とされたのは利用規約。

そのいくつかをご紹介します。

 

1.返金

利用規約:

支払処理が完了した利用料は、理由の如何を問

わず返還しない。

 

→Cネットさんの主張:

消費者契約法10条により無効。

 

→chocoZAPさんの対応:

十分な利用ができなかった時などに返金を認め

ることにした。

「第6条【利用料】

3.支払処理が完了した利用料は、理由の如何を

問わず(会員の携帯機種による専用アプリが利

用できない場合又はシステム障害等がある場合

を含む。)返還しない。但し、利用申込み行為

に法定の無効・取消原因が認められる場合のほ

か、会員の責めに帰すべき事由によることな

く、当該会員が通常利用する店舗及びこれに代

わる近隣店舗を利用できないことにより、これ

らの店舗の利用可能日数の合計が、当該月の日

数の半数を下回ったときはこの限りでない」

 

2.退会

利用規約:

1.会員は、専用アプリにおいて退会手続きを

行うことにより、退会することができる。ただ

し、以下の場合は退会手続きを行うことができ

ない。(中略)

(2)利用料の引き落としエラー等の未払いが

ある場合(未払いが解消されるまで退会不可)

 

→Cネットさんの主張:

消費者契約法10条により無効。

 

→chocoZAPさんの対応:

「決済完了まで退会できない」を「退会できる

が支払義務は残る」にした。

「第4条【退会】

1.会員は、専用アプリにおいて退会手続きを行

うことにより、退会することができる。なお、

退会手続きの時点で当該会員に利用料等の未払

いが認められるときは、会員は、退会手続き完

了後も当該未払いの支払義務を免れるものでは

ないものとする」

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

 

今日は、行政追及事例に関するQ&Aです。

 

Q.膝を支えるサポーターを販売しています。

お客様から頂いた「とにかくいい!」というお

便りを抜粋し、「お客様から高評価!」と見出

しを付けていたところ、行政から「事業者側に

都合の良い部分のみを抜粋しているのは問題

だ」との指摘を受けました。

 

どう対応したらよいですか?

 

A.1.行政の指摘には一理あります。

というのも、このメルマガでも何度もご紹介し

ているように、ステマに関する消費者庁の

Q&Aにおいて、「いい声ばかり紹介するのは

ステマになる」とされているからです。

 

※消費者庁Q&A

――――――――――――――――――――

Q10

当社では、当社の商品を購入したお客様に、商

品を使用した感想等に関するアンケートの回答

に協力していただいています。この度、このよ

うなアンケートの回答の一部を引用(抜粋)し、

「お客様の声」として自社ウェブサイト内に掲

載することを検討しています。この場合、告示

に違反することはありますか。

 

A

運用基準では、事業者が自社のウェブサイトの

一部において、第三者が行う表示を利用した表

示を行う場合、当該第三者の表示を恣意的に抽

出することなく、また、当該第三者の表示内容

に変更を加えることなく、そのまま引用する場

合は、当該利用部分は、「事業者の表示」には

当たらないことを示しています。

したがって、例えば、アンケートの回答の中か

ら、無作為に選んだ回答を引用して掲載する場

合には「事業者の表示」に当たらないと考えら

れます。

一方で、例えば、商品について好意的な評価を

しているものだけを選んで引用する場合や、商

品の「良い点」・「悪い点」を挙げている回答

の「良い点」の部分だけを引用する場合は、

「事業者の表示」に当たると考えられます。

したがって、このような場合には、「事業者の

表示」であることを明瞭にしなければ、告示に

違反します。

――――――――――――――――――――

 

2.但し、その趣旨は、消費者に誤認を与えな

いようにすること、本件で言えば、実態以上に

反響がよいと思わせないことなので、そのこと

がわかるようにしておけばそれで足ります。

 

たとえば「お客様から頂いたお声の中から高評

価を頂いたものをご紹介します!」と見出しを

付けておけば「すべての声が高評価ではない」

と消費者は認識することができ、誤認を与える

ことにはなりません。