景表法ニュースレター バックナンバー
薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問
の林田です(元政府委員・元弁護士)。
通常国会もあと1カ月余りとなりました。
国会が終わると中央官庁の幹部クラスの人事異
動があります。
そこで怖いのが置き土産です。
今日は、そんなテーマでホームズとワトソンの
対話をお届けします。
ワトソン:
令和5年6月30日に下された、さくらフォレ
スト社の機能性表示食品広告に対する措置命令
(>措置命令・確約手続きDB)。
これは7月に人事異動する担当官の置き土産
だったという噂もありますが、そうなのです
か?
ホームズ:
噂の真偽はわからないが、担当官が7月初め
に人事異動したことは確かだ。
ワトソン:
この件の追及は数カ月前から始まっていて、人
事異動の噂を掴んでいたA社は徹底的に争っ
て、措置命令のターゲットからはずれたという
噂もあります。
ホームズ:
その噂の真偽もわからない。
但し、A社も同じような機能性表示食品に関し
景表法違反で追及されていたこと、しかし、A
社に対して措置命令が下されなかったことは確
かだ。
ワトソン:
ということは、今の時期、景表法や特商法違反
の追及を受けている会社は徹底的に争った方が
よい、ということになりますか?
ホームズ:
そういう考え方もあるかもしれない。
薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問
の林田です(元政府委員・元弁護士)。
YDCでは「適格消費者団体の動向」というサ
イトを開設し、随時情報をUPDATEしていま
す(>サイト)。
適格消費者団体は、もともと新設官庁で予算も
マンパワーも十分でない消費者庁が別動隊とし
て補完してもらうために始めた制度で、消費者
契約法違反や景表法違反の表示・広告や規約を
追及する権限を持っており、その差止を要求
し、応じない場合は裁判に訴える権限も持って
います。
このプランニングは成功を収めており、適格消
費者団体の数はどんどん増えており、現在27
に至っています(>内訳)。
但し、いくつか注意すべき点があります。
1.権限を持っているのは消費者契約法違反と
景表法違反なので、薬機法違反に関する追及は
権限外です。
特商法違反に関しても権限外ですが、薬機法の
違反が厚労省マターなのに対し、特商法違反は
消費者庁マターで消費者庁とはもともとのつな
がりがあるので、「通報」は行なわれやすいと
言えます。
2.違反の立証責任は適格消費者団体にありま
す。
消費者庁が追及する場合には「不実証広告規
制」がカバーし、企業に立証責任が転嫁されま
すが、適格消費者団体の追及にはそのような
「特典」はありません。
それゆえ、「違反」と主張しているけれど十分
な証拠が示されていないというときは「十分な
証拠を示して頂きたい」と対応することが可能
です。
この点は「インシップ事件」において判例とな
っています(詳しくは景表法ニュースレター1
月7日号をご覧下さい>リンク)。
薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問
の林田です(元政府委員・元弁護士)。
先月28日、失禁パンツ販売の2社に対し、景
表法違反の措置命令が下されました(>
措置命令・確約手続きDB)。
「尿もれ対策 吸収量100cc アンモニア消臭
99%」といった訴求に根拠がない、というのが
その理由です。
一応エビデンスはあるのですが、パンツをはい
ている状態での数値ではないことが問題とされ
たのです。
その際、消費者庁は次のように述べています。
「当該表示見直しに当たり、貴社から国民生活
センターや薬事法ドットコム等に対し、見直し
後の表示の確認を求められましたでしょうか。
その有無についてご教示いただくとともに、も
し、確認を求めていた場合、その確認結果につ
いてもご教示ください」(>画像)。
エビデンスについて、国民生活センターや薬事
法ドットコムに確認したのか?と、問うている
のです。
皆様方も措置命令を避けたければ、ぜひエビデ
ンスについて薬事法ドットコムに確認するよう
にしてください。
薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問
の林田です(元政府委員・元弁護士)。
消費者庁が負担の大きい「景表法違反の疑い
→措置命令 →課徴金」の手続を減らし、「景
表法違反の疑い →確約計画」の手続を増やし
ていることはこれまでもお伝えしている通りで
す(後者のケースはこれまで8件>
措置命令・確約手続きDB)。
その中で、No1表示の景表法違反から確約手
続に至ったイングリウッド社のケースが雑誌
「公正取引」の最新号で担当官により解説され
ていました(>表紙)。
そこでは、確約で話がまとまった一つの理由と
して、問題のあるNo1表示の掲載期間(遅く
とも令和6年8月19日には終わる)に購入した
消費者だけでなく、その広告を止めた後に購
入した消費者(令和7年2月9日まで。約半年)
に対しても代金の一部返金を行うとしたこと
が挙げられています。
どうしても確約でまとめたい企業にとっては参
考になる戦略です。
薬事法ドットコム社主、エグゼクティブ戦略顧問
の林田です(元政府委員・元弁護士)。
今日は、適格消費者団体なら消費者ネットが、
化粧品ECを展開するAMBER BLOOM社を
追及した事件のケーススタディの2回目です
(>リンク)。
今日検討するのは「返金保証」訴求の有効性に
ついてです。
こういうことです。
1.このケースは化粧品のセット定期が初回
2200円(コンビニ後払い手数料も入れると
2420円)、いつでも解約可で、「返金保証付き」
というものでした。
2.しかし、初回受取りで解約すると解約手数
料などが引かれ、結局530円しか返金されな
い。
しかも、前回お話ししたように、別枠として不
正転売防止で6000円が課金され、とどのつま
り、返金どころか持ち出しになってしまうとい
うある種のトリック。
「なら消費者ネット」はこれは有利誤認であり
景表法違反と追及し、AMBER BLOOM社も
その追及を受け入れ、本年2月12日にすべて
の追及は終了しています。
3.こういうトリックはなく、一定条件をみたせ
ば支払ったお金はすべて返ってくるというので
あれば「全額返金保証」と訴求し、「電話でいつ
までに申請」などの合理的条件をその直下に
明記しておきましょう。

